第10話 ステータス!
お父様達にも戦闘服姿を見せて、褒めてもらったし。
朝ご飯を食べたあと、ちょっと休憩を挟んで準備は万端!!
というわけで、お兄様達に先導されてやって来ました! 訓練場っ!!
我がルスキューレ公爵家の王都にある広大なお屋敷、いわゆるタウンハウスの敷地内にある私設騎士団の訓練場。
今日はその一角を借りて訓練を行うわけだけど……
当然、蝶よ花よと育てられてる公爵令嬢である私がここに来たことなんて一度もなくて今日が初めてこの訓練場に来た……って、みんな思ってるんだろうな〜。
「ふふっ」
まぁ確かに、そんじょそこらの普通の貴族令嬢なら訓練場に足を踏み入れたことなんて一度もないだろう。
けど……私は違う! なにせ、私の秘密の特訓はこの訓練場を使って行っていたわけだし。
最初はこっそりとバレないように忍び込んだけど……すぐにバレた、訓練場に忍び込んで10分もしないでバレた。
流石は私達を警護するために領地から王都までついて来てくれてる我らがルスキューレ家に仕える騎士達の中でも精鋭の騎士達である。
けど、そこは公爵令嬢としての地位を存分に利用して、お父様達には黙っているように威厳たっぷりな態度で騎士達に厳命した!
おかげでお父様達にはバレてないし、今となっては騎士達とも打ち解けて一緒に訓練をしたりしている仲である。
この訓練場はもはや私の庭と言っても過言ではないのだ!!
「では、これより訓練に入ろうと思います」
「はい! エレンお兄様!!」
お兄様達のお話を聞いたり、冒険小説を読んだりして前から魔法や剣を使って戦うことに憧れてはいたけど。
前世の記憶にあるアニメやマンガの数々を思い出してその気持ちはより強まった。
そして今日は1週間も待ちに待った修行の開始日!
昨日は楽しみで……ぐっすり寝たけど、とにかく! この1週間、とても楽しみにしてたのだ。
これが楽しくないわけがない! けど……
「バルト見ろ!! ソフィーが! ソフィーが可愛すぎてツラいっ!!」
「ソフィーちゃん、頑張って!」
アルトお兄様は魔法と、その知識。
エレンお兄様は剣術と、冒険者として必要なスキルとかを教えてくれるとのことだけど……なんでお父様とお母様も一緒について来てるんだろ?
お仕事しなくて良いのかな……? う〜ん、まぁ考えてもわからないし別に良いや!
ふふふ、お兄様達だけじゃなくてお父様とお母様にも私の凄さを見せつけて心配性なみんなを安心させてあげるわ!!
「元気があってよろしい。
けど、はしゃぎ過ぎて倒れないようにね?」
「むっ、もうお兄様! バカにしないでください」
そんなことで倒れるはずがないのに!
「あはは、ごめんごめん。
そんなに頬を膨らませないで、ね?」
「は〜い。
それで、最初は何から始めるのですか?」
「まぁまぁ、そう焦らない。
まず最初は……アルト兄さん、準備は?」
「問題ない。
いつでも大丈夫だよ」
エレンお兄様の言葉の途中で転移して現れたアルトお兄様。
転移魔法を当然のように使いこなすとは……さすがは3年前、若干15歳で賢者の称号を得た天才!
すごいけど……アルトお兄様が転移で持ってきたであろう、2つの巨大な水晶はいったい……?
「あの、それは?」
「これは鑑定の儀で使われる神器と魔力量計測器の魔石だよ。
これからソフィーには本当なら10歳になった時に行うステータスの鑑定、そして魔力量計測を行なってもらいます」
「おぉ〜!」
王族も貴族も平民も関係なく。
強制ではないけどほとんど全ての人が10歳になったときに受ける鑑定の儀式と、自身の魔力量を知ることができる魔力量計測。
まぁ、魔力量計測は良いとして、お兄様達から大きな水晶を使うって聞いてたけど……
これが、この世界の主神とされている全ての魔法を司る魔法神ティフィア様が授けたとされるステータス鑑定の神器!
「じゃあ、まずはステータスの鑑定から始めよう。
ソフィー、その水晶に触ってみて」
「はい!」
ふふふ……数々の廃人ゲーマーをして無理ゲーだ、鬼畜ゲーだと言わしめた難易度を誇る魔王討伐を成し遂げる英雄。
勇者であるセドリック殿下と聖女達にすら対等に渡り合う超絶高スペックな悪役令嬢たる私のすごさを刮目せよ!!
名前:ソフィア・ルスキューレ
種族:
称号:「公爵令嬢」「お転婆令嬢」「ルスキューレ家の天使」「転生者」「愛子」
加護:「ーーーの加護」
・ユニークスキル
「探究者」
・エクストラスキル
「叡智」「魔導」
・耐性
「魔法攻撃耐性」「物理攻撃耐性」「状態異常耐性」
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