暴露


「じゃあ、話終わったから解散していーよ」

「はっ! 皆の者、持ち場に戻り復旧作業に戻れ!」


 解散になった。あぁ、良かった。

 これでまともに喋れる。


「あ、ネロくん。ちょっといいかな?」

「あ、はい。ユグドラシル様」


「ユグドラシル様なんてやめてよ。そうだなぁ‥‥‥、じゃあユラって呼んで!」

「ユラ様‥‥‥」


「ユラ!」

「‥‥‥ユラ」


「良し! 今後はそう呼んで。ボク達はもう友達だね! だから敬語も無し!」

「ユラ、わかった。よろしくな」


「で、お願いなんだけど。ネロくんのお水をまた出してくれないかなぁ?」

「え? 水?」


「ダメ?」

 なんだ、コイツ。

 少年のくせに可愛いじゃねーか。


「いいよ。水なんていくらでも出せるし」


 水を出して宙に浮かせる。

 ユラが指を突っ込む。


「あぁっ! 美味っしぃーーー!!!!」


 くっ!! 可愛い!!!! 

 なんだ、その笑顔! 男のくせに!!


「ネロくんのお水、すっごく美味しいの! また、出してもらってもいい?」

「あぁ、いいよ。いつでもどうぞ‥‥‥」


「やったぁーー!!!!」


 くっ! 負けないぞ!!


「やっぱり、水の神様のお水は別格だよねー!!」


 シーーン‥‥‥


 今日一番の大きな声の後に、今日一番の沈黙が訪れる‥‥‥。


「あれ? みんな、どうしたの?」

「ユラ‥‥‥、お前今‥‥‥」


「水の神様だもんねー!! すっごく美味しいから、みんなも飲んでみたら?」


 ガバッ!!!!!!!!


エルフさん達、その場で総土下座‥‥‥。

俺、再び大目立ちして動けない‥‥‥。

ユラは何が起きているのかわかってない。


「大変申し訳ございませんでしたー!!!!」

「「「「でしたー!!!!」」」」

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