第3話

世界間売買


▶︎世界

▶︎購入

▶︎買取

▶︎鑑定

▶︎神器



(これは……なんだ?)


 レオンは、唐突に現れたウィンドウを訝しみながらも観察する。


(……縦2〜30cm、横5〜60cmってとこかな? 色は青く、少し透けている。項目は六つある。さて、触れるかな……)


 警戒しつつも『世界』の文字に触れてみる。すると、



世界間売買


▶︎世界

 ▶︎現世界

 ▶︎地球

 ▶︎SF

 ▶︎武界

 ▶︎魔法界

 ▶︎魔界

 ▶︎天界

 ▶︎終焉

▶︎購入

▶︎買取

▶︎鑑定

▶︎神器



 『世界』の項目の下にズラッと選択肢が並ぶ。想定通りの結果に胸を下ろしながら、考察を続ける。


(まあ、こうなるよな。お次は『地球』を選んで……商品カテゴリ? とりあえず、食品にして……と、肉類、野菜……ここは、こうかな?)


 習うより慣れろと言わんばかりに選択し続け、最終的に、コーラを選択したところまで来ると、



《残金が足りません。チャージしてください》


 ウィンドウにそう表示され、お金を入れろと言わんばかりに四角い穴のようなものが現れる。


「ふむふむ、お金か……確かこの辺に」


 そう呟くとレオンは、ベットの下を探り出す。やがて、手を引くと、その手の中には、金貨が輝いていた。


「少しづつ貯めておいてよかった。これが全財産だぞ……本当頼むよ……」


 これで、この貨幣ではダメ、金貨では足りない。などと言うことになれば、なにもできなくなる。そんな、不安を胸に先程の文言とともに現れた、四角の黒い穴に金貨を投げ入れる。すると、


《チャージ完了。商品を転送します》


 ウィンドウにそう表示されると同時に青い光がレオンの手に集まり、だんだん、形を明確にしていったか、と思うと同時に、実体化していく。


「ま、マジか……」


 レオンの手には、この世界では絶対にお目にかかれないような、地球の某会社のコーラがあった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る