第51話 突然の乱入者
拝啓、お父様、お母様、アルトお兄様、エレンお兄様。
ファナに他のみんなも!
「ふぃ〜」
小さい頃からの憧れであり。
5年前、5歳の時に前世の記憶が……セドリック殿下と異世界から召喚される聖女の恋を盛り上げる踏み台にして魔王の前座の悪役令嬢として、冤罪で殺されることを知った日に最強になることを誓い、絶対になると決めた冒険者。
「むふっ!」
そんな積年の第一目標である冒険者に、特別推薦試験で数百年ぶりにAランク試験に合格してなった昨日から1日!
冒険者ギルド、イストワール王国王都ノリアナ支部のギルドマスターであるグレンさんから持ちかけられた緊急依頼を受けて速攻でやったきたダンジョン。
「むふふふっ!!」
なんでいきなり王都の近郊にこのダンジョンが出現したのか理由はわからないけど伝説の魔法神様が創ったらしい
そのダンジョンの第一階層の最奥にあった巨大な湖にて……
「ふふふ、機嫌がいいわね、ソフィー」
『楽しんでいただけているのなら何よりです』
「もう大満足です!!」
私達は現在! 優雅なバカンスを楽しんでいますっ!!
『ふふふ、楽しい?』
「もちろんです!」
『えへへ、ボクたちも楽しい!』
「っ!!」
ん〜! もうっ、水の精霊さん達はなんでこんなにも可愛いのっ!?
私の周りを楽しそうで飛び回ってる姿を見ると、この子達が上位精霊で特Aランク、ギルドの定める基準でいうと災禍級の存在だなんてとても信じられない!!
『ソフィアさんは、面白いお方ですね。
最初はあんなにも恥ずかしがっていらしたのに、もう気にもしていませんよ。
今もあの子達をみて内心悶えていらっしゃいますし』
「ふふふ、可愛いでしょ?
ソフィーもルスキューレ公爵家の一員と言うわけね」
「うぅ〜」
ふ、2人ともバッチリと聞こえてるんですからね!
せっかく淑女教育で鍛え抜いた貴族令嬢らしい微笑みの仮面を浮かべて表情に出さずに乗り切ったのに……私の思考を読める2人には一切通用しないっ!!
「あら、ごめんなさい。
でも……恥ずかしがってモジモジしてるソフィーも可愛かったわよ?」
「っ! わ、忘れてくださいっ!!」
だってだって! 仕方ないじゃないですかっ!!
こう見えて私はルスキューレ公爵家の公爵令嬢だし、人前で肌を見せることなんて殆どなかった。
しいていえば、お風呂のときとか、着替えるときとかにファナを筆頭に私の世話を焼こうとしてくるメイド軍団に見られることくらいで、他には修行のときに膝上丈のショートパンツをはくことがあった程度!
『ふふっ、確かに微笑ましい愛らしさが溢れていましたね』
「うぅ〜」
は、恥ずかしい! 穴があったら入って、引きこもりたいっ!
だって! 水着なんて着るの初めてだったんだもんっ!!
しかも、ダンジョン内とはいえ屋外でなんて……最初は恥ずかしくて当然だと……
「おいおい」
「ッ!?」
背後から聞こえていた声に……突然、湧いて出た気配に飛び退いて身構える。
なにこれ!? なんでいきなり人が! 水着姿を見られ……いや! それどころじゃない!
「だれ?」
なにこの圧倒的な気配!? 初めて会ったときのルミエ様と同じ感じがするんですけど……
「あ〜、驚かせて悪いな嬢ちゃん。
一応言っておくが、俺は決して怪しい者じゃない」
「……」
「って、言っても信じられないか。
はぁ……やっと到着したと思ったら……これはいったい、どういう状況なんだ?」
いきなり現れた怪しい大柄な男性が肩を落としてため息をついてるけど……それはこっちのセリフだ!!
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