第14話 ウヅキの弟……


昼休みが終わりかけた頃……。

次の授業の準備に入る生徒達。


男子A[次、体育だなッ]

男子B[あ~早く着替えねーとな……あれ?田口どーした?]

ウヅキ[いや……ジャージ忘れたわ……俺、見学だな]

男子C[まじー俺の貸す?]

男子B[何お前が休もうとしてんだよ……それに、お前のジャージじゃ田口入んねーよ(笑)]

男子B[ははッ(笑)だなッ]


そこへ…………。


男子生徒[さーせーん!田口ウヅキ居ます~?]


男子生徒がウヅキを探して教室に一歩入る。


男子生徒[あ!兄貴~!居た居た(笑)コレ【ジャージ】渡すの忘れてたわ~(笑)朝に渡せって母さんに言われてたんだ~さっきまで忘れてたッ(笑)間に合った?]


どうやら、男子生徒はウヅキの弟だったらしい。

ザワザワする教室。


女子A[え?アレって田口君の弟なの!?めっちゃイケメンじゃない!?]

女子B[きゃ~ホントだ~兄弟揃ってイケメンとか~ヤバいね(笑)]

女子C[彼女いるかな?(笑)]

女子D[ちょっとッ~何狙ってんのよ~(笑)]


イケメン登場に女子達がキャッキャする。


ウヅキ[……あぁ……わりーな……家、出るとき忘れてたんだわ……サンキューギリ間に合った]

弟[そっか~間に合って良かったへへッ(笑)]


教室内がザワ付いてる事に気付いたハル。


ハル[(ん~なに?なに?皆何に騒いでるの?)]


ハルが教室の入り口の方を見る。


ハル[……え!?アレって……ユズキ君!?]


ウヅキの弟はユズキだったのだ。

ハルが駆け寄る。


ハル[ユ、ユズキ君だよね!?]

ユズキ[あ~~!!ハルちゃ~ん!!(笑)]

ハル[ど、どうしてココに!?てか、ウチの学校だったの!?]

ユズキ[そーだよ~(笑)今、兄貴にジャージ届けに来たの(笑)]

ハル[兄貴?]

ユズキ[そッ(笑)コレ(笑)]


ユズキがウヅキを指差す……。


ハル[…………え?……コレ?]


ハルもウヅキを指差す……。


ウヅキ[そッ(笑)]

ユズキ[……お前ら人をコレ呼ばわりしてんじゃねーよ]

ハル[えーーーーーーー!そ、そ、そーだったの!?まじ~~!?]

ユズキ[まじ~~(笑)]


そんな、やり取りに周りは。

またしても、ヒソヒソと……。


女子A[え~!長谷川さんも知り合いだったの?]

女子B[そりゃ~田口君の弟だもん、知り合いでしょ(笑)]

女子C[ん~?でも、何か~あの様子だと田口君の弟って知らなかったぽいけどね~?]


男子A[くッ……またしてもライバルが……]

男子B[いや、ライバルにならねーよ……どう見てもレベルが違うだろ……俺たちじゃ]

男子C[そんなことねー!負けねーぞ俺は~]


そして、ハル達は。


ハル[……ウヅキの弟だったんだ……い、色々とビックリしたけど…………で、でも!また会えるなんて~【運命】だね~(笑)(会えないと思ってた友達に再開した気分~フフフッ)]

ウヅキ[…………]

周囲[(え?今、運命とか言った?)]


それを聞いて、ユズキはキョトンとした後。


ユズキ[あッははは(笑)相変わらずオモシロイと言うか~ブッ飛んでるねッハルちゃんは~(笑)そーだねッ運命かもね(まぁ俺はあの時、制服見て、ウチの生徒だって知ってたけどね(笑))]

ハル[うん(笑)]

ウヅキ[……つーか、もう、時間ねーぞハル]

ハル[あ、そーだね、移動しなきゃ]

ユズキ[……へーー兄貴も仲の良い女子居たんだ~]

ウヅキ[……はぁ?]

ユズキ[だって、ハルちゃんと名前で呼び合ってるし]

ウヅキ[……いや、仲の良い……つーか……お前もガキの頃から知ってるだろ]

ユズキ[……え?どう言うコト?]

ウヅキ[……いや、だから、長谷川ハルだぞ?ウチ前の家に住んでる]

ユズキ[…………え?…………えーーーーー!?ハルちゃんって…………あの…………ハルちゃんなの!?]

ウヅキ[……はぁ~……そーだよ……]

ユズキ[え、だって!だって!ハルちゃんって……その……外見が…………地味……と言うか…………]

ウヅキ[……(説明がめんどくせー……)]


そんなウヅキに向かってハルがニコッとして、代わりに説明し始めた。


ハル[あのね、ユズキ君、あたし最近までの記憶が無くなっちゃったの(笑)…………それで、色々と見た目とか~印象とか、変わっちゃったかもなんだけど、あたしは本物の長谷川ハルなんだよ(笑)だから……小さい時、ユズキ君とも遊んでたかもしれないけど覚えてなくて(笑)だけど、今はウヅキとも仲良くなって、毎日が楽しくて、だから、過去の事全然分からないけど、今を一生懸命生きようと思ってるのッ……だから……ユズキ君も、これからのあたしと仲良くしてくれたら嬉しいかなぁ~って思う!フフフッ(笑)]

ユズキ[…………そぉ……だったんだ………]


呆然とするユズキに向かって。


ウヅキ[……で?どーなんだよ、ハルがこう言ってるけど]

ユズキ[…………あ、も、もちろん!(笑)仲良くするよ!ハルちゃん!(笑)]

ハル[エヘヘッありがとうー(笑)]


ユズキがハルの笑顔にキュンとする。


ユズキ[な、なんなら!付き合う!?(笑)]

ハル[え?……そ、それは……]


ウヅキがユズキにデコピンする。


ユズキ[痛ッ!]

ウヅキ[調子乗んな]

ハル[アハハハ……(苦笑)]

ウヅキ[ほら、まじで時間ねーぞ、今日は男子と女子一緒だろ?ジャージに着替えねーと]

ハル[いっけなーい!着替えなきゃ!じゃーね!ユズキ君!]

ユズキ[あ、あぁ!またね!ハルちゃん!(笑)(ハルちゃん……そうか……あのハルちゃんだったんだ……でも!……今のハルちゃんは……あの笑顔……俺……既にヤられたかも……)]


こうして、再開したハルとユズキ、意外な繋がりがあったのであった。

今後の2人の……いや、3人の運命は…。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る