彼女を殺したのは…
「彼女を殺した…?僕が?ふざけるな!彼女を殺したのはお前だろう!彼女の前で得意げに吹きやがって!お前のせいで自殺したんだ!」
僕は声を荒げた。だが、そこに居たのは部長になりすました誰かだった。
「俺は彼女の仇を取りに来た。」
「俺…?お前誰だよ!部長じゃないのか!」
「俺は副部長…彼女の仇を取りに来たんだ!」
直後に胸の辺りに激痛が走った。そして意識が薄れていった。
僕は全てを思い出した。あの日彼女が自殺ではなく僕が殺したことも、部長は既に死んでいたことも…
彼女が自殺した日、正確には僕が誤って彼女の命を奪った日、本来僕が死ぬはずだった日
僕はあの日校舎から飛び降りて自殺するつもりだった。最後に妹にこんな兄貴を許してくれ、とメッセージを送信した。
飛び降りる瞬間に妹が駆けつけてきた。止めるな、やめてくれ、と抵抗している内に彼女を…妹を突き落としてしまった。
僕は頭が真っ白になった。これは悪い夢なのだ。事故だった。僕のせいではない。僕以外の誰かのせいだ…そうだ、部長は彼女と一緒に練習していた、きっとそれで…許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない…
僕は部長の家を知っていた。部長が帰ってくるのを狙って待ち伏せた。そして彼女が帰ってきたとき、トランペットで何度も殴打した。
気が付くと手には壊れた彼女のトランペットを持って帰宅していた。
彼女が大切にしていたものだ、せめてこれだけでも守らなければ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます