第396話 悪魔族って……
「ふぅ〜」
やっと一息つけた。
しかし……やっぱり凄かったなぁ〜。
あの威圧されているわけでもないのに、その場にいるだけで生命としての格が違うと理解させられる気配と存在感!!
さすがは御伽話に登場する、伝説の神の国の国王陛下!
さすがはルミエ様のお父様であり、この国女王様でもある魔法神ティフィア様の旦那様だわ!!
そして何より……今! 私がいるのは、御伽話に語られる伝説の楽園! 私達の目的地であった神の国!!
今は不在だそうだけど、本来ならば魔法神ティフィア様がお住まいになられている神の国の王城っ!!
「にゅふっ」
まずい。
そんな場所に、そんなすごい場所にいるという事実だけで、気を抜くとニヤけてしまいそうだわ!
さっきメイドさんに淹れてもらったお茶を飲んで、興奮を鎮めなければ!!
今の現状に興奮しまくってる事がバレちゃったら、またロイさんを筆頭にみんなに揶揄われるに決まってるし。
今はこれから行われる歓迎会のために、ちゃんとメイドさん達の手によって着飾ってて、私を含めてみんなもバッチリとドレスコードを決めている。
つまり! 今の私は冒険者モードではなく、いついかなる時でも冷静沈着でクールでカッコいい孤高の悪役令嬢たるお嬢様モードなのだよ!!
むふふ、私を舐めているみんなよ、私の優雅で美しい所作を刮目せよ! カップを持ち上げて……一口。
「あらっ、美味しい」
感動だわ!
認めるのは悔しい、非常に悔しいけど……公爵家の使用人や、ファナが淹れてくれたお茶よりも美味しい。
いったいどんな銘柄の茶葉を使ってるんだろ?
「あの、こちらの紅茶はどのような茶葉を使われているのでしょうか?」
もしや! 神の国固有の茶葉ではっ!?
「ふふっ、残念ですがこの国固有のものではありませんよ。
皆様にリラックスしていただこうと思い、姫から聞いたソフィア様の出身地であるイストワール王国の茶葉を使用しています」
「っ!!」
えっ、うそ! これがいつも私が飲んでいるお茶と同じ茶葉で淹れたお茶!?
という事はこのお茶がこれだけ美味しいのは、それほどまでにこのメイドさんの技術が優れているって事? マジですか……
「素晴らしい、称賛に値する技術ですね……」
「ふふっ、お褒めに預かり光栄です」
優雅に一礼する、黒い髪に金色の瞳をしたメイドさん。
傾国って言ってもいいほどの絶世の美人さんだし、このメイドさんはいったい何者なんだろ……
「まぁソフィーが驚くのも無理はないわ。
なにせ彼女、ソレイユは、お母様の側仕え兼近衛である14柱の
「
う、うそでしょ!?
この人が! この絶世の美女が、冒険者ギルドの危険度でいえばレヴィア様達と同じく神災級・特Sランクに位置する存在っ!!?
そ、そういえば、このお茶が慣れ親しんだ茶葉だっていう衝撃が強すぎて、普通にスルーしちゃってたけど……さっき当然のように私の思考を読まれていたような……
「それに加えて技術も実力も数いる最高位悪魔の中でも。
そしてこの国の中でも、トップクラスの実力者なのよ?」
「ほぇ〜」
ま、まさかそんなにすごい方だったとは。
「いえ、私など七魔公である
ましてや我らが神であらせられる、ご主人様の足元にも及ばない、しがないただのメイドにすぎません」
「はぁ、まったく……全力の私と互角のくせに、よく言うわね」
「へっ?」
「「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」」
私だけじゃなくて、ガルスさんとフィルを除いた他のみんなも、ルミエ様の言葉に唖然としちゃってるけど……それも当然!
だって! ルミエ様の実力は序列戦で手合わせした事がある私達が一番知っているもん!!
人類最強の一角と呼ばれる私達Sランク冒険者が、軽くあしらわれるほどにルミエ様は圧倒的に強い。
そんなルミエ様と! それも全力のルミエ様と互角っ!?
「ふふっ、当然です。
そのくらいはできなければ、ご主人様の近衛はもちろん、側仕えも務まりませんので」
レヴィア様達には絶対に勝てないって断言もしてたし、
「っと、そろそろお時間のようですね。
会場へとご案内いたしますので、こちらへどうぞ」
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