第397話 歓迎会 その1

 一般的に最高位だとされている悪魔族デーモン最高位悪魔アークデーモンであり。

 魔法神ティフィア様に仕える14名の専属の1人と、文字通りスーパーなメイドさんであるソレイユさんに先導されて、神聖な空気に満ちている廊下歩き……


「っ!!」


 誰か、思わず声を上げなかった私を褒めて欲しい。

 開け放たれた……というよりも、ソレイユさんが近づくと同時に、勝手に開いたんだけど。


 とにかく! 両開きの巨大で重厚な扉の先、そこに広がっている光景。

 豪華絢爛でありながら品がいい、さすがは神の国といえる調和された空間もだけど……


「待たせてしまってすみません。

 どうぞ、気軽に腰掛けてください」


 そういって、重厚感たっぷりな黒曜石でできているかのような漆黒の円卓を囲う、座り心地がめちゃくちゃ良さそうな真っ白な椅子に座るように促してくる国王陛下……


「ふふっ、よく来たわね」


 ……の真反対に腰掛ける、厨二心を激しく刺激される超カッコいい漆黒の軍服に身を包んだ黒髪黒目の妖艶なる絶世の美女!!


「流石はソフィーちゃんですね」


「やっほ〜!」


 そんな彼女の左右には同じく漆黒の軍服に身を包んだ、綺麗な青い髪を肩口で切り揃えた落ち着いて雰囲気の美少女。

 ふわっとしたな薄い緑色のショートボブの髪、少し眠たげな目をした幼さを感じさせる美少女。


「……」


 ルミエ様とも親しいみたいだったし。

 冒険者ギルドの基準だと得Sランク・神災級に分類されている最高位悪魔アークデーモンなのに、メイドをしているソレイユさんもいるし。


 もしかしてとは思ってたけど……やっぱり! 悪魔公デーモンロードであるノワール様、レヴィア様、ベル様!!

 七魔公の方々もこの国の人達だったんだっ!!

 それにっ……!


「ふふっ、さすがは私の教え子ね」


 伝説にすら語られている大英雄!

 世界三大学園の一角であるオルガマギア魔法学園の学園長にして、五大国が一国たる魔導学園都市王国の女王。

 大賢者マリア先生にっ!


「よっ!」


「皆さん、お久しぶりですね」


 冒険者ギルドの頂点に立っている2人が!

 冒険者ギルド組合の統括グランドマスターであるガルドさんに、副統括サブマスターのクリスティアさんがどうしてここにっ!?


「ついにここまで来たわね!」


 そして……マリア先生の右隣に座っている、ネヴィラお姉様……王姉にひて現イストワール王国の総帥であるネヴィラ・ルイーザ公爵のような覇気に満ち溢れた女性。

 真紅の髪と瞳をした美女……


「ま、まさか! 貴女は……」


「初めましてね。

 私の名前はターニャ・ポルヴェレ、よろしくね!」


 やっぱり!!

 ターニャ・ポリヴェリ、それはかつての聖魔大戦で活躍した英雄の一人であり、偉大なる紅き大魔道士。

 紅蓮の魔女の名前!


 現在は魔導学園都市王国の第二魔塔の魔塔主にして、アルトお兄様達14人の賢者筆頭!

 そして……フィアナお姉様のご実家、魔導学園都市王国の名門、ポリヴェリ公爵家の開祖様!!


「と、という事は……」


 彼女の! ターニャ様の右隣に座ってらっしゃる方々が……


「マナです」


「アナです」


「俺はマイク、よろしく」


 かの有名な! 伝説のSランク冒険者のみで結成されていたという冒険者パーティー……星屑の剣のメンバー方っ!!


「っ〜!!」


 マリア先生達もだけど、なんで伝説に謳われる英雄方がここにっ!?


「自己紹介は後にして、まずは乾杯いたしましょう」


「まっ、そうだな。

 陛下、お願いします」


 ここまで伝説に謳われる英雄方が揃ってるわけだし、黒い髪と青い瞳の女性も、金の瞳に白い髪をした男性このお二人も……ただ者ではないはず。


「そうですね」



 パチンっ!



「「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」」


 国王陛下が軽く指を打ち鳴らした瞬間……気がついたら、いつの間にか空いていた椅子に座って!!


「皆のことは後々、改めて紹介するとして……まずは、自らの力でここまで辿り着いた彼らを讃えて、乾杯するとしましょう」

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