第22話 薬草採取と迷宮
朝食を食べたレンは真っ直ぐにギルドに向かうのだった
普通の冒険者とかは、重そうな荷物を持ったりしているがレンはアイテムボックスがあるためほぼ手ぶらだ。
「何かあってもすぐに対応できるからやっぱり手ぶらが良いな」
ギルドに着き、中の掲示板に載っている依頼を眺め何にしようか考える。掲示板の紙を取って受付に持っていけばいい。
「うん!最初はこれだな」
やっぱり薬草採集からやっていくことにした。
レンはゲームなどでも、やらなくてもいいような小さいクエストからコツコツやっていくタイプだ。
「これをお願いします!」
昨日カードを作る時に担当してもらったアリーに持っていく。
「はい!薬草採集ですね。気をつけて行ってください。簡単な依頼でも油断が命取りですので!あなたが……」
と手続きをしてくれた。初心者冒険者には油断はありがちなミスだ。油断の怖さはよくわかっているため気をつけたい。
「?……ありがとうございます!」
と言ってギルドを出た。
アリーの
「あなたがギルド長ほどの実力を持っているなら油断しても負けないだろうけど」
という言葉はレンには小さ過ぎて聞き取れてなかった。
現在レンは街を出て封龍の森の近くの草原に来ていた。もちろん依頼の薬草を探すためである。
「そこら辺の草を適当に鑑定していくか……」
鑑定を持っているとこういう場合も便利だ。
『採集向けのスキルをインストールすることをお勧めします』
とナビゲーターさんが提案する。
「品質とか売値に関わりそうだな!インストール」
レンは採集技能というスキルをインストールした。
そのまま鑑定を使用しながら採集していく。
「結構集まったな…」
これで十分足りるだろうと考えたレンは作業を切り上げた。そしてギルドに納品しに行くのだった。
ギルドについたレンは受付嬢のアリーに依頼の報告を行うのだった。
アリーはレンが取ってきた薬草の多さにとても驚いていた。
「この短時間でよくこんなに集められましたね!しかも品質もとても素晴らしいものです」
彼ならば実力で採取したとみて間違いないですね……
普通ならばどこかで買ったのではと疑うところではあるが、彼ならおかしくはないだろうと納得するアリーだった。
報酬を受け取ったレンはギルドを出る。正直ギルドマスターに遭遇するかもしれないと思ったからだ。出来たら話したくない相手だ。
「それにしても薬草採集はそんなにお金にならないな」
『薬草採集はギルドの依頼で最も安全で簡単なものです。ですので報酬が安めになっています』
確かに危険がほとんどないのだ。最悪子供でもできるだろう。
レンは暇だなぁと思いながら街を歩いていた。
「ナビゲーターさん、どこかお勧めの場所とかない?」
と尋ねると
『迷宮に行かれてはどうでしょうか?』
と返ってきた。ワクワクするワード。
レンは即座に迷宮に行こうと決心した。
「楽しみだなぁ!」
すぐにも駆け出そうとする。
『では準備を始めましょう。手ぶらで行くのはいけません!』
ナビゲーターさんに注意されてしまった。
「はい、そうします」
とレンは少しションボリしながらうなずくのだった。
レンは街の雑貨屋などに行き役立ちそうな道具やポーションを購入した。
「ポーションって意外と高いな」
お金がなくなっていくことにため息をつく。
『マスターご自身がスキルで作る方が良いかと思われます。先程採取した薬草も少し持っていますし、後で試してみましょう』
と言われた。
材料を集めたら作ってみるか……と考えるレンだった。
そして現在レンは迷宮の入り口に来ている。冒険者が何人も迷宮に入って行っているのが見えた。
「ここが迷宮か……何か思ったほど大きくはないな」
素直な感想を口にする。もっと大きいと思っていた。
『小さな迷宮はこの世界にはたくさんありますが、特別巨大な迷宮も存在します。三大迷宮と言われていますのでいつか訪れてみましょう』
「すごいワクワクするな三大迷宮って!」
今後の楽しみも出来た所で冒険者が入って行った後レンも続けて迷宮に足を踏み入れるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます