第8話 ルグアの休憩場所

「謎すぎる……。スピードは速すぎだし、HP低いにも関わらず耐火装備は着けないし……」

「んあ? なんか言ったか?」


 こういうことは鈍感なのか……。それよりも清々しい表情してんなぁ~。

 なんでだろうぶっきらぼうだけど、落ち着くし親近感が湧いてくる。


 居心地が良い。それより性別どっち⁈ 男⁉ 女⁉ 高身長で韓流系アイドル並みの見た目だけだと、両方に見えて……。


「女だ」


 お、女ぁー⁉ 激レアじゃね⁉ めちゃくちゃかっけぇんだけど‼ っていうか違和感が少ないんだけど⁉ なんでなん?


「さあな」


 なんか……。すごい……。交わさなくても成立している気がする。謎しか増えない……。ほんとに何者なの⁈

 耐火装備のおかげで俺は大丈夫だけど、対する彼女は焦りがない。ダメージが入っているはずなのに、とても真剣にスタスタ歩いている。すると、


『あ‼ お久しぶりです‼ アンゲーマー先生‼ やっとログインできるようになったんですね‼』


 遠方から聞こえる男性の声。アメリカ人だろうか? 真っ赤に燃える火山地帯を一人の男性が走ってくる。〝アンゲーマー先生〟って何?

 

「ルナ‼ お前とは四年振りだな‼ どうだ? 実家のばあちゃんは?」

「はい‼ おかげさまで回復に向かっていますね。今は姉が看病してくれています」

「そりゃよかった」


 ルナとはこの男性の名前らしい。人脈の範囲がわからない。ってか、〝アンゲーマー先生〟って何ですか?


「それのことか?」


 気づかれてたぁー‼ 勘のパワーすごすぎて大爆笑レベルなんですけど‼


「アンゲーマーってのは、知らぬ間に付けられていた異名だ。久しぶりに聞いてみたが今ではしっくりくる」


 異名持ちだとぉー‼ どこまですごいんだよ、団長は‼ イメージができないんですけどぉ‼ 知ってる人はどれだけいるんだよ‼


「知らないんですか? ゲーマー全員が支持する超有名人ですよ。本格始動から約二ヶ月で人気になったくらいですから。頂点に君臨する人です」


 ルナも同類かよ‼ なんで気づくんだよ⁉ 


「恥ずかしいじゃないか……。確かに始めたのは十六だが……。一部を除いてログイン禁止になってるからな。レパートリーが少なすぎて暇しかない」


 団長ってそんなに強いんだ……。いつか戦いたいなぁ〜。だけど熱気で死にそう。暑い。動きたくない。HP減ってないけど……。ってことは置いといて、思えば、


「遊んだタイトルは?」

「ざっと100万はいってるはず。特徴は、全タイトル分記憶してるから、比較も楽なんだよな」


 脳内容量デカッ⁉ 100万タイトルを全部覚えてんの‼ 確か一千万あるから10分の1遊んでんの⁈ 一日のスケジュールがヤバそう……。

 相当やり込んでるかもしれない……。


「よし‼ ここにするか……」

「ルグア団長、ここって……」


 しばらくして到着したのはマグマの池。ルグアはその中に潜っていく。ルナは手を振りながら「おやすみ」と言って、不思議な映像になっていた。

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