第12話 さわとやすチャンネル①
「はい。と言う訳で今回私達6人で何をするかと言いますと、こちら『心霊スポット10選巡り』をしていきたいと思います」
泰文がフリップを持ち佐和子が元気良く今回の動画を説明する。
「それでね、今回いつもの私達に加えて先程も登場してくれたスペシャルゲストが来てくれてるんですが、ここで軽くご紹介させていただきたいと思います」
佐和子が引き続き明るく動画を進行していってくれる。
実は冒頭の挨拶からある程度最初のスポットに行くまでの所は俺が流れ等を決めさせてもらった。
この2人に任せて今までみたいなグダグダな動画に付き合わされるのは流石に御免だからだ。
しかし詳しくセリフ等は決めてなかったのに佐和子が思いの他、上手く進めて行ってくれてるので少し驚きながらも安堵した。
「それではまず此方、白い狐面を被ったスラッと高身長でモデルさんみたいなスタイルの人がミューちゃんです」
「こんにちはー、ミューです。今はこんばんはかな?」
美優が頭の上でピースサインをしながら明るい挨拶をする。
「そして此方、黒い猫面を被った私みたいに小さくて可愛らしい、その上ナイスバディなアケンちゃんです」
「どうもー。アケンだよ。よろしくね」
朱美ちゃんがカメラに向かって可愛く手を振る。
「いやー、2人共本当に綺麗で可愛いのに、そのお顔をお見せ出来なくて残念」
「ではでは、此方男性チームはサクッと行きましょうか」
ここで泰文が出て来て進行役を交代する。
「此方、こんな真っ暗な夜道でもサングラスをかけてる男がケンケン。そしてマスク姿の男がノブックスです」
こんなに真っ暗なのにサングラス用意したのお前だろ!っと突っ込みたかったがカメラが回ってる以上我慢するしかなかった。
「いや、俺達2人はまとめて紹介かよ」
俺とノブが同時に突っ込む。
「いやぁ、視聴者の方々が見たいのは美女3人かなっと思いまして、男性陣はこんなもんでいいかなと」
泰文が笑いながら紹介コーナーを締める。
ここまでは大まかな流れに沿って無事来れた。
ここから先、本題の心霊スポット巡りに入ってからが何も決まってない出たとこ勝負だ。
だいたいどんな所に行くかも事前に聞かされてないからシナリオも描きようがなかった。
「さぁ、では行ってみましょう。心霊スポット1発目は、実はこのオープニングを撮ってるここ、S県のK公園です」
泰文が高らかに告げると俺達から驚きの声が上がる。
俺達は本当に何も聞かされていなかったからここが1発目だとは思ってなかったからだ。
「いやぁ、今のは良いリアクションだったね。リアルな表情も届けられたんじゃない?」
そう言って佐和子は楽しそうに笑っているが、残念ながらお面やサングラスで顔を隠しているのでその表情が届けられる事はなかった。
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