墓守の旅立ち
仲仁へび(旧:離久)
第1話 滅亡後の世界
この世界は一度滅んだ
人々は、決して目を覚ます事がないだろう。
なぜなら、蝕という化け物が世界の形を壊し、死の病が世界を覆い尽くし、そして人々は永遠の眠りについてしまったからだ。
無事であったのは私一人だけ。
生き残ってしまった私は、こんこんと眠りにつく彼等を埋葬することにした。
彼の亡骸は腐らない。なくならない。消えていかない。
一見して、ただ眠っているようにも見えるが、病にかかった者達は永遠に起きる事はない。
だから、私は、死後の彼等が安心して眠れるように、一人ずつ丁寧に埋葬していった。
時間は飽きるほどあった。
私には、半永久的な命があったから。
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