第2話 懐かしき友

僕はさっき見ていた悪夢が現実だと感じていたせいなのか今の景色が夢だと思ってしまった。目の前に柚葉がいることに気が付いた。彼女は僕に「大丈夫?」と言った。僕は「大丈夫」と返した。僕はさっきまでの出来事が現実的で今の空間が夢のように感じた

 [良かった。先までずっと何かに魘されていたから、心配で...]

 [ありがとう。でもどうして君がここに居るの?]

 [どうしてって一緒に帰る約束したでしょ]

 [....]

 周りを見渡すと委員会の集まりは終わっていることに気がついた。それに彼女との約束も忘れていたことに気がついた。それでも僕はさっきの夢の幼い子の声が誰なのか気になった。僕に幼い子は知らない。あと仲の良かった友達が渡した[ゆずは]と、書いてあった紙。あの子の名前が[ゆずは]なのか思い出すことが出来なかつた。僕の手の中にさっき渡された紙が手の中にあった。どうしてなのか?そう考えていると、

 [湊くん、帰ろ]

 結月はそう言った

彼女が心配して僕を気遣ってくれた。彼女は中学から出来た友達。中学で出来た初めての友達でもある。彼女の名前は[結月]

 [ねえ、さっき寝ていた時魘されていたけど何の夢を見ていたの?]

 [過去の夢]

 [過去の夢?何の?]

 [僕が小学生の頃の思い出の夢]

 [小学生の頃の思い出。でも魘されていたけどあれも思い出?]

 [いや。あれは思い出でも無く、分からない夢。ただの悪夢]

 [悪夢?どんな悪夢?]

 [暗く、ないも無く、ただ幼い子が[助けて]とそう呼んだ]

 [幼い子が?でも君はその子が誰か分かるの?]

 [分からない。それに僕の周りに幼い子が居たことある?]

 [無い]

 [今日は疲れた。ここで解散しよう]

 [うん、また明日]

 [また明日]

 僕は彼女と解散した後も考えた。でも思いつかない。幼い子の声がなのか分からなかった。

 それを一日中考えていた。それでも思いつかなかった。思いつかないまま僕は同じ悪夢が見られると思って眠った。けど同じ悪夢は見られなかった


 次の日に学校に行くと教室が騒がしかった。朝、結月と来ていたため転校生が来ることを知った。転校生が来ることで教室が騒がしかった。でも僕にとって転校生より夢の中の子が気になっていた。朝のホームルームになって、教室に先生と女の子が入って来た。女の子は髪の毛は黒く、ロングヘアの子で身長は普通ぐらい。女の子がみんなの方を向くと、僕はその顔に懐かしく思った。先生は黒板に女の子の名前を書きながら言った。

 [今日から皆のクラスメイトになる泉 さんだ。]

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記憶が無い僕と夢の中 有海 @kamui0323

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