第50話 大精霊の忠告
「ふぅ〜」
よし! よく我慢した私!!
偉いっ! さすがは私、鋼の精神っ!!
「ちなみに、こっちの子達は生まれて間もない精霊達よ」
「えっと、みんなもよろしくお願いしますね?」
『『『『『『よろしく〜!!』』』』』』
か、可愛いっ!!
って、そうじゃなくて! なんか精霊ってもっと荘厳というか、近づき難い孤高の存在ってイメージだったんだけど、まさかこの子達が水の精霊さん達だったとは……
精霊というと、火、水、風、雷、土の五大基本属性。
上位属性である火炎、瀑水、暴風、轟雷、大地に加えて神聖、深淵を含む上位七属性とか色々な属性を司っていて。
この世界を創ったとされる神から、世界の管理を任されているとされる存在!!
『そんなに大それた者ではありませんよ』
大それた者じゃないとかいいつつ、ナチュラルに思考を覗かれた!
「まぁ、アクアは最上位精霊の更に上。
精霊公の一柱だから、このくらいは当然のようにできるわ」
そして、ルミエ様も……
『あはは、私たち精霊は世界に満ちる
私などご主人様や側近のお方々、そして姫様に比べれば取るに足らない存在です』
「まぁ、お母様やお父様、側近の人達は規格外だもの。
私でも未だに軽くあしらわれるのに、アレと比べるのが間違っているわ」
ル、ルミエ様が軽く……
「アクアはこう言ってるけど、精霊は
昨日ソフィーが瞬殺した
「っ!!」
こ、こんなにも可愛い女の子なのに、大悪魔と呼ばれる上位悪魔を瞬殺っ!?
「この子達も生まれて間もないとは言え上位精霊だから、同格の上位悪魔はちょっと分が悪いけど、下位悪魔や通常の悪魔程度なら軽く倒せるわ」
こ、こんなにも小さな女の子や男の子達が……
『ふふふ、ソフィア様』
「さ、様なんて! 呼び捨てでいいです」
『では、ソフィアさん。
私たち精霊は精神生命体ですので、基本的には性別は存在しないのですよ』
「えっ?」
そ、そうなの? 精神生命体って性別がないの?
『尤も、受肉していれば話は別です。
中には受肉していても無性の者や、受肉していないのに性別がある者も稀に存在しますが、大抵はその者の自我にあった性別へと至ります。
私の場合は女性ですね』
「へ〜」
それは初めて知った!
精神生命体が基本的に不死の存在だってことはお兄様達からも、マリア先生からも習ったけど。
性別のことは習ってなかったし……むふふ! 帰ったらお兄様達に自慢しないと!!
『ふふふ、それでルミエ様、ソフィアさん。
お2人はこのダンジョンを攻略するおつもりですか?』
「そうですけど……」
『ふむ、なるほど。
緊急依頼、冒険者ギルドの調査依頼を受けてこられたのですね』
「はい」
や、やっぱりすごい! 今度は簡単に思考を覗かれないように身構えてたのに、普通に思考を覗かれた!!
『残念ですが、これより先には進まれない方がよろしいかと』
「えっ」
「やっぱり?」
『はい、ここより先。
次の階層からは難易度が跳ね上がります。
失礼ですが、姫様ならまだしも、ソフィアさんは死ぬ確率が高い……と言うよりも、確実に死ぬ事になると思われます』
おぉう……マジですか!
S級危険地帯である魔の森でも普通に最奥まで辿り着けたし……これでも、この5年間で結構強くなったと思ってたのに……
『たとえ姫様であったとしても、最下層まで突破することは不可能かと』
「まったく、本当にお母様は……」
『まぁ……ご主人様ですからね』
えっ……あれ? ちょ、ちょっと待って!
ルミエ様のお母様は魔法神様でしょ? それで今までの話の流れからするとこのダンジョンを作ったのはルミエ様のお母様。
つまりは、魔法神様!!
それは、このダンジョンの正式名称が魔法神の休息所で、魔法神様の別荘がモデルになってるんだからまず間違いない。
ってことはつまり……ここの最奥に魔法神様がいらっしゃるっ!?
「はぁ……ソフィー、残念だけどアクアの言う通りダンジョン攻略はここまでにしておいた方がいいわ」
でも! でも、この先に私の憧れにして目標たる魔法神様がっ!!
「うぅ……」
「ほら、そんな顔をしないで。
今日はこの湖で遊んで、帰るとしましょう」
「……はい」
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