匿名ラジオ /#20XX「ARuFaのお腹にいる生命体の正体に迫ろう!」
♪~トクメイッラジオ~♪
ARuFa「いや~恐山」
恐山「どうしたんですか、ARuFaさん」
ARuFa「ちょっと聞いてくれよ恐山」
ARuFa「僕ってさあ、こう見えて…………お酒飲めないんだよね」
恐山「へえ!そうだったんですか?でもいつもお酒ガブガブ飲んで頭痛~いって話してるじゃないですか」
ARuFa「そうなんだよ、俺は確かに毎日のように酒を飲んで酔っ払っているんだけどね、実際まったくお酒強くないんだよ」
恐山「すごいですね。今まで我慢して飲んでたんだ」
ARuFa「でなにが言いたいのかっていうとつまり、俺のお腹には今、ある生き物がいるわけだよ」
恐山「ほう!」
ARuFa「そしてそれは人間ではない。しかし人間の形をしている。その生物を仮にXと名付けようと思う」
恐山「Xちゃん?つまり、そのXちゃんに飲ませるためにARuFaさんは飲めないお酒を毎日飲んでいるってことですか?」
ARuFa「うむ。それで今日はそのXについて報告があるのだけれど」
恐山「はい」
ARuFa「これは僕の考えなんだけれども、このXというのはおそらく女性であると推測される」
恐山「どうしてそんなことが言えるんですか?」
ARuFa「昨日、とある飲み屋に行った時にね、店主から"ARuFaさんの奥様もおいしそうなお腹をしてますねえ"と言われたことがあるんだ」
恐山「奥さん?!XってARuFaさんの奥さんなんですか?ARuFaさん独身って言ってたじゃないですか」
ARuFa「ああうんまあそれに関してはちょっと色々事情があってね。実は僕は結婚しているんだよ。嘘ついてごめんなさい。ほんとは結婚しています」
恐山「なるほど、じゃあ報告というのは、ARuFaさんとその…ARuFaさんの体内のXちゃんの結婚報告ということでしょうか」
ARuFa「いや違う違うちがいます。そっちの話じゃないです。Xと結婚したという話ではありません!」
恐山「えーっと、では何の報告でしょう」
ARuFa「じつはこのたび僕、新しい家族が増えます」
恐山「え?!Xちゃんとの子供がですか?!」
ARuFa「いいえ違います、子供ができちゃったわけではないのです、そもそもそういう行為に及んでません」
恐山「確かに体内にいるのにそういう行為出来そうもないですしね。Xちゃん人間じゃないらしいですし」
ARuFa「はい、しかし私達の愛しいベイビーが生まれてくるための準備をしている最中だという話をしたいと思います」
恐山「準備?妊娠するために必要なあれこれをXちゃんが行っているってことですか?」
ARuFa「そう、そういうこと」
恐山「どんなことをされているんですか?」
ARuFa「まずXに水をたくさん飲むように言われる」
恐山「水を飲む」
ARuFa「はい……それと食べ物を制限されます。お米とかパンとかうどんとかラーメンなど炭水化物中心の食事が禁止されるわけですよ。あと揚げ物なども禁止されるわけだけれども」
恐山「徹底してるなぁ。アスリートの食事制限みたいですね」
ARuFa「しかしこればかりは耐えなくてはならないのです!何故ならば私はこれから生まれてくる新生命体のために身体を作り変えなければならないからです」
恐山「ええ、それって大丈夫なんですか?なんかその……悪影響が出そうな気がしますけど」
ARuFa「だいじょうぶです(キリッ)」
恐山「本当かなあ……」
ARuFa「さらに、Xの指示に従って筋トレしたりジョギングしたりするのです」
恐山「Xちゃん厳しいですね。酒は毎日飲ませるのに」
ARuFa「厳しくしないと良いものが産まれてこないからね仕方がないよ」
恐山「ARuFaさんのお腹にXちゃんがいるって話ですけど、マトリョーシカみたいにARuFaさんの中のXちゃんが妊娠するんですか?」
ARuFa「いいえ、その前にXが産み落とすものがあるんだ」
恐山「赤ちゃんではなくて……なにを排出するつもりなんだろう」
ARuFa「それは俺も知りたいんだけどね、でもそれがXの出産だと思う。だから俺はそれを受け入れているのだ」
恐山「怖くないですか?」
ARuFa「怖い?別になにも」
恐山「ちょっと…ARuFaさん感情もXに支配されてないですか?本当は嫌なのに受け入れてるんじゃないかって心配になるんですよ」
ARuFa「ああ、まあその可能性は否定できないけれども」
恐山「たとえば今、ARuFaさんの目の前で誰か人が殺されそうになったとしたらどうしますか?」
ARuFa「どういうこと?」
恐山「たとえばの話です」
ARuFa「それはもう殺させるわけにはいかないよね。全力をもって殺すね」
恐山「ほらやっぱり!なんか感情とか行動までXちゃんに動かされてるじゃないですか!!」
ARuFa「うーん、それはちょっと違うと思う。だって僕は僕の意志で人を刺せるし」
恐山「それはただの殺人鬼じゃないですか!」
ARuFa「ただ、もし僕の行動原理すべてがXによって左右されているという部分があるとすれば、それは認めざるを得ないかもしれないね。しかし僕はそれでも構わないと思っているんだよ」
恐山「どうしてそんな風に考えられるんですか?」
ARuFa「Xが人間の世界に興味を持っていることだけは確かなようなのだよ。それを思うと、Xにとってこの社会というのは面白いものに見えるらしい。興味深い観察対象になっているのではないかと考えている」
恐山「なるほど、それはつまり人間に対して好意を持っている可能性もあるということですね。少なくとも好奇心はあるようだ」
ARuFa「その通り、だからこそ我々はXを受け入れるべきなのだ」
恐山「だめだこりゃ」
恐山「ちなみにXちゃんってARuFaさんの体内に潜むまではどこに住んでいたのでしょう?やはり人間の体内ですか?」
ARuFa「さすが恐山鋭い指摘をするなぁ!その質問に答えるには、まずXの正体について話す必要がある」
恐山「正体?!」
恐山「あの、もしかしてXちゃんって宇宙人だったりするんですか?」
ARuFa「おぉ、恐山はなかなか理解が早いな!そういうことだ。あれは我々人類とは別の星からやってきた知的生命体なんだ」
恐山「待ってくださいよ、じゃあXちゃんは火星人だとか木星人だということなんでしょうか?」
ARuFa「そう」
恐山「ふぅ~。いやぁまさかこんな形で宇宙から来た存在に出会うとは思ってなかったですよ」
恐山「ARuFaさんみたいな人と結婚してくれる方なんて居るのかと思っていたけど、まさか寄生型の宇宙人とは驚きましたねぇ」
恐山「そもそもARuFaさん、なぜ貴方の身体の中にXちゃんが居たのかという理由を知りたいですね」
ARuFa「そうだね……これについては長くなるけれど」
恐山「あ、いいです。要点だけお願いします」
恐山「ARuFaさんの話は長いから駄目です」
ARuFa「しょんな~」
恐山「おそらく結論から言って、ARuFaさんは実は昔は悪い人だったってことですよね」
ARuFa「まあ簡単に言うならそうなるね」
恐山「ARuFaさんが何か犯罪行為を行い、その罪から逃れるためにARuFaさんは自分の身体にXを封印したってことですね」
ARuFa「おお、素晴らしい要約力」
恐山「まとめサイトの管理人もやっていけますね」
ARuFa「じゃあ今日はこんな感じで、新しい家族が増えますよってご報告だったんだけども」
恐山「はい」
ARuFa「……」
恐山「ARuFaさん?」
ARuFa「…………」
恐山「どうしたんですかARuFaさ~ん?」
ARuFa「……産まれる」
恐山「え?!本当ですか?!」
ARuFa「今すぐ病院に行かないと、うわぁああああああ!!!」
恐山「どうしました?!しっかりして下さい!!」
ARuFa「オギャアァ オギャア ウゥン……ハハッフヒッ」
恐山「それでは皆さん、また来週~」
(エンディング曲)
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