第124話 2人の天使
「ふんふんふ〜ん」
オルガマギア魔法学園、新人戦2日目!
決勝トーナメント一回戦はBクラスのメイさんに勝利を収めた!!
『さぁ! いよいよこの時がやってきた〜!!』
控え室代わりの訓練場でアナウンスよりも早く試合会場で試合をしてたヨーグさんの勝敗を知ることができた理由をミラさん達に詰め寄られ、魔力感知について根掘り葉掘り聞かれたけど……
あのあと! フィルも、ミラさんも無事に勝利を収めて、二回戦進出を決め!!
『果たして誰がこのような事態を予期していた事でしょう!?
今年の新人戦は前代未聞の例外尽くしっ! 我々が今現在、目にしている光景は歴史に深く刻まれ、多くの人々によって語り継がれることでしょうっ!!』
そしてっ! 第二回戦はヨーグさんと。
第三回戦は私と当たるまで負けないってビシッと、カッコよく宣言して見事に有言実行してみせたヘレンさんと。
『昨日の予選より本日の決勝に進んだ選手32名中、Sクラスから24名もの選手が決勝トーナメントにその名を残し!
ベスト8以上をSクラスが占めるという前代未聞の偉業っ!!』
準決勝では当然のように余裕をもって勝ち進んできたミラさんとぶつかり、さすがに手強かったけど……
「ふふん!」
当然、私が勝利を収めた!!
『そして……今大会のクライマックス! フィナーレを飾るのは勿論、この2人っ!!
両者とも仮面に素顔を隠した、謎多き幼い少年少女!
しかしその実力はもはや疑う余地もないっ! この決勝の舞台まで、文字通り対戦相手を圧倒して見せた!
隔絶したその力はこの場にいる全員に……いや! 世界中の人々へと知れ渡った事でしょうっ!!』
「ソフィーちゃん!」
「っ! ミラさん!?」
私との試合で全力を出し切って、魔力不足……魔力欠乏症で倒れちゃったのになんでこんなところにっ!?
「な、なんで!? 早く救護室にっ!」
「ふふっ、もう大丈夫よ」
「大丈夫って……」
そんなわけない!
私も5年間の修行で幾度となく魔力欠乏症になって倒れたことがあるけど……すさまじい頭痛と吐き気に倦怠感、あれはこんなにすぐに回復するようなものじゃないっ!!
「もう、そんな顔をしない!
マリア先生に回復してもらったから、私は本当に大丈夫よ」
「マリア先生が?」
う〜ん、幼少期の魔力欠乏症は保有魔力量を底上げするとかで、私は魔力欠乏症になったときマリア先生に診てもらわなかったけど……マリア先生はファナやお兄様達いわく私の主治医でもあるし。
確かにマリア先生なら魔力欠乏症をどうにかできても不思議じゃない……かな?
「そんな事より! ソフィーちゃん!!」
「は、はい!」
「こほん! 私に勝ったんだから、フィルなんかに負けないで優勝してね!!」
「ふっふっふ〜ん! もちろんですっ!!」
「まぁ、ソフィーちゃんなら心配ないだろうけど……みんなと一緒に応援してるから頑張って!」
「はい! じゃあ、行ってきます!!」
『今年のオルガマギア魔法学園の新入生210名の頂点! その雌雄を決する決勝戦!!
この歴史に残る新人戦を制するのは果たしてどちらかっ!?』
おぉ〜、さすがはオルガマギア魔法学園の新人戦決勝!!
試合会場に転移した瞬間、花火が打ち上がって観客の歓声がすごいっ!!
『白銀の天使と黄金の天使! 2人の天使が今っ……この決勝の舞台で対峙するぅっ!!』
「むふっ!」
これは私が最強に至るための! 名実ともにこの私こそが最強だと世界に知らしめるための晴れ舞台っ!!
「ソフィー、楽しそうだね」
「フィル! 悪いけどこの試合、私が勝たせてもらうっ!!」
「ふふふっ、やる気十分! って感じだね。
けど……僕もそう簡単に負けるつもりはないよ? お互いに全力を尽くそう」
「当然!!」
『オルガマギア魔法学園が新人戦!
決勝戦っ! 白銀の天使ソフィア選手VS黄金の天使フィル選手……試合開始ぃ〜っ!!』
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