第10話 ゴールドポイントゲット

 俺は近所のパチンコ屋に来ていた。

 ゴールドポイントとかいう、よくわからない物を手に入れるヒントがここにあるらしい。


「俺が最初にウリンちゃんと出会ったのは、確かパチンコの角台だったな」


 ウリンちゃんとの出会いは3日前、爺さんが大海物語4スペシャルを打っていた時に見かけたのが始まりだ。


「そういや本物のウリンちゃんって、1回しか見てないな」


 インターネットで二次元のは見たが、3次元のリアルウリンちゃんはほとんど見て無いのだ。


「とりあえず、打ちますかな」


 俺は4円パチンコの大海物語4スペシャルに座る。1円コーナーは客が多くて全く座れない。


 一応、大当たり確率2倍の祝福を発動させる。しばらく打って5000円使用の87回転目、1から5までの図柄5つが一つの画面に収まった。


「あれ? この形は」


 俺は見たことがある、初日に爺さんが出していた画面。

 1から5までの5つの図柄、五芒星ごぼうせいだ。


 すると次の瞬間、激しい音とともにパチンコ台が叫びだした。


「ウリンのぉ~、ぶるっぶるぶるぶる~~、ぶるぶるチャンスぅ~~!!」


 俺は射精しそうになった。

 初恋の女の子が目の前にいる、そんな気分だった。


 ウリンちゃんが「ボタンを押して♪」と言うので、ボタンを押し続けると、貝が出現して確率変動大当たりになった。


 ウリンちゃんを見れて良かった。

 だが俺は失敗に気づいた。


「しまった! 今ならすごい気持ちよく発射できたのに!」


 ウリンちゃんが登場していた30秒間、俺はずっと浮かれていた。

 ぼけーっとしていた。

 くやしい。


 もう一度会いたい。

 そしてウリンちゃんで出したい。


 もう失敗はしない。

 俺は打ち続けた。


 確変は3連チャン、4100発程度で終わったが、続行だ。


 120回転のチャンスタイムでは当たらず、少し回して153回転目、祝福の効果時間も切れそうという時だった。

 不意に、1から5の図柄で五芒星が作られた。


(来る!)

 俺は念のために持ってきた変換装置を手に持ち、両手をズボンの中に突っ込んだ。左右を確認するが、周りには客も店員もいない。


 数秒の後、ウリンちゃんが登場して、いつものセリフを言う。

「ウリンのぉ~、ぶるっぶるぶるぶる~~……」

「ウリンちゃん!!!」


 俺は叫びながら、手と腰を回したウリンちゃんで発射した。

 ものすごい濃いのが出たと思う。

 だが変換装置は全ての精液を一瞬の内に変換しており、こぼれることは無かった。


「はぁ……はぁ……」

「ボタンを押し続けてね♪」


 俺はボタンを押し続け、またも確率変動をゲットしたのである。


 大当たり終了後、一旦トイレで手を洗ってからスマホを見る。

 どれぐらいポイントが貯まったのだろう。


 魔法アプリを起動すると、一番上の欄には

『10gp、2650point』と表示されていた。


「……これがゴールドポイントなのか? とにかくすげえポイント取れたな」


 今回の変換では、10gpと2500ポイントを手に入れていた。


 実物のウリンちゃんで出すと凄い。

 俺はそう考え、もう一度だけやろうと打ち続けた。


 そして、奇跡的にもう一度、ウリンちゃんのぶるぶるチャンスが発生するが、発射しても90ポイントが増えただけであった。


「まただ、二回目だとポイントが少ないんだろうか……」


 その後、すぐに通常図柄を引き、計3連チャンで終了。

 持ち玉が7400発になった所でヤメた。

 プラス21000円。


 俺は家に帰った。


 ----------


 家に到着すると、すぐにサムエルから声が聞こえてきた。

「よくやった。人間でも変換が難しいゴールドポイントを、お前は10倍も変換してきた。褒美と交換するがよい」


 俺は言われるまま、アプリを起動した。

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