第49話 会話と今後
レン達は、食事を楽しみデザートを食べていた。デザートといってもフルーツミックスのようなものだ。
こちらの世界には、凝ったケーキやゼリーなどはないようだ。今度材料があれば作ってみるのもいいかもしれない。
レンは、時々母親がいない時など自分で食事を作ることはあったため、簡単なものならば作れると思う。
なんてことを考えているとロザリオから声がかかる。
「レン、食事は楽しんでもらえてる?」
考え事をしていたためロザリオは気になったのかもしれない。
「はい!とても美味しいです。どうやったらこんなに美味しく出来るのか考え込んでました」
と感想を述べる。
「それなら良かったわ。まだあるからどんどん食べて」
ロザリオは、安心したようだ。
レンは、フルーツを食べる。元の世界では見たことがない果物も多く、食べていて食感が面白い。
食事が終わり現在は、お茶を飲んでいる。
紅茶なのだろうか……元の世界では、味わったことのない味だ。そういえば、ギルド長が淹れてくれたお茶も美味しかったなと思う。
食事も終わり、みんな会話を楽しむようになってきた。
「凄かったぜ!レンの戦いがよ。黒龍のブレスにも耐えきってよう」
とガレスが語り出した。
「本当に凄かったわね」
とほかの面々が続く。
「ちょっとやめてくださいよ!恥ずかしいです」
とレンが入るが話はやまない。
「恥ずかしがることないわよ!」
とフィレンがたしなめる。
一通りからかわれた後は、今後の話になった。
「レンは、これからどうする予定ですか?」
とカーラが聞いてくる。呼び捨てになったことに親近感を覚える。
「近いうちに王都に行こうと思ってる。ギルド長の推薦でBランク試験をエリアスと受けようと思って」
と答える。
「そうですか!お2人なら余裕で合格できるものだと思います」
とカーラが言ってくれる。Aランクのお墨付きがあるのはとても嬉しい。
「そういえば王都では、近いうちに武闘大会が開かれるはずよ。レンもせっかくだし、出場してみたら良いんじゃない?」
とロザリオが言う。
「それは面白そうですね!やはり強い人が多く出場するのでしょうか?」
強い人の戦いを参考にすればさらに成長することもできるだろう。
「ええ!Bランク以上が確実に出場してくるわね。そしてなんと言っても目玉なのは、あいつでしょうね」
とフィレンが言う。
「それってもしかして救国の英雄かい?」
とナティアが言う。
「ええ!彼が出場するはずよ」
とフィレンが言う。
「それってギルド長の仲間の?」
とレンは聞く。
「ええ!パーティでも最強と言っていいやつよ」
と言う。
「会うのがとても楽しみです」
レンは、その最強の存在とやらに会ってみたくなった。きっと、良い出会いになるに違いないという確信がある。
そんなことを話しながらも夜は更けていった。
「今日は来てくれてありがとう!そして、街を守ってくれたことも感謝するわ」
とロザリオが言った。
「こちらこそありがとうございました!」
とレンはお礼を言う。
特に何か聞かれることもなくレンは安心するのだった。
レンは、宿に戻りそのまま寝ようと思いながら部屋に戻る。
「どうやって王都に行くかも考えなければいけないな……でもそれは明日にしよう」
とレンは思いながらベッドに潜り込むのだった。
レン達が帰った後、ロザリオとフィレンは二次会のような形で飲んでいた。
「あの子がフィレンのお気に入りの子なのね」
と少しからかうように声をかける。
「ええ!彼の成長はとてつもないわね。もしかしたら私は勝てないでしょうね」
とフィレンは言う。本当に気に入っているため恥ずかしげもなく答える。
「かなり優しそうな子だったわね……これからどう成長するのか楽しみね!」
とロザリオが言う。
「ええ、その通りね……」
とフィレンは呟く。
フィレンは、黒龍の戦いの時に遠くから見た、レンの姿が気になっていたのだ。白い髪になっていた。あれは、一体なんだったのだろうか……
ほかの人は気にしてなかったり、忘れていたりするようだが、フィレンは忘れられなかった。
次の日の朝レンは、いつもより遅い時間に目を覚ました。
「はぁー!久々にのんびりと眠ることが出来たな〜」
とレンは呟く。
下に降りるとエリアスが待っていた。
「いつまで寝てるの?レン!と言いたいけど疲れが溜まってたんだね」
と声をかけてくる。
本当に優しいなと思いつつ挨拶する。
「おはよう!エリアス」
「おはよう!レン」
と互いに挨拶を交わす。
「さーて、王都への出発も考えないとな…」
とレンが呟く。
「それなら王都に行く商人とかの護衛の依頼を受けて、付いて行くのとかが良いらしいよ」
とエリアスが言う。
確かに商人についていけば馬車に乗せてもらうこともできるだろうし、移動が格段に安くなる。ただし、冒険者の実力が魔物や盗賊などとの戦闘で求められることにはなるが…
「ならギルドに向かうか」
と言い2人は、ギルドに向かって歩いて行くのであった。
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