第12話 一緒に居ると……楽しい


ラブホ街で立ち尽くすハル。



ハル[(え?え?…ホントに!?……ルイ~あんたの言ってた事……ホントだったってことぉ!?)]


昨夜……。


ルイ[お姉ちゃんッ下着は一応可愛いの着けて行った方がいいよッ]

ハル[え?何で?]

ルイ[何でって……もしかしたら……そう言う事……あるかもじゃん!……]

ハル[そう言う事って、なに?]

ルイ[だーかーら!……エッチな事……するような所に行くかもしれないでしょ……?]

ハル[あ~そう言う事ね(笑)………………って!ないないない!……そ、そんな急に!な、無いでしょ!?そ、そ、それに、お礼って!そこまでがお礼なの!?]

ルイ[そーじゃなくて!……はぁ~……分かってないな~お姉ちゃんは~……もしかして!そう言う雰囲気なったら!あり得るかもってこと!だ・か・ら一応下着は可愛いので行って!いぃですか?]

ハル[……え?ルイはそう言う経験あるの……]

ルイ[あ、あたしも無いけど!友達に聞いたの!]

ハル[……そ、そっか~(びっくりした……お姉ちゃんちょっと安心した~ははは……)わ、わかったよ、んじゃ一応ね………(絶対に無いけど)]


ハル[(……なんて言ってたけど……まさか本当に!?し、下着は……可愛いのにして来たつもりだけど……で、でも~!……)……た、田口君!]

田口[……なに?]


声が小さくなるハル……。


ハル[……そ、その……こう言う事は……もう……ちょっと……仲良くなってから……と言いますか……ははは……]


田口[え?……何?]


更に声が小さくなるハル。


ハル[……ッ……だ、だから……その……今から……ぃく所……]


田口[……く所?……あ~行く所!]


ハルが、コクッと頷く。


田口[ゴメン教えてなかったな(笑)ゴメンゴメン(笑)実はさ、弟の誕生日が近くてさぁ、アイツもゲーム好きだから、それ系か雑貨か何かを買いに行こうと思って(笑)一応俺も貰ったし……返さなきゃと思って、で、何が良いか、お前にも一緒に考えてもらえたらと思ってさ(笑)この先に店があるんだけど、ココ近道なんだよ(笑)]


それを聞いた瞬間……ハルの顔は、今までに無いくらい顔も耳も真っ赤になっていた。


ハル[そ、そ、そーなんですね!そーですか!そーですか!(笑)あははは……(勘違い~!誰か~!殺して!今すぐあたしを殺して~!ムリムリムリ!生きていけないぃ~~~!)]

田口[どうした?何で敬語?(笑)つーか……お前大丈夫か?顔真っ赤だぞ……熱……あるのか?]


田口が心配して、ふいにハルのオデコに手を当てる。

その瞬間、ハルの体温更に上昇!


田口[なんか……熱くねーか?……]

ハル[(ぃ~!これ以上ムリだってば~!)た、た、田口君!じゅ、10秒だけ待って!]

田口[へ?…………あ、あぁ……]


ハルは、くるっと後ろを向き心を落ち着かせた。


ハル[(深呼吸……すぅ~……は~……すぅ~……は~……大丈夫……落ち着いて……落ち着いて……たぶん……田口君はあたしの言ってた意味に気付いてないし…聞こえてなかったと思う…大丈夫……)ふぅ~~……]


そして、ゆっくり田口の方を向き。


ハル[……ごめんね、もう大丈夫だから]

田口[……本当に大丈夫か?……具合悪いなら無理しなくていいぞ?……]

ハル[うぅん、大丈夫だから(笑)ちょっとテンパっただけ(笑)]

田口[テンパった?……(何にテンパったんだ?)……大丈夫なら良いけど……でも、無理すんなよ、具合悪い時は直ぐに言えよ]

ハル[う、うん(笑)]


歩き出す2人。


田口[……(テンパった?……コイツ何にテンパったんだ?……何か俺したけっけ?……う~ん……)]

ハル[(だいぶ落ち着いたけど…………ココ通るのは……何か……恥ずかしいと言うか……誰にも見られてないよね?…………もし、誰かに見られてたら…絶対に勘違いするよね……?早くココ通りすぎないかなぁ……………田口君は全然平気なのかな?…………あ……て言うか……あたしを別に女として意識してないからか………あーそっか……なーんだ………………って!え?なに?どー言うこと?何でその辺意識してんの?自分!……てか、何でガッカリしてんのよ!……どう言う事??)]


ハルは自分でも分からないでいた 。しかし、それが、神様が言っていた……心と身体のバランスが徐々に改善されていく。と言う意味に後になって気付くのであった。今はまだ…………。


田口[あ………]


田口が足を止める。後ろを歩いていたハルは、下を見ながら、ぼーっして歩いていたので、田口が足を止めたのに気付かず……そのまま田口にぶつかる。


ハル[きゃッ!]

田口[あ!ゴメンッ]

ハル[あ、あたしこそゴメンねッ前見てなかった(笑)……どうかした?]

田口[……あ……いや……俺さ……いつも1人でココ通ってたから気付かなかったけど…………お前さ……俺とココ通るの……嫌だったんじゃ……]

ハル[えッ……いや……そ、そんな事]


焦るハル。


田口[……いや、でも……さっきお前が言って事、思い返して……考えてたんだけど……もうちょっと仲良くなってから……とか……今から行く所……とか……]

ハル[!(き、聞こえてたんか~い!)……あ……えっ……と~……]

田口[……だから………何も知らないでココ通るってなったら……普通に…………【ホテル】入るって……思う……よな?……それで……お前]


下を向き……またしても、顔と耳が赤くなるハル。


ハル[……(田口君~!バカバカバカ~~死にたい~隠れたい~助けて~……)]


ハルは下を向いたまま硬直していた。そんな様子を見て田口は……。


田口[……ッ……ご、ごめん……デリカシー無さすぎだよな俺!……本当に悪かったごめん]


そう言うと、田口はハルに向かって頭を下げた。


ハル[え……(田口君……本当にあたしに悪いと思って真剣に謝ってくれてる………………それなら……)そ、そーだよぉ田口君はちょっとデリカシー無さすぎッ]

田口[……わ、悪かった……]

ハル[……だからッ弟さんのプレゼント買い終わったらッアイスでも奢ってよね!(笑)]


そう言ってハルは、頭を下げてる田口に向かって、首をかしげ下からヒョコっと覗き見て、笑顔を見せた。

その、ハルの言葉に気持ちが救われつつ、ハルの笑顔にドキッとしてしまう田口だった。


田口[あぁッいくらでも奢るよ(笑)ありがとな]

ハル[こちらこそッご馳走になりま~す(笑)]


そうして、ラブホ街を抜け、目的地の売場に着く2人。


ハル[う~ん何がいいかなぁ?]

田口[……う~ん……俺もよくわかんねーんだよなぁアイツが欲しそうなの……]

ハル[ねぇ!コレなんてどぉ?目が飛び出てるメガネ(笑)カチャッカチャッほら~瞬き出来るんだよ~似合う?(笑)]

田口[フッ(笑)いや、いらねーだろそんなの(笑)似合ってるけど]

ハル[似合うんかい!(笑)]

田口[はははッ(笑)てか、もっと、何か活用的な~…………コレとか?]

ハル[え?……あはははッ何それ~(笑)仏像ニット?(笑)田口君似合うし~(笑)てか、それだっていらないでしょ~(笑)]

田口[だよな(笑)俺でもいらねーわ(笑)]

ハル[あははッでしょーね(笑)……(何か……田口君と一緒に居ると……楽しい……それに……なんか……)……そろそろ真面目に決めないと~(笑)]

田口[ははは、そーだな(笑)ん~…………そー言えば……お前は誕生日いつなんだ?]

ハル[え?あたし?春だよッ4月生まれッだから、あたしの名前ハルなの(笑)単純だよね~(笑)]

田口[そっか……じゃもう過ぎてたのか]

ハル[うん、田口君は?]

田口[俺も4月生まれだよ]

ハル[一緒じゃんッあ、そう言えば……今更なんのですが……田口君の下の名前って……]

田口[……あぁ……そうか……お前……記憶が……俺の名前は]

ハル[あ!ちょっと待って!]

田口[ん?]

ハル[当てるから!……うーんとね……田口君も4月生まれだから…………ハル!(笑)なーんて……事はないか(笑)ははは……]

田口[さすがに違うわッ(笑)でも……その考えは近いかな(笑)俺の名前はウヅキ]

ハル[ウヅキ?]

田口[……あぁ……まぁ……お前と一緒で単純な理由だよ(笑)4月は和名で卯月【ウヅキ】って言うから、親がそう付けたんだろ]

ハル[へ~……ウヅキ……そっか……ウヅキッ!エヘヘッいぃじゃんッ(笑)あたしたち似た者同士だね(笑)だから、出会ったのも運命みたい(笑)]

田口[……ッ……]


そんな事を言われた田口は恥ずかしくなって横を向く。


田口[お前な~そう言うコト簡単にぃ……]


ハルの方を見る田口。


ハル[え?(笑)なぁ~に?カチャカチャッ(笑)]


ハルは、またしても、目が飛び出てるメガネを付けて田口の方を見てた。


田口[プッ!(笑)だから~止めろってッ!(笑)似合い過ぎてんだよ~(笑)し、しかも!あはははッ仏像ニットいつの間に被ってたんだよ(笑)ははははッ腹イテー(笑)]

ハル[あはははッ(笑)ユズキ君爆笑しすぎ~ッ]


その後、2人は、あちらこちらと脱線をしながら楽しみ、ようやく弟のプレゼントを買えた頃には、だいぶ遅い時間になっていた。


田口[ふ~……何とか買えたわ~ありがとなぁ……つーか……遅い時間なってしまって……悪かった……]

ハル[いえ、いえ(笑)楽しかったしッ全然オッケーだよ(笑)ちゃんとアイスも奢ってもらったしねッ(笑)それに、何とか、プレゼント買えて良かったッ(笑)]

田口[あぁ、結局、お前に選んで貰ったしな、確かにゲーム好きならコントローラー貰っても嬉しいかもな(笑)コレ、ゲーマーには消耗品だしな、さすがゲームやってるだけはあるな(笑)]

ハル[まぁ~ね(笑)感謝したまえッ!なんてね(笑)]

田口[あぁ、感謝してる……]

ハル[うん…………じゃぁ…………そろそろ……あたし……帰るね……]

田口[あぁ………………あ、あのさ………まじで助かった…………それで、今日、色々付き合わせちまったし…………悪かったから…………コレやるよ]


そう言うと田口はハルにブレスレットを渡した。


ハル[コレは……?]

田口[お、お前……4月生まれなんだろ?……コレ4月の誕生石が付いてるみたいで……さっき買ったんだよ(笑)……ほら、お前腕にミサンガみたいなの着けるから~こう言うの好きなのかなって……はは……(笑)ま、まぁ安もんだしッ別に無理に着けなくていいぞ!ははは……ッ……]


ハルは驚いた表情をした後……受け取ったブレスレットをギュッとし……そして、田口の方を見て微笑んだ。そして……。


ハル[ありがとう田口君ッ嬉しぃよ(笑)コレ大事にするね!]


田口は照れながら。


田口[ん、まぁ、こちらこそ……ありがとうだけどな…………あ、引き留めて悪かったな、それじゃぁ……]

ハル[うん、今日は本当に楽しかったですッ(笑)それじゃ……また……]

田口[お、おう…………]


ハルと田口は帰宅するため歩き出す。


ハル[(あ~……なんか……本当に楽しかったなぁ……最後はちょっと別れるのが……寂しく思えた……田口君……もう、行っちゃったな……?)]


振り向くハル。


ハル[ん?]

田口[あ……]

ハル[え?…………田口君?]

田口[な、何……]

ハル[さっき別れたよね……?]

田口[……いや……その……言い出せなかったんだけど……俺ん家……お前ん家のすぐ裏……なんだよ……ははは……(笑)]

ハル[え?えーーーー!そ、そーだったの!?は、早く言ってよぉ~!もぉ~(何か……恥ずかしい……さっきの、しんみりした感の後で……これですか~…………(笑))]


結局……2人で一緒に帰宅することとなった。

そして、ハルの家の前…。


ハル[じゃぁ、今度こそ(笑)]

田口[だな(笑)]

ハル[……あ!……そうだ……あのさ……]

田口[なに?]

ハル[……あのー……今日のゲームでさ……負けた人が、勝った人の言うこと1つ聞くってやつ……]

田口[あぁッそー言えば……思い付いたか?]

ハル[うん……あのね……今日……田口君の下の名前教えてもらったでしょ…………だから……その……これから……田口君のコト……【ウズキ】って呼んでもいぃかな!?]

田口[あ……え?……まぁ……別にいぃけど……]

ハル[ホント?フフッ良かった~(笑)……でね……その……田口君……じゃなかった(笑)ウズキ君もあたしのコト……ハル……って呼んで欲しいなぁ……って……]

田口[お、俺も!?]

ハル[……うん……だって……ウズキ君……1度だけ名前で呼んでくれたけど……それ以降…いっつも……あたしのコト……お前……って言うから………名前で呼んで欲しい……って思って………………]

田口[……ッ………………わ、わかったよ!よ、呼ぶよ]


それを、聞いてハルは嬉しそうに笑顔で。


ハル[ホント?やった~ッ(笑)嬉しぃッ(笑)じゃぁ~…………ウズキ君!(笑)]


ウズキは、恥ずかしそう……。


ウズキ[……ッ……君……付けなくていいから……ウズキでいい…………ハル……]

ハル[う、うん!わかったッウズキ!(笑)]


ウズキは照れて耳が赤くなり、ハルは嬉しくて顔を赤くさせていた。


ウズキ[じゃぁ……俺、帰るか………あ……そうだ……朝に……言いそびれてたけど……今日のお前……いや……ハル…………服……とか……顔……可愛……ッ……に、似合ってたな…………じゃ……またなハル]


そう言うと田口はハルの顔も見ずにスタスタと帰って行った。


ハル[え…………(今……誉めてくれたの?……てか!ちゃんと見ててくれてたんだ!嬉しい~(笑))うんッまたね!ウズキッ!]


こうして、本日のデート【お礼?】は終わったのであった。

そして、夜。


ルイ[ねぇ!お姉ちゃん!今日どーだったの!?(笑)]

ハル[うん?楽しかったよ~エヘヘッ(笑)]

ルイ[アレあれ~?(笑)ちょ~ご機嫌じゃん(笑)良いコトあったんでしょ~(笑)?]

ハル[フフフッ別に~(笑)]

ルイ[あ~~隠すなんて~ひどーい!あたしも協力したのにぃ~~]

ハル[フフフ(笑)]


色々な事があった1日だったが、楽しい1日だったと思えたハルであった。


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