第5話 ウリンチャージ発動

「まさか一日に二回、同じパチンコ屋に来るとはな」


 ギャンブラーのやってはいけない不文律である、同日同一店舗来店をした俺は、パチンココーナーに向かった。


「沖海4桜199ver……っと、あった」


 1円パチンココーナーで8台並んだ、沖海4桜199verがある。

 客付きは7/8台。

 空いてるのは一つだけ。


 俺はすかさず台をゲットした。


 スマホを取り出し、魔法を起動する。


「これを押すだけでいいのかな」


 俺は、沖海4桜199verのウリンチャージが1時間ヒキ強になる=1消費と書かれたボタンを押す。

 すると、1消費の部分が0:59:59と表示が変わり、カウントダウンが始まった。


「さて、効果を確かめてみるか」


 パチンコのやり方は知っている。

 お金をパチンコ台の左上の穴に入れて、貸玉ボタンを押し、台の右下にあるハンドルをひねる、簡単だ。


 すると打ち初めて1分程経過した所で、画面の下に貝が出てきてピクピク動き出した。小さなウリンちゃんも出てきた。


「ウリンチャージ中だよ♪」と小ウリンちゃんが言う。


 何だこれ。可愛い。


 そのまま打ち続け、電チューの中に玉を8発入れる。


 チャージが終わると『リーチがかかれば大チャンス♪』と表示された画面に変わった。


「リーチがかかれば大チャンス……まあ無理だろうな」


 そうつぶやくと、何とリーチが掛かった。


 そして

 リーチが掛かった瞬間――――


 ピピピピピピピピピピピピピ!!!


 画面の上から巨大な花が落ちてきて、爆音を鳴らす。


「うわぁあ」


 変な声を出してしまった。


 パチンコ台の巨大な花が落ちてくるのにも驚いたが、何より驚いたのはウリンチャージの凄さだ。こんな簡単に当てられるウリンチャージって凄い……。


 これなら簡単にお金が増えそうだ。


 俺は1円パチンコの沖海4桜199verに座りながら、ほくそ笑んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る