第7話 久しぶりに


そして、放課後。

いつもだと、ハルは必ずルイと帰るのだが、ルイが友達と寄る所があると言うことで、ハルは1人帰る事となった。


ルイ[お姉ちゃん!ごめんね~]

ハル[うぅんッ全然いいよ(笑)じゃぁ先に帰ってるね~]

ルイ[うん!気を付けてねッ変な人が居たら、直ぐに逃げるんだよッ!]

ハル[大丈夫だよッ(笑)子供じゃないんだから~じゃぁねッルイも帰り気を付けてねッ]

ルイ[うんッ]


ハルは1人、帰宅し始めた。


ハル[(久しぶりに1人で帰るなぁ…………あ…………そーだ!……1人なんだから、自由ってことだよね!じゃぁ~せっかくだし、久しぶりにゲーセンにでも寄ってから帰ろ~(笑))]


ハルは久しぶりに1人を満喫するために、ゲームセンターへと寄った。


ハル[(うわ~久しぶり~!テンション上がってきた~(笑)何やろっかなぁ~!)]


ハルは1人でゲームをやり始めた。

そして、特に音ゲーが好やリズム系が好みらしい。

ハルはゲームに集中してしまうと、時間も忘れてしまう程だ。既に来てから2時間は経過していた。



ハル[(太鼓の達人~~連ダァーーーーからの~はいッ!はいッ!からの~連ダァーーーそして!フィニッシュ!!ダ、ダ、ダン!!)ふぅー……)]


そして、得点が出る。


ハル[(ようやく納得行く点数だな(笑)~まずまずでしょッ(笑)え~と次は~……ん~~?アレも音ゲー?)]


ハルが1つの音ゲーに目が止まる。

近くに寄るハル。


ハル[(わぁ~……スゴいあの人……)]


ハルが見ていたのは、【ダンスラッシュ】と言う音ゲーだった。

【ダンスラッシュとは】流れてくる映像や音楽にタイミングを合わせて、ステップを踏んだりジャンプやダウンをして踊るゲームだ。足場の踏んだ所はLEDで光り反応する。ランニングマンやシャッフルといった動きも必要で、それなりのテクニックが求められる。まさに、ダンスしている感のあるゲームなのだ。


ハル[(この、踊ってゲームしてる男の人~完璧じゃんッ……何かカッコ良く見えるッすげぇ~……)]


ジーッと見とれてしまうハル。

すると、踊っていた男性が、後ろ向きになりながら踊り始めた。


ハル[(うわ~!本当にスゴいッ!画面見ないで、こっち向き【後ろ向き】のまま踊ってる~!)]


その時、その男性と目が合い、男性にニコッとされるハル。


ハル[(あ、……目が合っちゃった…………なんか……ニコッっとされた?……見てるの不味かったかな……)]


そして、曲が終わりゲーム終了。


ハル[(凄かったなぁ~……さて、良いもの見せて貰ったし満足だな、少しやってみたい気もするけど、コレは誰もいない時にやってみよ~~……え~と他の……ゲーム、ゲームと……)]


ハルが、他のゲームを探しに行こうとした瞬間。後ろから……。


踊っていた男[ねぇ!君ッ!]

ハル[ん?]


振り向くと、踊っていた男性が、ハルの目の前に居た。


ハル[え?……え?]


ハルは左右、後ろをキョロキョロした。

すると、踊っていた男性が笑ながら。


踊っていた男性[君だよッ(笑)]

ハル[え?あたしッ?]


ハルは驚きながら、自分を指差す。


踊っていた男性[そぉッ君ッ(笑)……やらないの?]

ハル[え?やるって何を?]

踊っていた男性[ダンスラッシュッ、見てたでしょ?やりたかったのかなぁ?って思って]

ハル[あ、いや、あたし……こう言うのは……やったことなくて……見てたのは……何か……スゴすぎて見とれちゃったと言うか…………それに、ちょっと恥ずかしいし……たぶん、上手く出来ないと思うから……あはは……]

踊っていた男性[ふーーん……じゃぁ、教えよっか?]

ハル[え!……あッいや、いいですよ~悪いですし!(は、恥ずかしいし!)……それに、絶対下手ですしッ]

踊っていた男性[大丈夫だって~最初は誰だって上手くないんだからッ(笑)それに、今なら周りに誰も居ないよ?]


辺りを見渡すハル……。


ハル[(ホントだ……誰も居ない……)……で、でも~]

踊っていた男性[いいからッいいからッ行こー!(笑)]


ハルの背中を押す男性。


ハル[ちょッ、ちょッ、え~~~!(強引なんだけど~)]


若干、半ば強引に……ハルはやる事となった。

そして、男性から基礎的な事をある程度教えてもらったハル。


ハル[(なるほど……結構難しいな……リズム取るのは音ゲーで馴れてるけど……あとは、体を上手く動かせるかだな…………てか、この人、教え方上手いッ)]

踊っていた男性[大体~こんな感じかなぁ~、あ!そー言えば名前言ってなかったね(笑)俺、ユズキって言うんだッ]

ハル[ユズキ君……あ、あたしはハルって言います]

ユズキ[ハル………………]


少し黙り込んだユズキ……。


ハル[……?]


ハルは黙ってどうしたんだろ?と言う感じに思ったが、ユズキは直ぐに笑顔で。


ユズキ[そっか!ハルちゃんね!りょ~かいッ(笑)]


その、笑顔にハルも。


ハル[……(まぁいっか)はい]

ユズキ[んじゃ~始めよっかッ(笑)]

ハル[え……もう、始めるんですか……?]

ユズキ[だって、やらないと分からないでしょ(笑)]

ハル[……ぅ……まぁ……]

ユズキ[分かった!じゃぁ、ずっと見られてるの嫌だと思うから、俺も隣のもう1台の方でやるよッ!そーすれば恥ずかしくないでしょ(笑)?]

ハル[……あ、……はい(……でも、それはそれで、確実に自分の下手さが目立つような……あ、でも、周りに誰も居ないからいっか!)]

ユズキ[それじゃぁ!始めようッ]


ユズキがハルの分もお金を入れる。


ハル[え!あ!お金ッ出します!]

ユズキ[いぃってッいぃって!(笑)無理やり誘ったの俺だし(笑)]

ハル[(無理やりって自覚はあるのか……まぁお金に関しては女の特権ってことで~(笑))あ、ありがとうございます]

ユズキ[え~と、じゃぁ【簡単】なやつにしてみるねッ]

ハル[あ、はいッ(あ~体、動くかなぁ~ドキドキする~)]

ユズキ[(な~んてね(笑)何か、ハルちゃんに教えた時、動き良かったし、内緒で【中級】位でやっちゃお~(笑))さ、始まるよ!]

ハル[は、はい!]


そして、曲が流れ出しスタートした。


ユズキ[お!いいね~]

ハル[お、お、(お~何か……意外と出来るかも)]


ゲーム中盤。


ユズキ[ここからテンポ早くなるから、ちょっと難しくなるよ~]

ハル[え?は、はい!ほッ、ほッ、とッ、]


テンポが早くなり出した。


ハル[わッ、ツッ、ほッ、(早いし!……え?コレ、簡単なやつなの?……あ、でも意外と余裕かも)]

ユズキ[上手い!上手い!(笑)]


そして、ゲーム終了。


ハル[ふぅ~]

ユズキ[ハルちゃん!上手いよ!ビックリした!(笑)本当に初めてなの?]

ハル[あ、はい、初めてです……でも、難しいですね(笑)]

ユズキ[いやいや!上手かったよ!見てよ点数(笑)俺とほとんど変わらないよ]

ハル[え?そー……なんですか?出来てました?]

ユズキ[出来てたッ出来てたッ(笑)じゃぁ~少し難易度上げよ~うッ(笑)]

ハル[え~~~流石に……]

ユズキ[大丈夫だってッ(笑)]


ユズキが機械にコインを入れる。


ハル[あッ(また、お金……)]

ユズキ[大丈夫(笑)気にしないッほら、それよりは始まっちゃうよ(笑)]

ハル[あッ!はい]

ユズキ[あ、始まる前に1つアドバイス!右に寄ったり、左に寄ったりして、反対方向に行かなきゃない時、ターン(回転)すると楽だよッやってみてッ]

ハル[あッなるほど~わかりましたッありがとうございます(笑)!]

ユズキ[(うん、理解力も早いね(笑))よし、スタートだ!]


ゲームが始まった。


ハル[(まずは、こーして、こー行って!)くッ、よッ、ッと!]

ユズキ[(やっぱ、センスあるな!(笑)コレ……俺でも結構~馴れるまで時間かかったのにな~(笑))]


ハルは、身体能力強化+環境適応能力のお陰で、こう言ったゲームまでも即、出来てしまうのだった。(本人自覚無し……)

そして、2人の、その凄さに、いつの間にかギャラリーは、人だかりが出来ていた。

ハルは全集中してて、気付いていない。


ハル[ハァッハァッハァッ(キツ~い!……で、でも、楽しい~(笑)ヤバい!ヤバい!あ!ココだ!)ターンッ!]


ハルがターン【回転】した瞬間……。


ユズキ[あ!……ッ……(ハルちゃん……)]

周り[お~~~!!]


ゲーム終了。そして、周りからの拍手。

ハルは疲れて気付いていない。


周りの声[凄かったなぁ~あの2人!]

周りの声[おー凄かったッ!てか、あの子可愛くね!?(笑)]

周りの声[めっちゃ可愛い~(笑)]

周りの声[それに(笑)さっきのターンの時!(笑)]

周りの声[あー!お前も見えた?(笑)]

周りの声[見えたッ見えたッ(笑)]


ハル[ハァッ、ハァッ、ハァッ、き、きつ~]

ユズキ[ふぅ~…………ハルちゃん!マジすげーよッ!(笑)正直ビビったわ(笑)]

ハル[ハァッ、ハァッ…………ふぅ~…………え?何が?……]

ユズキ[あ、いや、はっきり言って天才じゃねって思った(笑)だって、初めてで、こんなに出来る人……たぶん、この世にハルちゃんぐらいだよ(笑)]

ハル[……え?……そ、そうなのかなぁ?……]

ユズキ[それに……ほら(笑)……]


ユズキが画面を指差す。


ユズキ[俺……ハルちゃんに負けちゃったよ~あははは……]

ハル[えー!ウソッ!?]

ユズキ[ホントッホントッ(笑)]

ハル[あ、あ、あ、あたし……]


ハルが申し訳なさそうに……チラッとユズキの方を見る。


ユズキ[あはははッ気にしないで(笑)それに、周りも、盛り上がってたし(笑)]

ハル[え?周り?]


ハルが周りを見渡すと……大勢の人達がハル達を囲んでいた。

ハルは、一気に顔が赤くなり……。


ハル[!……ッ…………い、いつの間に……]

ユズキ[まぁ~こう言うことは、良くあるよ(笑)]

ハル[(え~~!集中してて全然気付かなかった~!いっぱい人居るし)……]


下を向くハル。


ユズキ[あははッ(笑)あー……そうそう、恥ずかしついでに……]

ハル[ま、まだ、何かあるの……!?]

ユズキ[えーと……その…………パンツ……]

ハル[え?パンツ?……]

ユズキ[……うん………俺がターン【回転】した方が良いって教えたでしょ?]

ハル[うん]

ユズキ[それで……ハルちゃんがターンした時……おもいっきり……パンツが見えて……た、ははは……]

ハル[え!!…………うそ……(やっちゃってた…………)]


耳まで赤くなるハル。


ユズキ[まぁ、俺もそれで、動揺しちゃったんだけどね(笑)負けた言い訳しとくッ(笑)あはは]

ハル[……あははは……は………………あ!い、今ッ何時!?]

ユズキ[え?あー……19時過ぎかな?]

ハル[やばーい!あ、あたし帰んなきゃッ!]

ユズキ[そっかッごめんね~帰り遅くさせちゃって……]

ハル[うぅんッあたしも楽しかったからッ(笑)ありがとう~ユズキ君ッ!また、いつか会えたらねッ]

ユズキ[うん、気を付けてね~]

ハル[うん、ありがとう~じゃぁ~ね!]


ハルは急いでゲームセンターを後にした。


ユズキ[また、いつかね……(笑)]





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