第33話 クリムの友人
「も、もう、限界っす。ギブ。マジギブアップ……」
「お疲れさん。私はゲリライベ行ってくるが、お前は休むか?」
だから限界って言ってるじゃん。動けないっつーの。体力ヤバすぎだよ……、ルグアは……。
「体力じゃなくって思考力な。プラス持続と持久力。継続時間も長ければ長いほど集中力が上がる。っと、私はそう考えている」
負荷かけている時点で昏睡状態だろ⁉ よくならないなぁ~。アホみたいにすごい……。俺には到底無理。真似できない。
「疲れてるけど俺も行きます‼ もっとルグアと一緒に行動したいので‼」
「んじゃ、お前の体力温存するために私がおんぶしてやる」
「毎回ありがとうございます……、団長……」
思考力の体力量が半端ない。持続力も長すぎる。
俺はルグアの背中に乗っかって、ゲリライベント会場へ向かう。ルグアの移動速度は相変わらず速いが、俺が慣れてしまったのか背中にくっついたまま眠りに落ちた。
◇◇◇一方、ガロン達は◇◇◇
「ウェンドラさん‼ この防具可愛いですよね?」
「ええ、確かに可愛らしいわ。一つ購入しても良いかしら?」
「なら、人数分の方が良いですよ」
わたしはウェンドラとセレスを連れて、装飾防具屋にきていた。装飾防具とはへそ見せや太もも見せ系の、色っぽい見た目になる防具のこと。
いつか身につけてみたかったミニTシャツ。着てみると無防備のお腹がスースーする。
リアルじゃ風邪をひくのでやらないけど、疑似体験ができただけでもビキニお姉さん気分。
ウェンドラの
「なんか新鮮で楽しいです‼ アーサーさんもお似合いです‼」
アーサーというのはセレスの肩書き。元々は初代【アーサーラウンダー】の団長だったが一度解散したあと再結成。
以来、ルグアが団長になって活動していた。ギルドはいつも大盛況。毎日が賑やかで騒がしく、活気が溢れていた。
「そろそろ集合時間になるけど、ルグアさん達が見当たらないですね……」
セレスがポツリと呟く。人気がまばらな海底都市は人を探しやすく、楽に見つけることができる。
しかし、時間になっても一向に現れないのだ。その頃、ルグア達が何をしているのかというと……。
◇◇◇街の外れ◇◇◇
「おっ‼ クリムも来ていたのか」
〖今から友人に会いに行こうと思ってのう〗
友人? どんなエネミーなんだろう? 俺はルグアにおぶさったまま、クリムとのやり取りを聞いていた。
少しして目の前に出現したのは、巨大なサソリ。クリムはそのサソリに近づくと、
〖久しぶりじゃな、ライザレイ……〗
サソリの名前を呼んだ。
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