その後


「ネロくん、どうしたの? 固まってる」

「あう、あう‥‥‥」


「水神様に対するご無礼の数々、この里の長である私の首をもって、どうかご容赦くださいませ!」

「い、らな、い」

 そんなものいるか! 

 首もらってどうするんだよ!



「なんかネロくん、麻痺したみたいになっちゃったから、こっちの部屋で治療しようか?」


 エルフさん達が数人立ち上がり、固まってる俺を運んでくれた。部屋に入ったら動けるようになった。ありがとう。





「ユラ! お前、水の神様とかそう言うのを、言うんじゃない!」

「えぇー、なんでー? 秘密だったのー?」


「やはり本当なのですね。ネロ様、申し訳ございませんでした」

「長老様、やめてください」


「私の事はカミラと。ユグドラシル様は最初からお気付きだったのですね。私の不徳の致すところでございます」

「そりゃそうだよ。ボクの身体の水分を入れ替えられるなんて、神級の加護持ちだとしても無理だもん」


 確かにあの頃では無理だったろうな。

 MPは有限だったし‥‥‥。


「確かにあの魔力量はヒューマンで扱えるものではありませんでした。ユグドラシル様のお体の変調にも気付くのが遅くなりましたし、最早、私が長老を務めるべきではありませんね‥‥‥」


「そうかもねー? だからカミラ。長老は誰かに任せて、ボクの枝の世話をしてよ。ネロくんの家に植えるんでしょ?」

「そうだなぁ、その辺に植えるわけにはいかないよなぁ?」


「じゃあ決まり! 一緒に行こう! カミラ!」

「はい、全身全霊をもってお世話させていただきます」



 その後は、エルフの里の長老の交代、世界樹が無事に治った快気祝い、俺の歓迎会、感謝祭と色々あった。


「是非またお越しください。ネロ様」

「あー、うん。気が向いたら来ます」


 ひと段落ついたので、世界樹の実をもらって帰る事にしたのだ。いっぱいいるとまたテンパるので、見送りは最小限で、と強く希望した。



 ミストドアでクリスさんを帝都に送った。

 俺の事は秘密にしてもらわなきゃ。


「クリスさん、くれぐれも内密にして下さいよ」

「わかりました」


「その話し方だとバレますよね?」

「‥‥‥わかった」


「それではクリス、元気でやりなさい。たまにはヤーパン王国にも来なさいね」

「はい、お母様もお元気で」


 今度はミストドアを我が家に繋ぐ。

「この魔法は本当に便利ですね」

「でしょう? 行った事ある所にしか行けないけどね」



「ただいまー」


「「「!!!!!!!!」」」


 久しぶりの我が家だ。

 10日くらいだったけど久しぶりな気がする。 


「ネロ様~!!!!」

「おお、ただいま。ヨウコちゃん。どうした?」


 帰って来た事に喜んでくれて。

 こうやって出迎えてくれて嬉しいなぁ。




「どうした? じゃ、ございませぬ! 着いたら呼んでくれると言うたではありませぬか!!」


 あ‥‥‥、ごめん‥‥‥。

 マジですっかり忘れてました。

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