第10話 桜花の愛の想いと燈の想い
状況を整理したいと思う。
先ず美春だが。
美春は部活又はサークルを作りたいという。
燈だが目的として桜花と仲良くしたい.....?、感じで美春に誘われてサークルのメンバーになるという。
そしてラストに桜花。
少なくとも俺と仲良く出来れば何でも良い様な感じだが.....。
どうしたものかねこれは。
『私を好きになって』
桜花の言葉が今も頭に過ぎる。
その言葉を胸に秘めながら目の前の教員達を見ていた。
先頭の教員だが.....女性の.....そうだな。
グラマナス?と言える女性の教師。
その教師が一番に俺達の元にやって来た。
「面白い。私がそのサークルの顧問になろう。私は新聞部でそういうネタを私は集めるのが好きでね。.....でもまあ使ったりはしないから安心してくれたまえ。.....それにしてもハーレムか。羨ましいな井上」
「.....いや.....ハーレムじゃないですけど.....」
「.....」
桜花が見るからに不機嫌そうだ。
その言葉を受けてから、だ。
俺はその姿を見つつ大和啄木(やまとたくぼく)先生を見る。
30歳ぐらいだったかこの先生は。
そしてスタイルが良くてやっぱり彼氏は居るらしい.....。
聞いたのはそこまで。
あと容姿だけど.....見た感じは長黒髪に白衣を纏っている。
それから薄化粧で.....クールな感じだ。
「.....啄木先生。有難う御座います」
「面白いのは好きなので構わない。.....それに井上の様子を見たいしな」
「.....俺ですか.....俺をネタにしないで下さい」
すると蹴られた。
桜花に、だ。
俺は桜花を見る。
桜花はジト目で俺を見ていた。
まさに不愉快、という感じで、だ。
この先が.....苛まれる感じだな。
「よし。そうとなれば部室だが。サークル部室は何処にするんだ」
「部室は特に考えてなかったですが.....」
「.....?」
「私の目的は山口さんと久留米さんが仲良くして欲しいとそれを切に願っています。先ずそれを達成してから部室を作ろうかと」
「.....うむ。しかし前提条件としては部室は持たないと意味が無いぞ」
「ですね。やっぱり」
すると山口が手を上げた。
それから俺をチラ見して.....から。
空き教室があるという事を紹介した。
その場所は.....屋上に近い場所だ。
つまり.....オイオイ。
「.....?.....そこでも良いが.....かなり距離があるぞ。良いのか」
「山口さん?そこで良いの?」
「私は構いません。.....横の久留米さんが納得するかですが」
「.....確かあの教室は広かったしね。良いんじゃ無いかな」
ニヤッと一瞬だけ不敵な笑みをしたが。
桜花は直ぐに咳払いしてから俺達をにこやかに見る。
コイツ.....計画性ありだな.....。
屋上が鍵が掛けれるから、だ.....。
イチャイチャはお預けとあれ程言ったのに。
「じゃあそこに決定だね。.....山口さんが提案したし」
「.....そうですね.....」
「はい♪」
「.....」
山口を睨む久留米。
何か計画性があるな、と思ったのだろう。
俺はその事に盛大に溜息を吐きつつ。
立ち上がった啄木先生と移動を開始した。
そしてその空き教室に向かう。
☆
何故か知らないが空き教室の癖に埃が全く無い。
そして.....本棚とかが整えられている.....。
薄気味悪いと思っていたのだが。
桜花を見て俺はハッとした。
その桜花は薄い笑みを浮かべている。
コイツ.....まさかこの場所.....をどうにかしたんじゃ無いだろうか。
この場所を決めるのは予定通りだった.....のか?
「何で3年も使われてない教室がこんなに整っているかと思ったが.....そうか。生徒会が掃除していたな」
「.....あ。そうなんですね」
「.....そうなんだ.....」
埃が一切無い。
俺は不気味さを感じつつ。
その予定は.....変わり始めた。
どんな予定かと言えば掃除の予定とか、だ。
じゃあ整っている事だし、と啄木先生は、部室に必要な物を揃えようか、と笑みを浮かべる。
「じゃあ先ずは椅子とか机とかかな」
「だね」
「私と藤也で取って来ます。新品なのが生徒会室にありますから」
「.....」
「.....」
ニコニコする桜花。
美春と燈が眉を顰めて俺を見ていた.....。
いや。俺のせいかそれは。
思いつつも(生徒会室にある)という点で手出しが出来ない様だった。
そしてそのまま、ほほーう.....?、という感じの啄木先生を置いて。
そのまま俺を桜花は引っ張って行く。
「でもちょっと待って。藤也が行く必要無いよね。山口さん」
「そんな事無い。藤也は男だから」
「.....ぐ.....」
燈は悔しそうに押し黙る。
そして俺を引き摺って連れて行く桜花。
それから.....屋上に連れて行か.....オイ!?
生徒会室じゃ無いじゃないか!
まあ知っていたけど!
「とうやー」
「オイオイ!みんな待ってるって!」
「そんな事関係無い。.....後で弁解すれば良いしね」
それから俺を押し倒す桜花。
そして.....桜花は俺を見てくる。
えへへ、と笑顔で、だ。
俺に縋ってくる桜花。
そうして.....スリスリしてきた。
「.....とうぶんちゅーにゅーしないとね」
「.....お前な.....」
そして桜花は起き上がる。
それから、えへへ、と笑顔を見せた。
そうしてから、これからもこういう事が出来るね、と笑顔を浮かべ。
じゃあ行こうか、と俺の手を引いた。
「私を好きになってね。藤也。約束」
「.....それってどういう意味なんだ?俺はさっぱり理解が.....」
「もう。藤也の鈍感。.....私.....は.....」
藤也が好きなんだよ?、と赤面しながら俺を見てくる。
俺は目をパチクリしてから、ハァ!?、と愕然として真っ赤になる。
言わせないでよ.....、と俺を見る桜花。
それから、もう、と桜花は言う。
「おま.....嘘だろう!?俺が好き!?」
「.....そうだよ?.....じゃ無かったらそんな事言わない」
「.....!」
「.....私は藤也が好きって思えた。.....何でって言えば.....自覚した。.....ああ。私って藤也が好きなんだなって思って」
「.....」
だから.....久留米さんじゃなくて。
私をずっと見て、と笑みを浮かべる桜花。
それから俺の手を握ってくる。
そして、早く行かないとバレちゃうから、と言いながら手を引いて歩き出す。
そうしてから屋上から生徒会室に向かった。
「.....」
その間。
俺は.....もう赤くなるぐらいしか出来ず。
それから.....桜花を見ていた。
恥ずかしくて見れない。
どうしたら良いのだろうか.....。
☆
「遅かったですね」
「.....まあ遅いかな」
「.....ちょっと机を探していたからね。藤也」
「.....そ、そうだな」
それから俺達はジト目と。
啄木先生のみがニヤニヤ笑っている。
そんな感じのみんなを見た。
そして机などを配置していく。
すると.....燈が俺を見てきた。
「.....ねえ。藤也」
「.....何だ?」
「山口さんと異常に距離が近いと思う。.....何で」
「.....そ、それは.....」
燈はスマホを取り出した。
それからタカタカと打ちながらみんなが机とか椅子を用意している中。
俺に見せつけてくる。
そこにはこう書かれていた。
即興でこの文字数かよ、と思える様な。
(昔みたいに私じゃ駄目なの?私は.....君が今でも好きなのに。だから.....振り向いてほしいから頑張っているけど.....君は.....)
「.....燈.....」
そして燈は涙を浮かべるがそれを直ぐに拭いてからそれから作業に戻って行く。
美春とかに心配されていたが、何でもない、と答えていた。
俺はその姿を見ながら.....グスグス言いながらの燈を見ながら。
どうするべきなのか考える。
俺を好き、か。
好きって何だろうな、と思いながら。
複雑な顔で考えた。
クラスメイトに孤高の美少女が居ますが.....実の所はポンコツ甘々だったりするもんで アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。クラスメイトに孤高の美少女が居ますが.....実の所はポンコツ甘々だったりするもんでの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます