前日譚 小春日和前 五、乾坤一擲ⅲ
◉登場人物、時刻
???? 主人公。今回も出番なし。
〈戸田方〉
保坂平左衛門 大久保六郎兵衛尉の家臣・
親族衆で今回が初陣。
〈南武方〉
櫻井余呉右衛門 南武家の重臣。
先陣を務める。
このニ人は主人公ではありません。
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前日譚
当初の目論見は崩れた、と認めざるを得ない。
この先はどうなるか解らぬ。若の本隊を含めれば、兵数はおそらく互角。だが、このような乱戦で物を言うのは下の者たちの大将に対する信頼だ。それが兵の粘り強さを生み出す。
若殿は充分に英明の質であられるとは思うが、戦をする時は常に大殿が側に居られ、軍配を取っておられた。若殿お一人で兵と共に厳しい戦を戦い抜かれた御経験はない。この際、それだけが問題なのだ。
……いつもの様に大殿が居られぬ今、若殿は
寺の前に陣を敷いていたが、有難い事に敵は突っ込んで来てくれた。ここは三方を崖に囲まれた奥まった土地になっている。
(至戸田)
丘丘丘丘丘崖道 川川川 崖丘崖丘丘川崖丘道丘
丘丘丘丘丘丘崖道 川川川崖丘崖丘丘小崖丘道丘
丘丘丘丘丘崖道 川川川崖丘崖丘丘川崖丘道丘
丘丘丘丘崖 道 川川川 崖丘崖丘小川崖道道丘
川小丘崖 道 川川川 丘崖丘小川 道
崖川小崖『本』 川川川 丘丘小丘 丘
丘崖小川小洗小 川川川 崖 丘丘
丘丘崖崖 道 川川川川 崖 寺倉の集落 丘
丘丘丘崖 道 川川川崖 (戸田方)
丘丘丘丘崖道 川川川丘丘 『分』 丘丘
丘丘丘丘崖屋道 川川川 丘丘 丘
丘丘丘「神」道 川川川 丘丘丘崖 崖
丘丘崖屋 道 川川川 丘崖崖丘丘丘
丘丘 道 川川川 丘 丘崖丘丘丘
丘屋 屋道 川川川 丘 崖丘丘
丘屋『先』屋道屋 川川川 小小川丘丘
丘屋 『陣』道 川川川 川崖小小川
崖「寺」 丘道屋 川川川 小小川崖崖崖崖
崖崖丘丘崖崖 道 川川川小川丘丘崖崖丘崖
崖崖崖崖丘丘 道 川川川崖崖崖丘崖崖丘丘
(至南武方、木花集落
=南武軍本隊の現在地)
『先』=戸田先陣 『本』=戸田本隊
『陣』=南武先陣 『分』=南武先陣分隊
洗=洗い越し(路上河川)
「寺」=寺 「神」=神社
屋=家屋(寺倉以外は半手〈中立〉)
今は圧倒的に敵に勢いがある。何とか我らは防戦しつつ右手へ逃れ、今、我らが居る所に敵を押し込めれば、敵は身動きが取れず
先ずは敵先手を左方に引きずり込む事だ…………それだけを考えよう。
敵は逃げていく。
周りの大人達は意気を挙げ、敵の弱腰を
…………繰り引きは勝つ事を諦めた者たちの戦術か?
いや、そうではない。次の戦いに繋げる為に戦力を温存する為の戦術だ。
敵は何かを狙っているのか?
だが、ただの自分の“予感”だけで証拠もなしに六郎兵衛尉どのにお伝えするのは
…………自分の手並みの未熟さゆえに敵と正面衝突してしまい、馬に怪我をさせてしまった。先程から
叔父御からは隊を離れて、本軍と合流し指示を
だが、この際、馬を潰して
嫌な予感がする場所から尻尾を巻いて逃げ出すなど、
辛抱強く繰り引きを繰り返し、何とか位置を入れ替える事に成功した。失った兵は少なくはないが、敵は狭い所に押し込められ、身動きが取れないでいる。
(至戸田)
丘丘丘丘丘崖道 川川川 崖丘崖丘丘川崖丘道丘
丘丘丘丘丘丘崖道 川川川崖丘崖丘丘小崖丘道丘
丘丘丘丘丘崖道 川川川崖丘崖丘丘川崖丘道丘
丘丘丘丘崖 道 川川川 崖丘崖丘小川崖道道丘
川小丘崖 道 川川川 丘崖丘小川 道
崖川小崖 道 川川川 丘丘小丘 丘
丘崖小川小洗小 川川川 崖 丘丘
丘丘崖崖 道 川川川川 崖 寺倉の集落 丘
丘丘丘崖 道 川川川崖 (戸田方)
丘丘丘丘崖道 川川川丘丘 『分』 丘丘
丘丘丘丘崖屋道 川川川 丘丘 丘
丘丘丘「神」道 川川川 丘丘丘崖 崖
丘丘崖屋 道 川川川 丘崖崖丘丘丘
丘丘『本』 道 川川川 丘 丘崖丘丘丘
丘屋 屋道 川川川 丘 崖丘丘
丘屋 屋道屋 川川川 小小川丘丘
丘『先『陣』道 川川川 川崖小小川
崖「寺」 丘道屋 川川川 小小川崖崖崖崖
崖崖丘丘崖崖 道 川川川小川丘丘崖崖丘崖
崖崖崖崖丘丘 道 川川川崖崖崖丘崖崖丘丘
(至南武方、木花集落
=南武軍本隊の現在地)
『先』=戸田先陣 『本』=戸田本隊
『陣』=南武先陣 『分』=南武先陣分隊
洗=洗い越し(路上河川)
「寺」=寺 「神」=神社
屋=家屋(寺倉以外は半手〈中立〉)
敵はこちらへと慌てて攻勢を仕掛けてくるが、あらかじめ言い含めておいた我が隊の攻勢の方が一瞬早かった。敵は横に広がることも出来ず、右往左往している。今や
………………その時気づいた、敵の違和感に、何故…………
「使番ッ!、」
使番を呼ぶ。勝てる、この戦は勝てる!!
…………しかし、使番がやって来る前に、
「殿ぉっ?!敵が、敵の軍勢が右手からっ!」
…………ナン、ダト……………………
慌てて右を見る。
その眼に映った光景は、
河の
こちらに襲いかかる敵本隊の大軍勢だった。
“
(あぁ、その水の暴流はまるで、銀河の天の川から落ちてきたのでは無いか、と疑ってしまう)
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◉用語解説
*1【繰り引き】
本来の「繰り引き」は
*2 【
馬の歩く様子。馬の状態。
今話で前半戦が終了です。
二話ほど幕間劇をはさんで、後半戦です。
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