起きたら女だったので、そのまま過ごすことになりました

第18話 コレは何のフラグだょ！！？

買い物から帰宅したハルとルイはルイの部屋に居た。

ハル[あ～疲れた～…………]

ルイ[お姉ちゃんｯなに疲れてんのｯ明日の準備しちゃおうよ～]

ハル[え～～もぉ？]

ルイ[だってギリギリになって２人待たせたらどーするのｯ]

ハル[……確かに]

ルイ[何着てく～？]

ハル[う～ん……なんにしよー……]

ルイ[やっぱり海だし、動きやすくてｯ可愛くてｯ楽な格好って言ったら、オーバーTシャツにデニムのショートパンツ！とかどーかな？こんな感じとか]

ルイが服をパサッとベッドの上に置いた。

ハル[なるほど……それいいねｯ]

ルイ[だよねｯ(笑)あたしさぁコレ上下二枚持ってるから、お姉ちゃんに１セット貸すよｯ]

ハル[いいの？]

ルイ[全然良いよｯだから水着も服も双子コーデだよｯ(笑)]

ハル[良いね(笑)ありがとう～ルイ]

ルイ[あ、あと、お姉ちゃんウヅキ君に明日、ウチに９時集合って伝えておいて～お姉ちゃんからのLINEの方が喜ぶと思うから(笑)]

ハル[なにそれ？……]

ルイ[いいからｯいいからｯ(笑)ヨロシクね～あたしお風呂入ってくる～(笑)]

ハル[……わかったよ(あたしからだと喜ぶって……なんで？まぁいいや～LINEしとこーｯ……えーと「明日、あたしん家に９時集合ヨロシクね」……っと……送信ｯ……)はぁ～]

ハルはタメ息と共にベッドへ仰向けで寝転んだ。

ハル[(明日～～大丈夫かなぁ～……海……か……まぁルイも居るし…………大丈夫……か……)]

そんなコトを思っていたら、片手に持っていたスマホが鳴った。

ヴｩーｯヴｩーｯ。【受信】

ハル[ん？あ、ウヅキからか……えーと……「了解、明日寝坊すんなよ」…………って……寝坊なんてしないし～「ウ・ヅ・キ・が・ね！」……送信……]

ヴゥーｯヴゥーｯ。【受信】

ハル[返信早ｯ……「ハルじゃないんだから、寝坊なんてしねーよ(笑)」って……まぁ～確かに学校の日でも、ちょくちょく寝坊はするけど～……も～ウヅキめ～「はい、はい、気を付けますよ～」っと送信……はぁ～……海かぁ～……]

ヴｩーヴｩー。【受信】

ハル[……早ｯ……「でも、まぁ～寝坊はともかく、ハルも居るし明日楽しみだわ色んな意味で(笑)」…………どう言うコト……色んな意味でって……またバカにしてんのかな？ウヅキ……まぁいいや～「はーい、ありがとね、あたしもウヅキと行けて嬉しいよ」っと……送信…………はぁ～でもなぁ～……海かぁ～…………憂鬱……]

そう言うとハルはスマホベッドの上にポイｯっと手放した。

ヴｩーヴｩー。【受信】

ハル[……相変わらず返信早いな～(笑)えーと……ん？……ユズキ君？「ハルちゃんｯ明日ヨロシクね～俺すげー楽しみにしてるよｯ(笑)」あはは……ユズキ君少年みたいだなぁ～(笑)]

そんなコトを思っていると、立て続けにもう一通ユズキからLINEが来た。

ハル[ん？……「明日さぁちょっとで良いから２人っきりになれないかな？」……え……コレって……どう言った用件で…………………………ちょっと……コレは不味いのでは…………ど、どうしよう……コレになんて返信したらいいの？…………え～～まじでど～しよう…………ル、ルイに相談する？……いや～……ウヅキに？…………いやいやいや！それは何かダメな気がする…………どうしよう……]

ヴｩーヴｩー。【受信】

ハル[わｯ！……って今度はウヅキか…………まさかとは思うけど…………こう言った時の展開にありがちな…………]

ハルはウヅキのLINEを見た。

ハル[…………「そうか……あのさ、明日海行ったら、少し２人で話せるか？」………………やっぱりお前もかーい！………どういうコト！？………もーーーｯ！コレは何のフラグだょ！！？どうする！？どーしたら良い！？……そうだｯ見なかったコトに……ってダメだーーｯ………２人のLINE既読しちゃったしぃ～！………う～～～～ん…………]

ハルはうつ伏せになりベッドへ顔を埋めながら、スマホ片手に考えていた………………。

ハル[…………(どうする……返信……なんて返す？……しかも……２人に…………そもそも…………俺…………男なんだけど…………はは……何か久しぶりに【俺】って使った気がする(笑)………最近じゃ……すっかり……女に慣れて頭ん中でも……【あたし】になってたもんな～…………てか…………俺って……今……実際問題……男と女……どっちが好きなんだろ？……あんまり深く考えたコト無かったけど………………そうだｯ……ちょっと想像してみようかな……こう言う時はｯ……キ、キスシーンだなｯ(笑)……よ、よし……まずは……女の子…………ルイは…………妹だし……クラスの女子で……可愛いコのこと想像して………………………な、何か……変な感じ…………自分の容姿が女だから？…………………そう言えば……着替えの時……今じゃ何にも思わなくなってた……慣れたから？…………じ、じゃぁ……男の子…………誰を想像しよう…………クラスの男子？…………あんまりパッとする男子居ないんだよな～…………う～ん……あ……ユズキ君？…………カッコいいもんな～……近くで見るとホント顔キレイだし………【ドキドキ】………って！…………コレ！？想像してるとかって変態じゃね！？……だ、大丈夫？自分……………今ちょっとドキドキしてた！？………えぇ………なんで？………イケメンだから？……………じ、じゃ……ウヅキは………………)]

ハルはウヅキの笑顔や声、仕草を思い出しながら……キスシーンを想像した。

すると…………ハルの心拍数はいっきに上がって行った。

ハル[【ドキドキドキドキ】ｯ！？……(ヤバイ！？……１人で想像してるだけなのに！……ウヅキとのそんなシーン考えるとｯ…………めちゃくちゃ……ドキドキ……する……………………え？…………どういうコト…………なんで…………やっぱり……今の自分って……男の方が……好き……ってコト………？…………いや、それよりも…………なんでウヅキに、こんなにドキドキしてんの？！…………意味分かんない…………ウヅキはただの……友達なのに………………で、でも……取り敢えず……今は……女になって…………おそらく…………男の方が……好きと言うか…………ドキドキするみたい……だな………………複雑…………)]

ハルはまだ、この時、自分でも気付いていなかった……後々分かる、ある一定の人への感情を……。

ハル[(ダメだ～～～落ち着け～～ハル～～……一旦…………忘れよう………………冷静に…………目を閉じて…………………………………………)]

そこへ、お風呂から上がってきたルイが部屋に入ってきた。

ガチャｯ。

ルイ[お姉ちゃ～んｯ上がったよ～！……って……お姉ちゃん？]

ルイがハルの所へ行くと、ハルはスマホ片手にスースーと寝落ちしていたのだ。

ルイ[ありゃ？寝ちゃってるし～ちゃんとLINEしたのかなぁ？……ん……]

ハルのスマホは、LINEのトーク画面のままになっていた。それに気付いたルイは、ウヅキとユズキからのLINEのトークが目に入ってしまった。

ルイ[あー……あらら……お姉ちゃん……コレは……大変なコトになってますね……ははは……(苦笑)仕方ない……明日のコト考えるとお姉ちゃん可哀想だから、お姉ちゃんの分も明日の準備してあげよ～っと(笑)本日はゆっくりオヤスミなさいませｯお姉様ｯ(笑)]

結局ハルは１度も起きるコトなく、朝まで寝てしまい、ユズキとウヅキにLINEの返信をしないまま次の日の朝を迎えた。

翌朝。