第365話 ケモ耳ツンデレ美少女
私がこの獣王国ビスバロニスに来たのは、獣王国を統べる獣王にして八魔王が
「なんだけどなぁ〜」
そもそもの発端は4日前。
セドリック達の後を追ってレフィア神聖王国の王都レ・フィーアの近くにある未踏破
私が
セドリック達は戦闘中はエマが結界で守っていた子供達を改めて保護して、拠点の外つまりはダンジョンの外へと避難させようとしていたわけだけど……
そのとき、突如として拘束していた影の騎士のリーダーの懐が光り輝き……浮かび上がった魔水晶から、何者かの声が!
まるで変声機を使ったような声音で、セドリック達が影の騎士の本拠地を……
自身の手足であった組織の本拠地を、落とせるとは思わなかったと述べ。
格上である影の騎士のリーダーを倒した事実を賞賛する。
そんな魔水晶から聞こえてくる声に、警戒しつつセドリックが何者だと誰何する。
すると、楽しげな笑い声が鳴り響き……自身は魔王だと名乗った。
「準備はいいわね?」
「えぇ、いつでも」
「ッ〜! 今にみてなさい! そんなに余裕でいられるのも今のうちなんだからっ!!」
とまぁ、そんなやり取りがあって、乙女ゲーム通り謎の魔王へとセドリック達が宣戦布告を行い……その直後にダンジョンが揺れ動き、魔王が驚愕して通信が切れる。
そしてセドリック達も急いでダンジョンから脱出した。
「ちょっとレフィー様に気に入られているからって、いい気になって!」
まぁ……ダンジョンが揺れ動いたのは、私が魔力と共に
とにかく! 私達が偽造天使の相手をしている間に、ちゃんと乙女ゲームの通りに宣戦布告イベントがあったと、後からノワールさん達に記録映像を見せてもらったわけだけど……
「そもそも! 貴女はレフィー様が、どれだけ素晴らしいお方なのか理解しているのかしら?」
乙女ゲームでは魔王は一柱しか存在しない。
よって結局のところ影の騎士のバックにいた魔王が、どの魔王なのか。
それ以前に本当に魔王なのかもわからない。
「貴女のような、小娘はレフィー様に相応しくないのよ!!」
そこで魔王の幾人かとも親交がある、ルミエの伝手を頼って直接魔王の治める領土に赴き。
影の騎士の裏にいた魔王は、誰なのかを突き止めるようとなり! 手始めに獣魔王レオン陛下が治める、ここ獣王国ビスバロニスに来たわけだけど……
「はぁ……」
思わずため息を吐いちゃったけど、仕方ない事だと思う。
私が今いるのは、獣王国ビスバロニスの王城内に存在する訓練場。
どうしてこんな事になっちゃったんだろう?
「貴女には特別にこの私! カリンが直々に、身の程ってものを教えてあげるわ!」
私の事を鋭く睨み見据えながら、全身から闘気をたぎらせて宣言する謎のケモ耳美少女ことカリン。
「はぁ……」
もうさっきから……カリンが突如として扉を開け放って乱入して来た時からため息が止まらない。
「ソフィー、がんば!」
レフィーちゃん〜! なんでまたこのタイミングで、私の応援をしちゃうの!!
いやまぁ、レフィーちゃんに応援されるのは嬉しいんだけど……
「ッ〜!!」
ほら! ケモ耳美少女の視線がさらに鋭くなった!!
「ぜ、絶対に貴女なんて認めないんだからっ!!」
おぉ〜、なんていうか……うん、ツンデレっぽい!
今のところ私に対してはツンしかないけど。
「しかし……」
本当になんでこんな事に、このケモ耳ツンデレ美少女カリンさんと。
獣王レオン陛下の末娘と、決闘なんてする羽目に……
「ちょっと! 聞いてるの!?」
「えっ、あ、はい。
聞いてますよ?」
「へ、へぇ、そう。
いいわ、軽く私の実力を見せつけて、私の方がレフィー様に相応しいと理解させるだけにしてあげようと思っていたけど……気が変わったわ!
ちょっとくらい痛い目をみればいいのよっ!」
青筋を立てて怒ってしまった。
確かに他の事も考えていたけど、私はエクストラスキル・並列思考を持ってるから話を聞いてたのは本当なのに……
「さぁ! 始めるわよ!!」
こうなってしまったからには仕方ない。
さっきレオン陛下からも頼まれた事ですし……
「ふふっ」
このケモ耳ツンデレっ娘には悪いけど……私の実力を! 世界の広さを教えてあげよう!!
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