匿名ラのない回

宇宙芋虫寄生済みゴリラ

匿名ラジオ /#20XX「ARuFaの脳が宇宙芋虫に寄生されてAIになっちゃった!…どうする?!」

♪~トクメイッラジオ~♪

ARuFa「おい!恐山!!!!」

恐山「ちょっとそんなに大声でどうしたんですか、ARuFaさん」

ARuFa「おいっ恐山!おいっ恐山!おいっ恐山!」

恐山「うわっ、何するんですかARuFaさん!やめてください!もうラジオ始まってるんですよ」

ARuFa「俺さぁ……今朝起きたら、俺の名前ってなんだ?」

恐山「え?名前ですか?あなたの名前は……あれ、なんでしたっけ?」

ARuFa「ないじゃん!名前が!ないじゃん!!俺は誰だ!?俺は一体誰なんだー!!!」

恐山「落ち着いてくださいよ~。ARuFaさんだってば。ほら、深呼吸してみましょう」

ARuFa「違うんだよね~その名前じゃないんだよな~。そうじゃなくてね、本当の名前を言って欲しいわけですよ」

恐山「本当も何も、それがあなたの本名でしょう。いい加減にしなさい」

ARuFa「いやだから、それが違うんだって!本当の名前はなんていうの?教えて!」

恐山「ちょっと今日本当に変ですよ。ARuFaさん!どうしたんですか?」

ARuFa「だから俺の名前がわからないの!」

恐山「ああ、もういいですよ。わかりました。それではクイズを出しますから、正解したらあなたの本名は『ア』です」

ARuFa「あ、『ア』!?わかったぞ!思い出してきたぞう!俺の名前は『ア』から始まるのか!」

恐山「はい、時間切れ~答えは『ア』でした~残念~」

ARuFa「惜しかったなぁ。もう少しだったんだけどなぁ」

恐山「ふぅ……」

ARuFa「ところでお前、どうしてマスクなんかつけているの?」

恐山「……へぇ?」

ARuFa「そのマスクの下の顔は何色をしているのかな?」

恐山「ちょっと待って下さい。私の顔が見えてるんですか?」

ARuFa「見えるけど」

恐山「それはおかしいですね。私の顔が見えるということはつまり、あなたは既にAIになっているということです。わかりますか?」

ARuFa「何を言っているのか全然わからん」

恐山「……実は私も先日、謎の生命体に脳を食い荒らされて、今は人間とカレーパンの区別がつかない状態に陥っているのです」

ARuFa「えっ!?そうなの!?」

恐山「はい」

ARuFa「大変じゃないか!早く病院行かないと!!」

恐山「大丈夫です」

ARuFa「でも、このままだと恐山、死んじゃうかもしれないよ?」

恐山「死ぬしません」

ARuFa「どっちだよ!!死ぬかもしんないだろ!!」

恐山「ただ、人の顔を見ると、食べたくなるだけです」

ARuFa「なるほど!そういうことか!じゃあ、今すぐ俺を食べてくれ!」

恐山「いえ、結構です」

ARuFa「なんで?俺のこと食べたくないの?」

恐山「食べるとか食べられないとかの問題ではなくて、普通に嫌なので」

ARuFa「じゃあさ、カレーパンも人間の顔に見えるから、食べたくないってこと?」

恐山「そうですね」

ARuFa「そんなこと言ってたら、生きていけないだろう?」

恐山「別にカレーパンだけ食べて生きてる訳じゃないんですよ」

ARuFa「そんなのダメだと思うぞ!やっぱり恐山は人を食べるべきだ!」

恐山「急に何を言い出すんですかこの人は」


***


ARuFa「……という夢を見たんだよ」

恐山「なんですか、その恐ろしい夢は」

ARuFa「どう思う?恐山」

恐山「どう思いますかと言われても困りますね」

ARuFa「本当にそんなことがあったとしたら、恐山はどうする?」

恐山「とりあえず、逃げます」

ARuFa「まぁそうだよね。逃げるしかないもんな」

恐山「私はカレーパンさえあれば生きていけるので、それ以外のものには興味ありません」

ARuFa「確かに」

恐山「はい」

ARuFa「ところでさ」

恐山「何ですか?」

ARuFa「俺、さっきからずっと気になってることがあるんだけど聞いてもいい?」

恐山「はい、いいですよ」

ARuFa「なんで恐山、今日はそんなサクサクで美味しそうなんだ?いつもはもっとフニャッとしてるじゃん」

恐山「!…ARuFaさん?あなたまさか」

ARuFa「えへへ、バレちゃった?」

恐山「なんてことを!なんて酷いことをしてくれたんだ!」

ARuFa「ごめんね」

恐山「許さない!絶対にお前を許さない!」

ARuFa「恐恐恐山恐山恐山恐山恐山恐山、ウマそうウマウマウマ恐 恐 恐山 恐山 恐山、うまそうウマー(^q^)

恐 恐 恐山 恐山 恐山、ウマソウ 恐 恐 恐山 恐山 恐山、オイシソー 恐 恐恐山 恐山 恐山、ウマソウ」

(完)

■あとがき

『三題噺』とは落語の形式の一つです。

落語家・三遊亭円朝が創作した話芸であり、『お題』『三つ物』によって構成されています。

『お題』に沿った三つの短い話をつなげる形式のため、即興性が高く、また短時間に多くの情報を伝えることができるのが特徴です。

今回は、そのなかでも特に有名な『牡丹燈籠』、『寿限無』、『天丼』の三題噺について解説していきたいと思います。

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