第386話 残すは4人!
獣王国ビスバロニスを統べる獣王であり、魔王が
そんなレオン陛下に会うために、ビスバロニスに訪れた日に起こった大事件。
レオン陛下の末の娘である、カリンさん誘拐事件!
しかもその犯人が同じ魔王の一角である灰燼の魔女ルイーナで、魔王同士の戦争が勃発しかねないという、世界的な緊急事態っ!!
「……」
まぁ、結果として両魔王の総力戦っていう、最悪の場合は回避できたわけだけど。
いきなり魔王ルイーナの支配領域に乗り込んで、さらには魔王ルイーナが教団のスパイ……
それも、最高幹部である十使徒の一人で、真実の称号を持つ第六使徒だったことが発覚したり。
同じく十使徒に名前を連ねる、第八使徒のシュティル・ベランと、第七使徒のピアも出てきたり。
ルイーナの根城である王城……魔王城で、まさに両陣営の少数精鋭同士による決戦が行われて。
結果として私達が見事! 圧倒的大勝利を収めたわけですけど……
「それで? お父様、なぜあんな事をしたの?」
その勝利を決定付けた立役者!
その圧倒的とも言える力で、敵の首魁たる魔王の一柱にして第六使徒でもあった、ルイーナを
絶大な軍事力を誇る強国、獣王国ビスバロニスの頂点に君臨する偉大な獣王であり。
圧倒的な力で世界にその名を轟かせる真なる魔王!!
「い、いや、それはだな……」
なんだけど…… 腰に手を当てて仁王立ちするカリンさん前で正座させられて、怒られているレオン陛下。
「うん」
何この光景?
偉大なる獣魔王レオン陛下が、正座させられて叱られてるって……どういう状況なのよ。
いやまぁ、最初から私もこの場にいるし、事情は当然知ってるけども。
獣王にして魔王たるレオン陛下が、正座で怒られてるとか……国王って、魔王っていったい。
なんていうか、レオン陛下への畏怖とか敬意が一気に霧散しちゃった感じがするわ。
「しかし……」
魔王たるレオン陛下が正座で怒られてるとか、めちゃくちゃレアな光景なんじゃないかな?
だって普通はこんな状況なんてあり得ないだろうし! よし、しっかりとこのレアな光景を目に焼き付け……
「ふふっ、面白い事になったわね!」
あっ、はい。
ルミエ様がガッツリ、カメラを構えて記録してますね。
「でもまぁ……うん、仕方ないよね」
「あはは、まぁね。
どう反応すればいいのか迷うけど、仕方ないね」
フィルも苦笑いしてるけど、そもそもレオン陛下がカリンさんに怒られている原因は……
「魔王ルイーナは今回の一件の首魁で、さらには教団の最高幹部だったのよ!
重要な情報を吐き出せた可能性が高いのに……どうしてなんの情報も吐き出さずに、消し飛ばしちゃったとのよ!!」
そう、レオン陛下がルイーナに向けて最後に放った一撃!
あれによってルイーナは断末魔の声をあげる事すら許されずに、文字通り一瞬で消滅した。
獣魔王の、魔王の名に恥じない圧倒的な一撃。
ルイーナの大破壊すら霞むほどの一撃だったわけだけど……ルイーナは消し飛んだから、情報なんて引き出せるわけもなく。
「しかも! ルミエ様が咄嗟に結界を展開してくださだからよかったものの、危うく私達にまで危害が出そうになったのよっ!?」
その余波は、近くにいた私達にも当然届いた。
おかげで危うくルイーナと同じ運命を辿るか、それでなくても大怪我を負うところだった。
「もう少し周囲への被害も考えて行動してっ! わかったっ!?」
「……はい、ごめんなさい」
戦場での覇気と威厳に満ち溢れた態度から想像もつかないほどに、とても魔王の一角とは思えないほどに情けない姿だわ。
いかに魔王といえども、可愛い娘には弱いんだなぁ〜。
まぁ……ルイーナから情報を引き出せなかったのは痛手だけど、ルミエ様が第八使徒であるシュティルを捕縛してくれてたみたいだし。
戦闘中の事だからレオン陛下が、ルイーナを倒したのは仕方ないとして。
私達にも被害が出そうになったのは、紛れもない事実!
ちょっとかわいそうだと思わなくもないけど……ここはしっかりとカリンさんに怒られて、レオン陛下には反省してもらおう。
「それにしても……あと4人、か〜」
「そうだね」
「ふふっ、この分だと、鬱陶しいヤツらとの決着も近そうね」
ルミエ様が捕縛したシュティルから聞き出した情報によると、残っている教団の最高幹部……十使徒はあと4人。
まっ、それはわかってた事なんだけど、ピアみたいに死んだふりをしてるヤツはいないらしい。
そして……残っている4人。
第四使徒・安息、第三使徒・不殺、第二使徒・無欲、第一使徒・敬神。
この4人は十使徒の中でも、別格とのことだけど……
「はい」
5歳の時に戦ったナルダバートから始まった、長い教団との戦いも、残すところ敵の最高幹部はあと4人。
ルミエ様の言う通り、決着の時は近い!!
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