第2話 澪紡ぎ士



 最後の一人を埋葬しおえて、私は祈りをささげた。

 どうかこの人の魂が安らかに眠れるように。


 土堀りに使ったシャベルを手にして、拠点としている建物へ帰ろうとする。

 そこ声をかける者がいた。


 世界中の人々は死に絶えた。


 けれど、その中でも例外はある。

 確かに人は死んでしまった。


 だが、人以外の者は依然として生き続けているのである。


「お仕事お疲れ様です」


 やわらかい声。

 かけられたのは女性の声だ。


 視線を向けるとそこには、おだやかな笑みを浮かべた友人。


 澪紡ぎ士である彼女は、死の病から逃れて、今の今まで生き続けていたのだ。


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