第167話 いざ、イベントへ!
「やっ!」
流れるように、流麗に。
「シッ!」
軽やかで、それでいて力強く。
「はっ!」
蝶のように舞い、蜂のように刺すっ!!
「「「「「「「「「「「──ッ!!」」」」」」」」」」」
ふふん〜! どうよ? 完璧に決まったわっ!!
この歓声! この熱気っ! 今私の背後にはビシィ! ドドンっ! って効果音が出ていたに違いない!!
「ふぅ〜」
あぁ、緊張した。
いやまぁ、楽しかったけど……
「むぐっ!?」
「も〜ソフィーちゃん! カッコよかったわっ!!」
し、視界が! 息がぁ〜!!
「はいはい、ソフィーが窒息しかけてますよ」
フィル〜! ナイスアシストっ!!
「あら、ごめんなさい」
「ぷはぁ〜!」
さ、さすがはミラさん。
完全に油断しちゃってたとはいえ……まさか私にさとられることなく抱きしめるとは。
いや、ミラさんだけじゃない。
お母様やお姉様達をはじめ、クラスの女性陣はたまに私が気づかない速度で抱きしめてくる。
「ふ〜む」
これは一度、どうなっているのかちゃんと調べた方がいいかも。
「本当に素晴らしかったよ。
まさか……オルガマギア魔法学園の生徒である貴女に、ここまで素晴らしい剣舞を見せられるなんてね」
「ふふっ、ありがとうございます。
けど! サリエラさんもすごかったですよ!!」
なにせ! 私がここでこうして剣舞を披露してたのは、オルガラミナ武術学園のサークル、剣舞会の会長であるサリエラさんの剣舞を見て感化された結果だし。
剣舞の披露を終えたサリエラさんが、誰が剣舞をやってみませんか? って観客に向かって聞いて。
ついつい手を挙げちゃったんだよね。
「魔王を倒した英雄に、そう言ってもらえるなんて光栄だよ」
「っ!?」
な、なぜそれをっ……
「あはは、新人戦であれだけ目立てば流石にわかるよ」
「な、なるほど……」
ということは……今日は大丈夫だけど、一般のお客も参加できる明日以降ではまた仮面をつける必要があるか。
「と、このように、不思議と各国でまことしやかに語り継がれるとある噂、都市伝説がいくつかあるのです」
「ん? あれは……」
「あぁ、あれは王立神聖レフィア学園のサークルね」
「へぇ〜」
王立神聖レフィア学園の。
交流会では本当に各校いろんなサークルが、いろんな発表をしてて面白いわ!
「各国に存在する噂、都市伝説の中でも特に興味深いものの1つが偉人の失踪です」
偉人の失踪?
「なんらかの偉業を成し遂げた者。
英雄と称えられる者。
あるいは変人として名を馳せた者など、歴史に名を刻むような有名人の多くが、ある時にパタっと姿を消す。
または、死後にその遺体が消失するなどの怪現象が世界中で起こっているというものです」
ほうほう。
「このような噂は不思議と世界各国に存在していますが……事実としてある日を境に姿を消した偉人は多く存在しており……」
「あっ!」
「っ〜!」
な、なにっ!?
「まずいわ! もうこんな時間っ!!
急がないと例のイベントの申し込み時間が終わっちゃうっ!」
「「「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」」」
へ? な、なに?
なんの話??
「さぁ! 行くわよ、ソフィーちゃんっ!!」
「え?」
「では、そういう事ですので、私達はこれで失礼しますね!!」
「はいはい、まぁどうせ明日会うだろうけど……また明日もここで剣舞を披露する予定だから、気が向いたらまた来てね」
サリエラさん、それってどういう……
「みんな! 急ぐわよっ!!」
「「「「「「「「「「「おぉ〜!!」」」」」」」」」」」
なにが起こってるのっ!?
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