第6話 新しい魔法を覚える
結局、14連チャン一撃11000発である。
連チャンが終わる頃には、魔法は時間切れになっていた。
「終わったか」
俺はパチンコ屋の景品カウンターで、持ち玉全てを2枚の赤い特殊景品と交換し、店の近くにある買取所で合計1万円で買い取ってもらった。
今日の収支はプラス9800円。
よし、今日は一旦帰って、明日の為にエネルギーを貯める事にしよう。
「しかし、これが魔法か……凄いな」
魔法の凄さを実体験し、帰りのコンビニで、普段は買わない超特製ヒレカツ丼と栄養ドリンクを購入した。しめて3000円だ。
家に帰って早速食事を取る。
「カツ丼美味しい、美味しいよ」
久しぶりに食べごたえのある食事を取り、体と胃袋が満足した。
「さて、エネルギーを貯めるかな」
運動の前に、まずは買ってきた2000円の栄養ドリンクを飲もう。名前は凄百、全部で百種類の成分が入っているらしい。こりゃ効きそうだ。
小さなビンの中身をぐいっと飲み干す。
すると、飲んだ直後から股間が大きくなる。やべえ。
「これは想像以上だな」
早速インターネットでウリンちゃんのエロ画像を探す。
俺は性器を露出し、変換装置であるコップに向かって、思いっきり射精する。
時間にして30秒、あっという間の出来事であった。
「欲望のはけ口にウリンちゃんを使ってしまった……」
そんな事をぼやくと、見えない空間から声が聞こえてくる。
「サムエルだ。さっそく変換装置を使用したようだな。通常変換で普通の人間の10倍は一気に貯まっている、さすがだ」
射精しただけで、なぜか褒められている。
「今回の変換は100ポイントにもなった、お前には新しい魔法を授けよう。スマートフォンを見るがよい」
俺はスマートフォンの魔法アプリを触る。
そこには
『パチンコ時のみ2倍当たりを引きやすくなる祝福を1時間得る=10消費』
と書いてあった。
「それは全てのパチンコ台に有効な能力、お前だけのものだ、感謝せよ」
「はあ」
「お前がもっと気持ち良く射精すれば、今より多くのポイントを得られるだろう。深海王国のために変換を続けるがよい」
そう言い終わると、見えない存在の気配が消えた。
しばらくぼーっとしていたが、ふつふつと、新しい魔法をどう使おうか考え始めていた。
「2倍当たりやすいって、1/100が1/50になるようなもんだろ。負ける気がしない」
お金持ちになる未来しか見えなかった俺は、期待で胸がワクワクしていた。
「そうだ、気持ち良ければ更にポイントが貯まるんだったな」
俺はサムエルの言葉を思い出し、自分が一番気持ち良くなれるウリンちゃんを見るため、お絵かき掲示板にスレッドを立てることにした。
「えーと、まずは新規スレ立てボタンを押して……タイトルは、海物語のウリンちゃんのエロ画像をお願いします、でいいか」
本文は「海物語のウリンちゃんのエロ画像をどんどん描いていきましょう! ピンク色の髪をした胸が控えめの女の子だよ」と記入した。
これで後は、絵師たちが描いてくれるのを待つだけ。楽しみだぜ。
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お絵かき掲示板に書き込みをして1時間が経った。
「そろそろ誰かウリンちゃん描いてるかな」
俺は期待をしながらスレッドを開く。するとそこは文句だらけであった。
・スレッド作成した>>1が絵を描かないでどうすんだよ。
・ウリンとか知らない。
・ま~たクレクレ君だよ。
・俺たち絵師は召使いじゃねーぞ、絵を描くのにどれだけ時間が必要か……。
・ウリンとかクソだろ、ワリンちゃんを要望しろやクソが。
俺はスレッドをそっと閉じた。
明日また見る事にしよう。
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