第30話 第七層は海底都市
見渡す限り真っ青の世界。泳げないのでどうしようもない。俺はルグアに抱かれて水中を移動する。
泡のヘルメットを被ると、視界がしっかりしていて良く見える。でも、ルグアだけはヘルメットを着けていなかった。
本人
「モードレさん。ちょっと追い込むにも程があるじゃないですか? ここまでされると、心配しかないです‼」
確かにガロンの言う通りだ。潜水用ヘルメットを被らずに泳ぐのは、危険レベル。いつ倒れてもおかしくない。
「やっぱり、ルグアもヘルメットを着けた方が……」
「大丈夫だって。実際、ギルメンのヘルメットを生成したのは私だしさ。もちろん制限もあるから仕方がない。一人分作れなかっただけだ」
「なるほど……」
って頷いている場合かよ⁉ 俺‼ せっかく俺の彼女に‼ ほんとの彼女になってくれたんだよ⁉ 失ったら100パーセント
「アレンさん。ガロンさん。その点に関しては心配ご無用です。ルグアはそこまで
いや、ウェンドラ泳いでないだろ? 水流とか関係無く移動してるじゃないか‼ 完全に浮いてる‼
「別に、ワタシはこれが普通なので……」
そういう意味じゃない‼ まあ、いいか……。俺は抱かれたまま、神殿のような場所に移動する。
もしかして、ここが第七層のダンジョン? なんかかっこいい。ってか、さっきから『かっこいい』しか言ってない気がする。
「さ、そろそろダンジョンに到着するぞ‼ 着いたら魔法解除。良いな?」
ルグアの合図……。良き……。着いたら魔法解除か……。もしダンジョン内も水中だったらどうしよう。泳げない。
必ずネックになってしまうカナヅチというカタカナ四文字が、俺の弱点だからだ。カナヅチ……。金槌……。沈むだけ……。
「なら私が教えてやろうか? スパルタか、加減付きか……。加減付きの方が良いか……」
「よろしく……お願いします……」
さっきから教わってばかりだ……。このままで良いのだろうか? 相当
「アレンさん。わざわざ考え込まなくても良いですよ。いつかその時がくるはずですから」
「は、はい……」
神殿の中に入ると、そこは綺麗な海底都市だった。これで合っていると思う。水中での無重力状態が消え地に足をつく。
魔法が解除されたのに呼吸しやすい。それなりに活動しやすくなっているようだ。
なら、泳げない俺でも大丈夫。少しの間お世話になるので街を回ることにした。
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