第133話 私、帰還っ!!
熾烈な戦いを……決勝トーナメントに出場する32名中24名がSクラス。
学園の保護結界を機能不能に。
ベスト8以上をSクラスが独占。
さらには、閉会式あとの魔塔選考での一幕。
前代未聞なできごと尽くしで、確実に後世に語り継がれるであろうオルガマギア魔法学園の新人戦も無事に終わり……
「ん〜! 着いたぁ〜っ!!」
目の前に広がるは見慣れてるけど、ちょっと懐かしさを感じる景色! イストワール王国の王都ノリアナにあるルスキューレ公爵邸のお庭……
「むふっ!」
私、帰還っ!!
「ッ〜!」
「ア、アルトお兄様っ!?」
い、いったいなにがっ!
いきなり蹲ってどうしたの!?
「伸びをして、はしゃぐソフィーが尊い……!!」
「……」
アルトお兄様……
「ルミエ様!」
『安心しなさい。
ちゃんと録画してるわ』
「流石はルミエ様です!」
みなまでいわずともアルトお兄様のいいたいことを察してる!?
変に以心伝心してるのはいいけど……ルミエ様、それにファナまでなにやってるのっ!!
というか! 今更だけど猫ちゃんサイズのルミエ様が小っちゃい両手で持ってるカメラはなにっ!!
いやまぁ、確かに小っちゃい両手でカメラを持ってパタパタ飛ぶルミエ様はめちゃくちゃかわゆいけども!
今まで何度も私のことを映像に録画してたけど、カメラなんて持ってなかったじゃないですか!!
『学園で私がなにもしていないと思っていたの?
これはマリアに手伝わせて作ったソフィーの姿を録画するための魔法を補助する特注カメラよ』
「えぇ……」
いつのまにそんな物を……
『ふふふ、今の家に帰ってきてはしゃいでる姿もだけど、魔導学園都市王国に向かう馬車での移動。
第一都市での食べ歩き。
学園での学生生活。
まだまだあるから、後で全員で確認するとしましょう』
「ルミエ様……貴女様に心からの感謝を」
『ふふっ、いいのよ。
私達は同志でしょう?』
なにやらアルトお兄様とルミエ様が通じ合ってるけど……別にはしゃいでないですからねっ!?
アルトお兄様の転移魔法で帰ってきたから一瞬だったし。
「ですが、ご主人様。
長旅を終えてやっと目的地に到着したという感じで伸びをしてましたよね?」
「そ、それは……」
こ、こういうのは雰囲気が重要なのっ!
てか! ルー、今どうやって私の考えを読んだのっ!? 今は念話を使ってないのに……
「私はご主人様の権能によって生み出されたご主人様の一部、簡単に言えば人格を持った権能であり、ご主人様をサポートする存在です。
今はこの肉体を持っていますが、その本質は変わりませんのでこの程度は当然です」
「な、なるほど……」
うん、まぁ、ルーがちょっと胸を張って嬉しそうにしてるからそれでいいや。
今はそれよりも……未だに四つん這いになって感涙してるアルトお兄様にビシッと喝を入れないと!
「こほん、アルトお兄様! いつまでそうしてるんですか!!
早く中に入りま……っ!?」
「ソフィーちゃんっ!!」
「お、お母様っ!?」
び、びっくりしたぁ〜。
アルトお兄様にビシッと喝を入れるために玄関に背中を向けてたから、後ろからいきなり抱き上げられてびっくりしちゃった!
「ソフィーっ!」
「ソフィー!!」
お父様! エレンお兄様も!!
「色々と話を聞きたいけど……ふふっ! とりあえず、ソフィーちゃん、お帰りなさい」
「はい! ただいま戻りました!!」
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