第11話 ゴールドポイント交換

「1ゴールドポイントで1個交換だ、お前のスマホから可能にしておいたぞ」


 とサムエルが言う。


 俺がスマホの魔法アプリを起動すると、右上に金色の文字でGP交換と表示されていた。それに触れると、画面に別のリストが表示される。


 ・若返り

 ・どんな確率のパチンコ台でも1回転で当たるヒキ強になる祝福1時間

 ・宝くじ番号アナログハッキング

 ・守りの指輪


「えっ、なんだこれ」


 若返りとか、何かの冗談だろうか。


 ぼけっとしていると、サムエルが説明をしてきた。


「お前は特別だから説明をしてやろう、聞くがいい」


 説明してくれるようだ、ありがたい。


「若返り、これは入力した希望年齢まで一気に若返る薬だ。あまり若すぎると骨格が維持できず骨が破壊されるから注意しろ」


 凄いけどなんかこえーよ。

 でも、本当にできるのか……。


「どんなパチンコ台でも1回転で当たり続ける祝福1時間、これはお前が喜びそうだと思って入れておいた」


 いや確かに嬉しいけど、若返りと比べたらしょぼく感じる。


「宝くじ番号アナログハッキング、日本の宝くじ抽選機の専用にしておいた。場所と番号を決めた後にボタンを押せば望みの番号に矢が刺さる」


 これは結構いいんじゃないだろか。


「守りの指輪、これはオススメだ。外傷や呪いを防ぐ指輪で、最大充填フルチャージなら走行中の車にぶつかっても平気だ。充填は自動で行われ24時間で最大になる。ただ強すぎる衝撃は指輪が代わりに破壊されるので注意せよ」


 これも欲しい。


「どうだ、お前には凄いモノばかりだろう」


「……そうですね」


 本当に凄い。どれも欲しい。


 でもよく考えると全部選べるんだよな、ゴールドポイントはたくさん余ってるんだし。


「じゃあ、とりあえず若返りと守りの指輪にします」


 そう言って、まずは守りの指輪の交換ボタンを押し、次に若返りの入力欄に20と打ち込んで完了ボタンを押した。するとすぐにサムエルが話しかけてくる。


「指輪と若返りだな。これを飲めば20歳まで若返る、お前専用だ」


 そう言うと、目の前に銀色の指輪と、小指ほどの小さなビンが現れて地面に落ち、フローリングの床がコロコロと音を鳴らす。


われはもう行く。もし聞きたい事があるなら10ポイントで呼べるようにしておいた、安心せよ」


 そう言うとサムエルの気配は消えた。


 魔法の項目を見てみると確かにあった。呼び出し=10消費。

 今は使わないけど。


 まずは指輪をはめてみる。

 見た目は何の変哲もないシルバーリングだが、これで車とぶつかっても本当に平気なのだろうか……。


 そして俺は落ちたビンを拾った。

 ビンの中には無色透明の液体が満タン近く入っており、フタには粘土のような物が付いている。


「これを飲めば若返るのか」


 俺はフタの粘土を取り外し、中身を一気に飲み干す。味は無かったが、温かい液体は喉をするりと通った。


 若返り薬を飲んでから1分ほど経つと、体に異変が起き始めた。


「なんだか体が熱い、それに眠くなってきた……」


 急激な眠気を感じ、食事も取らないままベッドに横になる。眠い。


 俺はそのまま寝てしまった。


 ……。

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