第318話 ターニングポイント
数日前にここ、イストワール王国ルスキューレ公爵領の中でも王都に迫る……だからか超えていると謳われる最大の都市。
領都シルエルにある公爵家の本邸にて執り行われた、私の15歳の誕生日。
お父様、お母様、お兄様達とお姉様達、そして我が妹たるミネルバ!
ファナを筆頭に、ルスキューレ公爵家に仕えてくれている人達にルーとマス。
ルミエ様とウェルバー、そしてフィルは当然として……
ミラさんやリアットさんをはじめとした、オルガマギア魔法学園の友人達。
冒険者ギルド・イストワール王国王都支部のギルマスのグレンさんと副マスターのミレーネさん。
他にも! 冒険者ギルドからはSランク冒険者のみんなに、冒険者ギルド
マリア先生や、ゲーム仲間にして一緒に色々な悪巧みをする遊び仲間でもあるアクムス王国の女王アルバ様とグランツェ公爵。
ネフェリル帝国の皇帝であるショウ陛下に、帝国守護の五姫である皆様!!
そして……美しき海底王国マリンニアを統べる女王にして、海竜の竜王であるマーレさん。
可愛い双子ちゃんであるやんちゃなカイくんと、お淑やかながらも実は負けず嫌いなメレちゃん。
そしてそして! なんと八魔王の
どこからともなく一瞬で現れて、当然のように私の膝の上に座っていた……
「ふふっ」
とまぁ超豪華すぎる面子が集結した私の誕生日パーティーは、つつがなく楽しく終了した。
まぁ途中でご苦労な事に招待もしてないのに王都から遥々やってきて、乱入しようとした
招待していない事と、これは私的なパーティーだという事を理由に無事に撃退できたし。
私としてはみんなに祝われて、それはもう非常に楽しいパーティーだった。
そんなパーティーを終えて……
「ふんふんふふふ〜ん」
機嫌良く微笑みを浮かべ、小気味いい鼻歌を口ずさむ。
「えっと……」
誰が見てもわかる通り、すこぶる機嫌がいいのは当然私……ではなく!
「如何いたしましたか?」
鏡越しに目があった私に向かって、にっこりと優しく微笑むファナ!!
「もういいんじゃない?」
ファナによってドレッサーの前に座らされる事、そろそろ約1時間。
今日は確認しないといけない重要事項があるし、そろそろ髪を梳くのは十分だと思うんだけど……
「まったく……お嬢様は、ご自身が公爵令嬢だという自覚が薄すぎます!
普段冒険者として活動している時などは妥協しましたが、常時ならばコレばかりは譲れません!!」
「うっ」
別に公爵令嬢としての自覚が薄いわけじゃないんだよ?
確かにドレスを着飾ったり、髪を結ったり、お化粧をしたりするのは面倒……じゃなくて、ちょっとだけ好きじゃないけど。
「もう少しで終わりますので、我慢してください」
「はい……」
おかしい。
私が主人のはずなのに……いやまぁ、こんなやり取りもいつもの事だからもう慣れてるけども。
「ふふふ〜ん」
強引にやめさせると悲しませちゃうし……仕方ない。
情報ではまだ時間はあるし、とりあえず覗き見するための準備だけはしておこう。
「すぅ、はぁ……」
そろそろだと思ってたけど……ちょうどこの前の誕生日パーティーで、どこからともなく一瞬で現れて私の膝の上でそれはもう可愛らしくドヤっていた学園の妖精ことレフィーちゃん!!
スイーツを頬ばるレフィーちゃんは、それもう可愛くて……っと、そうじゃなくて!
そんなレフィーちゃんがドヤ顔で教えてくれた情報によると……
「さて」
今日、王家は対魔王のために異世界召喚を……聖女を召喚するらしい。
これはレフィーちゃんから話を聞いて、私も裏をとったからまず間違いない。
「しっかりと見届けないと」
なにせ今日この日こそが……私にとって。
いや、前世の記憶にある乙女ゲームに関わる全ての人に、この世界にとって大きなターニングポイントとなる運命の日なのだから。
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