第5話 人生初めての……


帰宅したハルとルイ。


ハル、ルイ[ただいま~]

母[お帰りなさ~い、ハル学校はどうだった?]

ハル[うん、何とか(笑)]

母[そぉ、なら良かったわッ]

ルイ[まぁ、色んな人に囲まれて、大変だったみたいだけどね~(笑)]

母[そーなの?]

ハル[うん……まぁ……]

ルイ[そぉそぉ(笑)お姉ちゃんッなんか~人気者になったみたいで、モテモテだったらしいよ(笑)]

ハル[ル、ルイッ……]

母[あらッそぉ(笑)]

ハル[べ、別にモテモテなんかじゃないよ!]

ルイ[またまた~(笑)あたし他の人から聞いたもんッ!2年1組に超絶美女が現れたって!それで、男子から彼氏居ますか~とか聞かれてたらしいじゃん!(笑)]

ハル[ど、どこからその情報を……]

ルイ[そりゃ~こんな美女が現れたら~直ぐに噂になるよ(笑)たぶん、数日で学校中に広まるんじゃない?]

ハル[え~……そ、そんなに……]

母[フフフッ良いことじゃないッ]

ハル[え~……でもぉ……]

ルイ[そーだよ!良いことだよ!あたしだって自慢できるしッ]

ハル[……ん~~……でも……]

ルイ[はい!【でも】禁止!(笑)]

ハル[……は……はい]

ルイ[エヘヘヘッ楽しいね!お姉ちゃん(笑)]

ハル[…………ルイがねッ(笑)]


ハルはルイが喜んでくれてる表情を見て、噂の事など、どうでも良く思えた。


そして。


学校に行き始めて半月程経っていた。

ハルは教室の窓越しから外を眺めていた。


ハル[(今日は雨かぁ…………雨って嫌だな~髪が広がるし~…………って女子か!…………女子だけど…………まぁだいぶ、学校にもこの身体にも馴れてきたけど~………………ただアレだけが……馴れない……と言うか辛い……)]


そこへ、1人の男子が現れた。


男子[あ、あの……長谷川さんッお、俺2年5組の谷川と言いますッちょっと良いかなッ]

ハル[……あ、はい……(これ……)]


ハルは、その男子に呼び出され、階段へと向かった。


男子[あ、あのッ!いきなりでビックリしてると思うんだけど……俺とつッ、つッ、付き合ってくれませんか!]

ハル[……あ……えーと……ご、ごめんなさい……(……そぉ…………これが辛い)……]

男子[……で、ですよねぇ……]


ハルは男子の告白を断り、教室へと歩き出した。


ハル[(……はぁ……これが、毎日の日課になってるのが辛い……毎日、色んな人に告られる……こんな事……初めてだし……ましてや……付き合うなんて………まぁイケメンなら……ちょっとはドキッと…… え?…………いやいやいや…………自分で思ってて意味分かんない…………イケメンならってッ……そもそも男だろ!相手…………はぁ~…………何か……お腹痛い……ここ数日……変なんだよな~体調も……ストレスかなぁ?)]


そんな事を思いながら、お腹をさすり下を向き歩いていた。

すると。


ハル[!……ッ……]


ハルは急に駆け出した。

急いでトイレに入るハル。

バタンッ


ハル[……ッ……コ、コレ……]


その頃ルイは。


ルイ[そーそーッ(笑)それでね~]


友達と楽しくお話をしていた。

すると突然、ルイのスマホに【お姉ちゃん】と言う表示が……。


ルイ[ん、ちよっと待って、お姉ちゃんからだ]


ルイが電話に出る。


ルイ[もしもーし、どうしたの?お姉ちゃん]

ハル[ルイ……た、助けて]

ルイ[!ど、どーしたの!?お姉ちゃん!……うん……うん!……わかった!そこに行けばいいのね!?わかった直ぐに行く!……ごめん、ちょっとあたし、出るね]

ルイの友達[う、うん、わかった]


そして、ルイが急いでハルの元へ。


ルイ[お姉ちゃん!?]

ハル[あ……ルイ……ココ]


ハルがトイレの戸をゆっくり開ける。


ルイ[どうしたの!?お姉ちゃん?]


ハルが泣きそうな顔で。


ハル[ルイ~~…………その…………血が…………]

ルイ[あッ…………もしかして、生理?]

ハル[……たぶん…………それ…………だと思う………]

ルイ[やっぱりね~……ふぅーッ……何となくそんな気がして……はい、持ってきてあるよ]


ルイはハルに、ナプキンを渡した。


ルイ[お姉ちゃんとあたし、大体同じ周期だから]

ハル[……そ、そうなんだ………………ルイ……]

ルイ[うん?着けた?]

ハル[……ごめん…………コレ…………どうやるの……?]

ルイ[あッ……そっか……そう言うのも記憶無いんだっけ……ごめんごめん、開けてもらって良い?]

ハル[うん……ごめんね……]


ハルはルイに着け方を教えてもらい、何とか難を乗り越えた……。


ハル[……(はぁ~……人生初めての……生理……まさか……こんな事があるなんて……馴れてき来たと思ってたけど……全然だった…………泣きそうになったし……ルイが居てくれて本当に良かった……)ごめんね……ルイ……本当に助かったよ……]

ルイ[うぅん!あたしも気付かなくてごめんね、言っとけば良かったね~帰りに薬局に寄って帰ろっかッ]

ハル[うん]

ルイ[お腹は?痛くない?体調は?]

ハル[ん~~多少……痛い……体調はちょっとダルい位かなぁ?]

ルイ[へーーそっか~良かったッ、って言うのも、前までのお姉ちゃんは、生理の時、物凄く辛そうにしてたから……]

ハル[そぉ……だったんだ……(今は症状が軽いって事か…………たぶん……コレって神様の身体強化が影響してるのかも……助かった……だってコレ……毎月でしょ?……女って大変なんだな…………)]


その帰り、ハルはルイに薬局へ連れられ、しっかりと知識を教えてもらい、整理用品を買うことが出来た。

そして、帰宅途中、2人で歩いている時。


ハル[ルイ……]

ルイ[なぁに?お姉ちゃん?]

ハル[あたし……ルイが居てくれて本当に感謝してるの。今日だってルイが居なきゃどうなってたか……それに、ルイのお陰で、あたし色々と変われたし、自分に少しだけど、自信が持てるようになったから。だから…………本当にルイがあたしの妹で良かったって心から思う!……ありがとうルイッ大好き!]


そう言ってハルはルイに微笑んだ。

ルイは。


ルイ[テ、テレるなぁ~(笑)お姉ちゃんからそんな事言って貰えるなんて~(笑)]


ルイは頬が赤くなり嬉しそうに……頭をかいていた。そして……。


ルイ[う~~!あたしもお姉ちゃん!だ~い好きぃ~!!]


と言ってハルに抱き付いた!


ハル[わッ!あ、危ないよ~ルイったら~(笑)も~~(笑)]

ルイ[エヘヘヘ~ごめ~ん(笑)]

ハル[フフフッ(あ~~本当に妹って可愛い~(笑)………………ってか…………そー言えば…………前から少しだけ思ってたけど……とっさに出る自分の口調……何か自然と……女っぽくなってるよな?)…]


そう、コレもまた、神様の環境適応能力が関係していたのだ。

そして、今後、ハルは神様がくれた、能力のお陰で、自然と身体と心、環境に順応して行く事になるのであった。



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