匿名ラジオ /#20XX「恐山を襲った悲劇!~ザギンでアダルティな感じのバーでサイテー編~」

♪~トクメイッラジオ~♪

恐山「ちょっと、ARuFaさん。聞いてくださいよ」

ARuFa「そんなガッカリして、メソメソして、どうしたんだい?恐山」

恐山「いやあの、ガッカリはしてないですけど。つい先日の事なんですが、酷い目に合いまして」

ARuFa「はい」

恐山「私先日ね、とある女性と飲みに行ってたんですよ」

ARuFa「恐山がナオンとタイマン?!珍しいこともあるもんだよ」

恐山「もちろん仕事でね。私のエッセイが本になったんですよ」

ARuFa「ああ、なるほどね。その女性は出版関係の人?」

恐山「そうなんですよ。出版社の方ですね」

恐山「仕事の打ち合わせの後、私はすぐ帰ろうとしたんですが、彼女が一杯付き合ってほしいと言ってきて。私も全力で断ったんですが彼女の圧がすごくてすごくて。

断りきれず飲むことになったんです」

ARuFa「居酒屋に押し込まれちゃったわけだね」

恐山「いえ違います バーです」

ARuFa「バー?バーっていうと?」

恐山「銀座にできた、大人の社交場的な感じのお店です。我々が普段行くような安い大衆酒場とは雰囲気が違う」

ARuFa「いいなあ、俺の分も注文してきて」

恐山「それでですね、大変なことになっちゃって」

ARuFa「どういう風に?」

恐山「まず彼女が私の隣に座りました」

ARuFa「ほう」

恐山「すると彼女がね、『ちょっと、そこ変わってくれない?』って言いだして、いきなり私を押し退けて座るわけですよ」

ARuFa「ふむふむ」

恐山「アレ?とは思いましたけど、私としては特に反発する理由もないのでその場は黙って席を替わりますよね」

ARuFa「うん」

恐山「で、店員さんがファーストドリンクを聞いてくるじゃないですか」

ARuFa「はい」

恐山「そこで私はお酒が飲めないのでジンジャーエールを頼みました。そしたら彼女『何言ってんの、飲めるんでしょ?じゃあいっちょう生2つー』なんて言ってきて。もうこの時点で完全にヤバかった」

ARuFa「ちょっとちょっと、ザキンのアダルティな感じのバーでいっちょう生2つ?」

恐山「そうなんですよ」

ARuFa「メニューにはあるだろうけど、最初に生中ジョッキを頼むような店ではないよね」

恐山「そうなんですけど」

ARuFa「はぁ~~~~!」

ARuFa「それ絶対イヤイヤ飲んだら『アンタ飲めないんじゃなかったの?嘘つきぃ~(笑)』みたいなこと言ってくる奴じゃん!」

恐山「ARuFaさん。…正解です」

ARuFa「えぇ~~~!!!?!マジ?!サイアクレディじゃん!それ!!」

恐山「でもこれはまだ序章に過ぎないんですよ。本番はこれから始まりますからね」

ARuFa「嘘だろ……恐山はこれから一体どんな地獄を見させられるというんだ……」

恐山「でですね、飲み物とちょっとしたツマミが来て、乾杯をして、なんの話をするんだろうと思ったらいきなり彼女が『そういえば最近さぁ、私こっちに越してきたばっかりなんだわ』とか話し始めてですね」

ARuFa「はいはいはい」

恐山「で、私も、はいそうなんですか。みたいな無難なやりとりをしたんですけど、そしたら彼女が突然立ち上がって、自分の鞄をガサガサやり始めまして」

ARuFa「うん」

恐山「で、そこからが最悪だった」

ARuFa「待て待て、これ以上何をするつもりだ」

恐山「彼女は鞄の中から何かを取り出したんですけど、それがね、あの……」

ARuFa「まさか、ナイフ?」

恐山「いえ、もっと凶悪なものです」

ARuFa「拳銃?」

恐山「いいえ、もっと恐ろしいものです。彼女の手には、彼女の手に握られていたのは、それは、あの、なんと言いますかね」

ARuFa「なんだよ、ハッキリ言ってくれよ恐山」

恐山「……『妊娠検査薬』が握られていました」

ARuFa「妊検」

恐山「はい」

ARuFa「……」

恐山「…恐ろしいでしょう?」

ARuFa「……」

ARuFa「恐山、お前よくそんな状況で無事帰ってこれたな」

恐山「彼女が『ねえ、今日ウチ誰もいないんだけどぉ、よかったら泊まってかない?』と両腕をふり回しながら近づいてきた時には、本気で命の危険を感じました」

ARuFa「うーん」

恐山「だから私は彼女にこう言いました」

ARuFa「なんて言ったの?」

恐山「『実は私、子供ができにくい体質なんです。だから残念ながらあなたとは結婚できません』って」

ARuFa「お前凄いな」

恐山「そしたら彼女、『私、子供ができやすい体質なので、多分大丈夫ですよ(笑)』って返してくるわけです。この会話のどこに笑いの要素があるのかわかりますか?」

ARuFa「いや、全然わからない。無敵じゃんその女」

恐山「そうなんですよ。こんな奴を相手にしてたら、命が何個あっても足りない。本当に危険な奴だと思いましたね」

ARuFa「恐山、今すぐそいつから離れろ。俺がそいつをなんとかする」

恐山「いや、これは先日の出来事なので。過去に介入するのは歴史改変ですよ」

ARuFa「うるせえ、俺のブログの読者が一人減るくらいどうってことない!」

恐山「まあ、それはそうかもしれないですけど」

ARuFa「とにかく俺は行くぞ!恐山!」

(時空が裂ける音)

恐山「ちょっと!ARuFaさん?!ARuFaさ~~~~ん!」


~過去 ザギンのアダルティな感じのバー~


ARuFa「サイアクレディめ、この俺が成敗してくれる」

ARuFa「あそこに居るのは恐山。ということは隣りに座っているのがサイアクレディか」

ARuFa「見た所、身長は恐山と同じぐらい。つまり2mぐらい。体重は200kgってところか。そして何より、恐山の倍は胸が大きい。あれだな、Bカップぐらいだな」

ARuFa「恐山はきっと、Aカップのブラジャーをつけているんだろうなぁ」

ARuFa「おっサイアクレディが立ち上がった。トイレの個室でスタンバイしておこう。いざという時はこのARuFaツインダガーをお見舞いするのだ」


サイアクレディ「ねぇざんち。子供の名前は何がいいと思う?」

恐山「ちょっと!妊娠検査薬をふりまわしながら近づかないでください!」

サイアクレディ「私はね、女の子が欲しいんだよね」

恐山「ちょっ、それ私の鞄じゃないですか。返して下さいよ」

サイアクレディ「名前はね、杏奈ちゃんにしようと思って」

恐山「あっ、もう駄目だ。この人頭がおかしい」

ARuFa「ちょっと待った!!その前に俺が相手をしよう!!」

恐山「えぇ!?」

サイアクレディ「なーにあんた?(笑)邪魔なんだけど(笑)」

ARuFa「俺はARuFa。お前を倒す男の名だ。覚えておきな」

恐山「えぇ……?」

サイアクレディ「じゃああなたが私を倒してみる?」

ARuFa「そのつもりだよ。いくぜ、ARuFaツインダガー!」

サイアクレディ「グォォオオオオオン!ギャオ!ガァッシャァアンン!」

恐山「えぇ……」

サイアクレディ「ちょっとぉ、なんなのこれ(笑)」

ARuFa「これが俺の力さ」

サイアクレディ「ちょっとぉ、誰か助けて~(笑)」

ARuFa「さようなら」

(時空が裂ける音)

恐山「えぇ……?」


~現在 ARuFa宅~


ARuFa「おい、恐山!恐山!」

恐山「なんですか、ARuFaさん」

ARuFa「お前、『最悪』って言葉、知ってるか?」

恐山「もちろんですよ。私をなんだと思ってるんですか」

ARuFa「いや、だってさ。『最悪』って言葉、使う?」

恐山「いや、普段は使わないですね。でも、普通に使うと思いますよ」

ARuFa「そうだな、使うのなんてサイアクレディぐらいだもんな」

恐山「誰ですかそれは」

ARuFa「いや…知らないならいいんだ」

恐山「?」

(完)



【解説】

サイアクレディ

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

サイアクレディは特徴的な体躯と精神性を持った日本人女性。


概要. 身長2メートルを超える大柄で肥満体の中年の女性。体重200kg以上あり、推定スリーサイズはB120 W120 H110である。

髪色は栗色。

顔立ちは日本人の女性であるが、彫りが深く鼻が高い。

眉毛が濃く、唇も分厚い。服装は白のブラウスに紺色のタイトスカートを着用している。

性格は強気で、自信家、自己中心的な性格をしている。

一人称は「わたくし」

「サイアクレディのブログ」というサイトを運営していた。

恐山はサイアクレディのブログで人気になり、書籍化の話もあったが断った。

サイアクレディは「ARuFaツインダガー」という必殺技が弱点。「ARuFaツインダガー」はサイアクレディを倒すために編み出した技で、ARuFaが二刀流で攻撃する。

「ARuFaツインダガー」はサイアクレディの必殺技である「ザギンでアダルティな感じのバーでサイテー」を破ることが出来る。

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