第252話 提案があります！
「う〜ん」
リアットさんからマリア先生の緊急招集で、私とフィルを呼びに来てくれた先生の伝言を聞いたあと！
生徒達にそのまま授業を続けるように指示を出してから、呼びに来てくれた先生と一緒にマリア先生のところまで、学園長室まで転移でやって来たわけだけど……
「壮観だわ」
「あはは、確かにね」
ノックをしてから入った学園長室に集結した、オルガマギア魔法学園の教師陣！
オルガマギア魔法学園は魔法の才能に溢れた、秀才達が集う学園……よって！ その秀才達を教える立場の、教師陣が凡庸なわけがない！！
オルガマギア魔法学園の先生は、その全員が魔塔に所属する大魔道士であり。
その実力はおりがみ付き！ 魔法に関しては、世界トップクラスの人物達といっても過言じゃない。
そんなオルガマギア魔法学園の先生達が、これほどまでに一堂に会するのは何気に初めて見るわ。
ぱっと見、知ってる先生達は既に全員いるし。
もしかしてこれ、全先生が集まってるんじゃないかな？
「でも……緊急招集って、なにがあったのかな？」
「まぁ学園の教師陣を全員集める程だし、何かあったのは確実だろうね」
だよね〜。
しかも緊急招集って……ふ〜む、せっかくイストワール王立学園から離れて、平穏な学園生活を送ってたのに！！
「待たせてごめんなさいね」
「いえ、しかし緊急招集とは……いったい何があったのですか？」
扉から足速に入ってきたマリア先生にそう問いかけるのは、副学園長にして第二魔塔第三席の大魔道士でもある金髪の美女！ カリナ・フォールン先生。
魔導学園都市王国の中でも魔法の大家として名高い名門貴族フォールン家の次女にして跡取りでもあり、アルトお兄様と同期で共にしのぎを削ったライバル。
そして……アルトお兄様のお嫁さんであるフィアナお姉様の、双子の妹さんでもある！
そんなわけで、カリナ先生とは親戚ってこともあって、学園の先生達の中でも仲がいい……
というか、さすがはフィアナお姉様の妹さんだけあって、可愛がられてるというか……とにかく！ カリナ先生ナイスです！
この場にいる全員が気になっていた、いきなり確信をつく質問！！
「実はちょっと面倒な事が起こっていてね。
もしかしたら既に噂を耳にしてる人もいるかもしれないけど……先日からこの学園内で、複数名の生徒が行方不明になっているの」
「「「「「「「「「っ！！」」」」」」」」」
それって、さっき休憩中に話してた……いやでも、この学園には！
「知っての通り、この学園は私が展開している結界で守られ、それ以外にも多数の警備が張り巡らされているわ」
そう！ この学園は大賢者たるマリア先生が展開した結界で守られてる上に、その警備網も超厳重！！
当然、不審者を見張るための、前世でいうところの監視カメラみたいな機能がある監視魔法も至るところにあるのに……
「にも関わらず、実際に複数の生徒が消息を絶っている」
マリア先生の言葉に、この場に集まった教師陣がざわついてるけど、こればっかりは仕方がない。
「いったいどうやって……」
ポツリと誰かが呟いたように、この学園の警備網に一切引っかかることなく、消息を絶つことなんて至難の業だもん。
「これは由々しき事態よ。
まずは生徒達にこの事を周知させて、周囲の警戒を怠らないように促して」
「「「「「「「はい！！」」」」」」」
生徒が行方不明に……これは早急に解決しないと！
「あっ！ そうだ！！」
ふふふ、完璧な作戦を思いついちゃったわ！！
「ソフィーちゃん？」
「マリア先生、事件を解決するための作戦……提案があります！」
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