第1話 悪夢と声

まだ桜が咲いていた。もう五月になるのにまだ咲いていた。退屈な授業を凌ぐため窓のから外を見ていた。外の景色を見ていると退屈な授業もすぐに終わる。そうして外を見ているとチャイムが鳴った。これで帰れたると思っていたけど今日の朝、連絡で委員会の集まりがあることを思い出した。僕は図書室に向かった。図書室にはまだ図書委員がまだ来ていなかった。僕は席に着きみんなが来るのを待っていた。それから数分たっても人が集まらなかった。僕は人が来るまで眠った。

「湊くん、湊くん。忘れないでね」

 僕は目を開けると目の前に一人の少女が泣いていた。少女は泣きながら僕の手を掴んできた。

「もし、私を忘れても名前だけ覚えていてね。いつか会う時まで。」

 少女は僕の手の上に紙を置き僕は車に乗った。僕はその紙を開き紙の中には「」と書いてあった。僕はこの光景を思い出した。小学生の頃、僕が転校する時当時仲が良かった女の子が居てその子に言われていたことだだた。僕はそれをすっかり忘れていた。

 僕はまた目を閉じて目を開けるとまた違った場所に出てきた。そこは暗く前はよく見えなかった。それでも僕は何かあると思い歩いた。数分したところで何も無いことに気づいた。僕は足を止めそこに座り込んだ。僕は上を見ていると微かな音が聞こえた。

「助けて、助けて」

 その声だけが聞こえた。僕は声のする方に走った。声は徐々に大きくなってきたけどその声の主が周りを見渡してもいなかった。それでも僕は声の聞こえる方に走った。それでも声が大きくなるだけで声の主は居なかった。僕は諦め目を閉じた。

 また目を開けると、また違った場所にいた。そこには昔住んでいた家があった。僕は家に近づこうとすると足が震えて前に進めなかった。それどころか怖くなって足がすくんだ。

「早く覚めて。早く覚めて」

 そう思った。僕は恐怖心が強くなっていき涙を流していた。目を閉じ見ないようにしていた。

「湊くん、湊くん」

 僕は目を開けるとさっきまで居た図書館に居た。目の前には女の子がいた。

「大丈夫、湊くん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る