前日譚 小春日和前 十、捲土重来ⅲ
◉登場人物、時刻
⚫︎
【南武方】
井手山主税助 南武家の重臣。本隊に参加。
【戸田方】
戸田高雲斎 中堅國人衆。棟梁家の血に
連なる。
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前日譚
おかしい。敵が踏み込んでこない。二方向に敵を抱える事になるとは言え、ここまで優勢であるのに、少し慎重に過ぎるというものではないか?
戸田高雲斎の性向からして、この期に及んで消極策を取るとは考えづらいが…………
(至 山地) (至 寺倉)
道 道 川
丘丘道丘丘丘丘丘丘丘丘崖崖崖崖丘 道 川川
丘丘道道丘丘丘丘 丘道道道道道道道道 川川
丘丘丘道丘丘丘 道道崖丘丘丘崖『先』 川
丘丘丘崖道丘崖 丘丘丘丘崖丘崖 道 川
崖丘丘道崖崖 崖崖崖崖丘丘崖林林『戸』 川
崖崖丘 (尾根筋) 丘崖崖伏 『右』川
丘丘丘丘丘丘崖丘丘丘丘丘丘丘丘丘林『手』 川
丘丘丘丘丘丘崖丘丘崖崖崖丘丘丘林林 道 川
丘丘崖崖崖崖丘丘丘 丘崖丘 道 川
丘丘丘丘崖崖丘丘 丘 『南』 川
丘崖崖崖丘 「木花集落」道 川
(南武方)道
浅瀬小川小川小川浅瀬小川小川小川小浅瀬小川小
(至 渡の郷)
『戸』=戸田本隊 『先』=戸田先陣
『南』=南武本隊 『手』=南武本隊先手
『右』=南武本隊先手右翼
伏 =南武本隊先手左翼(伏兵)
それにもう一つおかしな点がある。
……戦えてしまっている。
我々は二十騎弱、総勢七十人にも満たない小勢。我が策成らずば、九十騎近くの騎馬兵、総勢五百名は下らないであろう敵相手では、
どういう事だ??一体、何が起こっている?
相変わらず戦えている。
おかしい。どう考えても道理に合わない。敵は、一刻も早く若の本隊に追撃をかけたい
? ?? ?!
……そういえば、先ほどから
だが、敵の被官衆・軍役衆が追いついていない。進撃速度が早すぎて追いつかなかったにしろ、まだ現れないのは流石に遅すぎる。
……………………………………………………!
「異常な進撃速度」「出陣の用意が整っているようには見えなかったのに、いきなり戦場に現れた戸田軍」「踏み込まない高雲斎」「現れない敵の被官衆・軍役衆」「小勢で戦える程度の敵の軍力」
……もし、敵が被官衆・軍役衆を連れてきていなかったら。
兵法上、そんな
そうか、そういう事か、戸田高雲斎。
恐ろしい漢だ、
そんな子供
俺には到底、真似ができぬ。
……この様な事が出来る
「分隊(右翼)、本隊、
必ずここで仕留めねば。
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◉用語解説
*1【
現在でいう三十分。
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