第2話

ただこの父親が亡くなってからの私は、何に対してもやり気を失い何も手がつかないとか、悲しみでふとした瞬間に涙が止まらなくなるとか、ボーッとして空を眺めるとか、そんなことは全くなく普段の日常を淡々とこなしていた。今思えば、父親の死と言うものがどうゆうものなのかその時はよく理解出来ていなかったんだと思う。


そして月日は流れ私は晴れて結婚した、26歳のときだった。

ただこの辺りをキッカケに父親の存在と言うものの本当の大きさを知ることになる。

結婚前に当たり前だがお互いの親に挨拶に行った、そのときである私の母親は私たちに「おめでとう」を言ってくれなかったのだ。


今では主人も結婚10年になるし、もう認めてくれているんじゃない?と優しく言ってくれているが、普通のことが普通に出来ない。自分の本性を隠せない人、それが私の母なのだ。この件でちょっとしたと言うかかなりのいざこざがあったのは事実だ。


結婚なんて一筋縄ではいかないことぐらい、私でも分かっていたがやっぱり考えてしまう。

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