第291話 巣窟へ!!
「ふんふんふふ〜ん!」
フィルとルミエ様。
今や世界に名高いSランク冒険者パーティー〝トリニティ〟のパーティーメンバーである2人を引き連れ!
鼻歌を歌いながら、長い廊下をいざ行かんっ!!
「今日は朝からやけに機嫌がいいですよね?」
「ふふっ、今日の朝からじゃなくて、昨日の夜からずっとこの調子よ?」
「まぁ……昨日は心底楽しそうでしたからね」
「本当にねぇ〜、帰ったらユリアナやヴェルト達にも見せてあげないと」
フィルとルミエ様が後ろで何やら話してるけど……機嫌がいいのは事実だし、細かいことは気にしない!!
だって気にしたところでどうにもならないし。
自分自身の成長日記を見せられて、みんなから撫でわまされるのはもう慣れてるしお手のものっ!!
まぁ、それはそれでどうかと思うけど……とにかくっ!!
「ステータス」
固有スキル・覇気
威圧の上位互換に当たる固有スキル。
明確な意思に魔力を乗せて相手にぶつけることで、相手を威圧する。
「むふっ!」
覇気が使えるということは、私が一握りの限られた強者達の仲間入りを果たした証!
まぁ到達者に当たってる時点でそうなんだけど、今重要なのは私が強者の代名詞ともいえる覇気を使えるということっ!!
ちなみに……昨日あれからすぐにフィルに自慢してやったら、結構前からフィルも普通に使えてた事実が発覚したけど。
私の方が強いし! 細かいことは気にしないっ!!
ルミエ様いわく! 覇気が普通のスキルとか、エクストラスキルじゃなくて固有スキルに分類されるのには理由がある。
意思の強さ、つまりは意思が重要になる覇気には、その者のの特徴が反映される。
よって覇気にはその者が最も得意とする魔力系統の、その者を象徴する色が出てくる……らしい。
そして更にはその色はなんらかの効果をもたらすとのこと。
ちなみにフィルの場合は黄色で、ルミエ様は白色!
「私の色は何かな〜?」
私はまだ覇気を一回も使ってないからわからないけど、雷で白とか黄色?
それとも炎の赤?
それかそれか! 氷で青とかもカッコいい!!
やっぱり氷の青がいいかな〜。
孤高の悪役令嬢! って感じがしてカッコいいし、私のイメージにぴったりな気がする!!
「こちらです」
っと、そうこうしてる間に目的地に着いちゃったか。
「ふふっ、案内ありがとうございました」
「い、いえ! こちらこそSランク冒険者である皆様をご案内できて光栄でした!!」
おぉう……そんなにガバっ! って頭を下げて畏まらなくても……
いやまぁ、私達は世界に10数名しか存在しないSランク冒険者だし、この反応も仕方ないか。
「また機会があったらお願いしますね」
「は、はい!
では、私はこれで失礼いたします」
おぉ〜、さすがは冒険者ギルド本部の職員さん。
ちょっと取り乱しつつも、最後は綺麗に一礼して去っていった。
「さて……」
この扉の向こうにいるのは、世界に10数名しかいない冒険者の頂点!
Sランク冒険者達っ!! まぁまだ全員がいるか、そもそも何人がこの招集に応じるのかは知らないけど……とにかく!
「じゃあ行きますか!!」
いざ! 個性の塊と称される、Sランク冒険者の巣窟へ!!
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