報告
とりあえず帰って来た報告を。
ぷりぷり怒っているヨウコちゃんを宥めつつ、尻尾と耳をもふもふしながら‥‥‥。
この場にいるのは、マリアとナタリー。
シャルは伏せっているようだ。
「で、隣のエルフは誰?」
「また増えるんですか‥‥‥はぁ‥‥‥」
「いや、増えないよ。この方はエルフの里で長老をしていたカミラさん。もらって来た世界樹の枝を管理してくれる事になったんだ」
「「世界樹の枝!?」」
「私はネロ様に助けて頂いたエルフの里のカミラと申します。奥方様、ネロ様は世界樹の治療をしていただきました。その礼にと、世界樹の枝を分けていただいたのでございます」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」」
「世界樹の枝を分けられるのは、滅多ある事ではありません。精霊体であるユグドラシル様の最大のお礼の気持ちでございます」
「話が大き過ぎてついていけないんだけど」
「世界樹‥‥‥本当に有ったんですね」
「という訳で、我が家に世界樹の枝を植えようと思います」
「「反対!!!!」」
おっと、まさかの反対意見。
「世界樹が家にある人なんていないわよ!」
「家が世界樹に潰されちゃいます!」
「あ、その点は大丈夫かと。枝が世界樹のサイズになるのは、一万年以上かかります。100年程度では、大きめの木としか認識されないでしょう。それなりの大きさになったら認識阻害の結界を張りますゆえ」
「王宮に許可を貰った方がいいのかな?」
「それも不要でしょう。世界樹はヒューマンにとっては伝説の中の存在でしょうから」
それもそうだな。
世界樹を植えてもいいですか? なんて質問出来ないよな。
「植えて一年で普通の木程度になりますでしょう。そうなると実も少しつきますので」
「そうだ、シャルに世界樹の実を食べてもらわなきゃ‥‥‥。どうやって食べるの?」
「普通に切って皮ごとお召し上がりください」
「なんか楽しそうな話してるじゃないの」
シャルが来た。
「シャル。体調はどうだい? 世界樹の実を持って来たからね。きっとこれで体調も良くなるよ‥‥‥」
「は‥‥‥?」
シャルには一から説明しなきゃだな。
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