子供な私

@dagoshi

第1話

私の父は私が高校生のときに亡くなっている、肝硬変だった。

父は自営業で塗装業をやっており、余ったペンキで自宅までに続く塀にみんなで絵を書いたり塗ったりしたこともいい思い出だ。


私が物心をついた時にはボクシングもやっていて、たまにジムに遊びに行ったりもしていた。変なポーズで何をやっているんだと幼い私は思ったが真剣な表情で練習している姿を見てお父さんかっこいいーなんて思ったりもした。なぜ身長が低いのかと思い返すとボクシングが原因だったと頷ける。


そんな父親だったが料理も得意で記憶にあるのは休日になるとオムレツを作ってくれた、洋食屋でアルバイトをしていた父は料理のセンスもあった。内緒だか母親が作る料理よりも美味しかったと記憶している。それと父を語る上で忘れてはいけないのは「タコス」だ!!味の濃いひき肉にトマトを細かく刻み、細切りのレタスがパリッとした皮に挟んである異国の食べ物。父はこれが好きだったのかよく作って私たちに出してくれた。当たり前だが、食べてる最中に具がぼろぼろとこぼれてしまう。ただその様子を見ながら笑っていた父の笑顔をたまに思い出すときがある。



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