第168話 審査委員長っ!?

「「「「「「「「「「──ッ!!」」」」」」」」」」


 歓声を上げる人々。

 熱気に満ちた空間。

 これだけだと、昨日の剣舞を披露したあとと酷似した状況といえるんだけど……



「では! 続きましてオルガマギア魔法学園からの出場者!!

 エントリーナンバー28番、ソフィアさんです!!」



 どうして……


「キャ〜! ソフィーちゃんっ!!」


「可愛いっ!!」


「頑張ってっ!!」


 どうして、こんなことになってしまったんだろう……



「まだ我々の記憶に新しい新人戦での活躍。

 一躍その名を世界中に轟かせ、今や魔王ナルダバートを倒した冒険者ソフィーと同一人物だと噂されるソフィアさんの仮面の下が、まさかこれほどの美少女だったとは」


「えぇ、流石は白銀の天使といったところでしょうか。

 整った容姿もさる事ながら、節々に見てとれる所作の一つ一つが本当に素晴らしい。

 これからの選考が楽しみですね」


「本当ですね〜、これからの選考に要注目です!

 さて今回の交流会から開始されたイベント、第1回ミス三大学園コンテストも盛り上がって参りました!!

 次の出場者は……」



「はぁ……」


 どうして、私がミスコンなんかに……こうなった、ことの始まりは昨日。

 昨日は王立神聖レフィア学園を見て回ったり、各校のいろんなサークルのいろんな発表をみたりした。


 控え室に再集合したあと、マリア先生の転移魔法で移動したホテルもすごくよかったし、非常に楽しい1日だった。

 サリエラさん達と別れて、ミラさん達に強制連行……連れて行かれた先で、あれよあれよとミラさん達にミスコンの出場登録をされたことを省いては。


「ふふっ、流石ね。

 まだ始まったばかりなのに、凄い人気だったじゃない」


「サリエラさん……」


 昨日、別れ際にどうせ明日また会うみたいなことをいってたけど……まさかサリエラさんも、このミスコンに参加しているとは。

 いやまぁ、確かにサリエラさんは青い髪と瞳の美人さんだし、ミスコンに参加しててもまったく不自然じゃないけど。


「う〜ん」


 というか! なんでサリエラさんは私がミスコンに出場させられることを知ってたんだろ?


「実は昨日ソフィアさんが剣舞を披露している時に、ミラさん達からサプライズ計画を聞かされたんだけど……」


 な、なるほど。

 だからサリエラさんは私がミスコンに出場させられることを知ってたの……って、もしかして私の考えを読んでます?

 話噛み合いすぎじゃない?


「ふふっ、こう見えて私も武道を嗜んでいるからね。

 そんなに素直に顔に出ていれば、ソフィアさんがなにを考えているのかくらいは読めるよ」


「おぉ〜、さすがですね」


 まっ、昨日の剣舞を見ただけでも、サリエラさんがかなりの実力者だってことは見てとれたし。

 いわれてみれば、このくらいはできて当然かな?


「ふふっ、ありがとう。

 っと、それよりも! ほら、あそこを見て!!」


「えっ? なんですかいきな……っ!?」



「以上50名が書類選考を通過した、本日のミス三大学園コンテストの出場者になります。

 では今回特別にお越しいただきました三大学園の妖精、審査委員長のレフィー様にも一言いただきましょう!」


「ん、みんな、頑張って」



「うそ……」


 昨日の夜に別れてから、今日は姿を見ないな〜って思ってたけど……レフィーちゃんが審査委員長っ!?

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