第十二話 ヌードで帰還!
「それじゃあ」
マコトとユキは裸のまま、再びシートへとお尻を降ろす。
巨乳を寄せ上げて美脚の左右付け根を強調して責め苛んで、裸身を扇情的に飾ってくるシートベルトを装着して、準備完了。
先ほど、二人が惑星へと降下したポッド用の出入り口である、ステーションの外壁が、音もなく開かれた。
「ステーションの出入ゲート、解放を確認。ポッド、進入いたします」
ユキがコンソールの表示を口頭で確認しているのは、ステーションの係官へも問題なしだと伝える為だ。
「こういう時、船内カメラが無くて 良かったよ」
もし、口頭チェックだけでなくカメラ映像まで規定されていたら、シートベルトに飾られる二人の裸も、男性係官に見られる事となってしまう。
マコトのつぶやきに、計器をチェックするユキも、クスっと微笑んだ。
「ポッド、進入続行」
ポッドのゲートは、リング状な七色の小型照明が廻るように点滅していて、ポッドの接続部分とステーションのロック機構が、ユックリと接近。
数秒の後には、ン…とほぼ無震動な微細の揺れを感じて、ポッドがロックされた。
コンソールの接続ランプが、黄色から緑色へと変化する。
「ロックを確認。ポッド、無事 帰還いたしました」
乗組員の報告を受けて、外壁が音もなく閉じられると、ゲート内が滅菌用の光線で完全洗浄された後、空気が充満され始めた。
「滅菌を確認。酸素濃度 適性。問題なし ですわ♪」
三十秒ほどで、ゲート内は酸素で満たされ、ポッドの搭乗員も下船が許可される。
二人は無重力の中で、辱めのようなシートベルトを外し、荷物の固定も解除をして、ポッドの扉をオープンさせて。
「やっと降りられる–あ」
マコトが気づいた。
「? 如何 いたしました?」
無垢な「?」の愛顔なユキに、凛々しく戸惑う美顔のマコトが応える。
「ボクたち、裸だよね」
「ええ。ですから。そのザックで 身体を隠せば…あぁ」
自分で言って、ユキも理解をした。
惑星調査から帰還した調査員は、どんな小さな荷物でも、専用の調査ゲートを通さなければならない。
万が一にも、持ち出し禁止の固有種などを持ち出しされない為の、銀河レベルでの防疫保護規定である。
もちろん、捜査官である二人がそんな悪事を働くつもりも理由も無いけれど、惑星管理者の余計な心配や嫌疑を避ける意味でも、たとえ行政の最高責任者だって従う規則だ。
現状で、ザックを荷物用のゲートへと送ってから、二人は係官たちが監視をするウインドウの前を、裸で通過しなければならないのである。
「このザックを、まずは先に専用ゲートへと 送らなければなりませんわ」
「うん…。そのあと、どうしようか」
男性係官に無重力ヌードを披露しなければならない事態に、恥ずかしい様子の二人だけど、やはりというか、こういう時の決断は、マコトよりも早いユキだ。
「どうしようもなにも、決まりは決まりですし…致し方ありませんわ」
「…だよね」
ユキに言われてしまっては、マコトも覚悟を決めるしかない。
二人は荷物用のゲートへと、ザックを流して。
「それじゃあ…いくよ」
一緒に深呼吸をして、お互いに頷き合って、無重力ゲートへと、ポッドから裸身を流した。
「下船いたします」
『どうぞ』
男性係官の応答に、また恥ずかしさが強くなる。
しかし、下船しないわけにもゆかない。
「「えいっ!」」
二人で抱き合ってとか、何かを隠すような仕草では、要らぬ嫌疑をかけられてしまう。
なので二人は、裸身をなるべく綺麗に延ばして、男性係官の視線を意識しないように頑張って、ポッドからゲートの入り口へと、無重力浮遊をした。
頑なに前だけを見つめて、二人のヌードが、ゆっくりと泳いで進む。
中性的な王子様と感じられるマコトの美顔が、無垢なお姫様のようなユキの愛顔が、恥ずかしさで、頬やうなじが朱く上気。
それぞれのケモ耳とケモ尻尾も、恥ずかしさを誤魔化す為にピンと立てているけれど、隠しきれず、ピクピクと微細に震えていた。
大きな双乳は無重力で丸く綺麗に形を作り、しかし不審の無い証として、全身を軽く回転させながらの浮遊による遠心力を受けていて、巨乳は柔らかい砲弾型へとHな変形。
細い背中と引き締まったお腹がライトに照らされて艶を魅せて、パツパツな下腹部や大きなお尻も、回転しながら観察をされる。
ムッチリとした艶々の腿から細い膝、鍛えられて綺麗に引き締まった脹ら脛から細い足首までの全身が、男性係官の視線に晒されていた。
『お帰りなさっ–んっ、ゴホん…っ!』
特殊捜査官の二人が密輸出をするなんて、もちろん男性係官も、疑ってすらいない。
しかし帰還者の監視は任務であり規則であるので、一挙手一投足を観察するのが決まりであり、男性係官は美少女捜査官たちの魅惑的な裸身に視線を泳がせつつ、真っ赤になって使命を全うした。
ゲートの入り口へ到着をすると、二人は今や遅しと、滅菌室へ続く通路の扉が開かれるのを、まさに一日千秋の思いで待つ。
「はやく…!」
「開いてください…!」
規定通りの速度でゲートが開かれると、裸身の二人は急いで通路へと隠れ込んだ。
「はぁ…恥ずかしかった」
「いつまでも、慣れないものですわ」
とか、裸に抵抗の少ないユキが言う。
惑星へ降下した時とは逆の手順で、マコトとユキはブーツとグローブと、殺菌用の首輪を外して、滅菌室へと入った。
装備品の滅菌が完了をすると、首輪はステーション側に自動で回収をされて、グローブとブーツは脱衣室へと運搬される。
全裸となった二人は降下前と同じく、両腕を拡げて水平よりも少し高くまで上げて、口を開いて、両脚を肩幅よりも少し広くまで開く。
『それでは、滅菌処理を開始いたします』
今回は、惑星で付着しているであろう様々な雑菌を、外惑星に漏れないようにする為の滅菌である。
二人は裸体に、様々な角度からの滅菌光線が当てられると、緑色で極細な光の線に裸身の起伏がなぞられて、全身が滅菌されてゆく。
美しい媚顔や、白い歯が輝く口の中、双つの巨乳肌や先端の桃色媚突、細い背中やタップリのヒップや艶々の下腹部、秘すべき綴じ目やお尻の谷底まで、肌の全てを滅菌処理。
外への安心という意味で、滅菌作業は降下前よりも時間が費やされた。
『滅菌完了です。お疲れ様でした』
と、全裸での滅菌が終わって滅菌室かの扉が開けられても、二人のスーツは惑星の巨大スズメバチによって食べられてしまっているので、着る物がない。
『あの…着衣はこちらでご用意させていただきましたので、宜しかったら…』
と、男性係官の恥ずかしそうな声が、スピーカーから聞こえた。
脱衣室に入ると、滅菌の終わったブーツやグローブと一緒に、用意された着替えが運搬されている。
「助かった♪」
このまま全裸でホワイト・フロール号まで戻る可能性も考えていたから、正直ホっとした。
衣服を拡げてみると、男性用のグレーな半袖Tシャツ。
男性しかいないステーションだから、予備の衣服なども、あまり気にされていないのだろう。
「シャツ と」
一応、下用として腿丈のパンツが用意されていたけれど、こちらも当然、男性用。
どちらも簡易式の使い捨て下着であり、材質も一般的な衣服などではなく、一日だけ着られれば充分という素材である。
「これなら 良いかな」
少しの間、ステーション内の移動だけである。
隣の部屋で、ユキも同じくホっとしながら、二人はそれぞれ隣接しているシャワー室で、あらためて全身を綺麗に洗浄。
布ではなく温風式のタオルで全身の水滴を拭うと、脱衣室へ戻って着衣。
男性用のシャツは頭からスッポリと被れて、丈も腿の付け根までのギリギリサイズ。
背筋を伸ばしていればお尻もなんとか隠れるけれど、少しでも屈むと露出してしまうだろう。
そして問題は、パンツだった。
「男性用だし…あ」
ウエストはだいぶ余っても、大きなヒップに引っかかって、ズリ落ちる事はまずないだろう。
と思って履いたら、薄く皮下脂肪も艶めく太腿とムッチリ実ったお尻が通らず、ちょっと無理矢理に引っ張ったら、伸びが悪くて引き裂けてしまった。
「…まぁ、仕方がないか」
とにかく、シャツのみとはいえ裸を隠す事が出来ただけ、全裸よりもずっとマシだ。
脱衣室から出てくると、ユキが通路で待っていた。
マコトと同じく、シャツ一枚という姿だ。
「やはりマコトも、下は通らなかったようですわね」
「ボクたちのお尻、そんなに大きいのかな?」
との疑問に、クスクスと笑うユキは、男性用のTシャツだけを纏った、なんだかHなスタイルだ。
それぞれのシャツのお尻からは、黒いネコ尻尾と白いウサ尻尾が揺れていて、シャツの下には何もつけていないと、それだけで伝わってしまう感じ。
「…なんだか、珍しい恰好だよね」
「ですわ…。ちょっと ドキドキしてしまいますわ♪」
このようなスタイルも、ユキは楽しめるようだ。
同じような恰好の二人は、お互いの外観にちょっとセクシーな想像をしてしまったりして、しばし見合ったり。
「とにかく これで」
「ええ。あのご夫婦に、お孫さんへのプレゼントを 手渡せますわ」
それは、素直に嬉しい事である。
そんな二人には、しかしもう一つだけ、しなければならない、そしてとても恥ずかしい仕事が残っていた。
~第十二話 終わり~
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