第9話 書く人へのメッセージ ヒロインへ批判コメントは何故つく?

 第8話でコメントを頂きました。返信した後で気づきました。お布団の中にもぐり、むにゃむにゃと眠りについてからです。


 夢の中で『返信の方がわかりやすいじゃん』と。自分のバカさ加減に気づいたのですよね。寝てもカクヨム依存が抜けないのです。


 このエッセイはタイトル通り、読み専さんへのメッセージなわけです。届け先は読み専。書く人側には立っていません。

 でも書く人へのメッセージの方がわかりやすい。これは痛恨ですね。読んだ人にわかってほしいから文章をつづっているのですから。反省しなくっちゃ。


 まあ、そんなことを思いまして、書く人への読み専からのメッセージとして第8話を掘り返してみます。


「ヒロインへ批判コメントは何故つく?」のかを、読み専目線でつづってみます。



 ヒロインの性格が悪い。行動が悪い。

 批判コメントはをみると、あ~じゃないこ~じゃないと色んなことが書かれているでしょう。

 なら書かれていることへのアンサーを出しても、批判コメントはなくなりましたか? なくならなかった。意味わかんねえ~で終わっていないでしょうか。


 これは批判コメントを入れた読み専が「読解力」に欠けているのではありません。

 作者さんの意図を読み間違っている。そう捉えるでしょうが、ちょっと作品を俯瞰してほしいです。


 クズ得なことをおこなっていませんか?



 悪役なクズが主人公サイドへ悪行をおこなう。話しの展開上、どうしても必要になることです。

 クズがヒロインを脅し、ヒロインの行動をしばる。良くある展開ですね。

 ヒロインは脅されていて、主人公の足をひっぱっているとか。

 作品によってはクズがヒロインを脅して、肉体関係まで至っていることもあります。


 批判コメントがつきそうですね。胸糞に耐性低すぎだろうと思いそうですね。

 幼稚な精神をしていると見なしてしまいそうですね。


 話しの展開上、仕方のないことなのですから。まあわかります。


 でも、ざまぁはどうなっています?


 悪行とざまぁのバランスは考えたことありますか?


 

 クズがヒロインを脅している時、主人公は救わないですよね? 何当たり前のこと言っているの?ですよね。


 作者さん的には救ってしまうと「考えている展開にならない」のですから。


 クズの悪行は主人公に気づかれずおこなわれます。それだけでなく、主人公以外が気づいても、それが伝わらないようにしますよね。


 なのに、簡単にざまぁされる作品が多いです。


 頭の中???となりますよ。

「えっそんな簡単にハメられるのなら、何で主人公は胸糞を止められなかった(気づかない)の?」って。


 読み専はクズのことをこう捉えているからです。主人公に気づかれないほど、陰謀に長けていると。相当能力が高いぞと。


 さらに主人公以外が気づいても伝わらないのは、周囲の環境が神レベルでクズの味方をしていると思っています。


 読み専が思っているクズの悪行レベルは、作者さんの想定よりも高く、ざまぁするには神レベルの困難を乗り越えないとバランスが崩れる。


 ヒロインを脅すなり、薬や魔法でレイプするなりして、ヒロインの行動をしばるのは、かなりクズの能力を上げると思ってください。神レベルなのだと。

 そんなキャラが簡単にハメられるのは不味いです。



 ここで創作論を持ち出しましょう。どうして人は物語を好むのか?

 それは自分の教訓とするためです。アンポンタンな私が言っても何も説得力ありませんので、人類学を持ち出します。


 人類学によると、人間が他の動物よりも生存能力に長けているのは、物語をつうじて体験を多くすることが出来るからだそうです。


 焚火の周りに座り、年長者が語る体験談。それを聞くことで、自分が体験しなくとも失敗を学び、困難を打ち破る術も学ぶことが出来る。


 物語の原点は体験談とのこと。本能に刻まれている習性らしいです。


 人が好む物語は自分の教訓となるものなわけです。

 どうしたら成功するのか? どうしたら困難を打ち破ることができるのか?

 これを求めて物語を読むのは、人の本能ということです。


 つまりクズのヒロインへの悪行(困難)を防がない(打ち破らない)のは、本能レベルで受け付けない、読み手へかなりのストレスを与えることなのです。

 

 ストレスを感じながら読むのですから、捌け口として手っ取り早くヒロインが目について、罵倒したくなるわけです。


 与えたストレスを払しょくするのは、思っているよりも難しい。なにせ本能レベルで嫌がることを強いているのですから。そう捉えてほしいです。



 ヒロインへ批判コメントがつくのは、だいたい話しの展開上のためヒロインの行動をしばっているからです。


 でもそれは読者の「物語を好む本能を捻じ曲げる」ことです。嫌ですよね、他人に強要されるのって。

 だからその対価に見合うご褒美を用意してください。ヒロインの魅力をこれでもかあ!と高くしてください。

 それでも批判するコメントは、聞き流しても良いと思いますよ。

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