第146話 大学生活一年目(1)
春が来て、俺達は大学生となった。
取り敢えず、初日は凄い人で驚いた。
案内で黒絵が来てくれたので助かった。
助かったのだが・・・
「こちらテニスサークルです!君たち可愛いね!是非うちのサークルへ!!」
「おい!待て!君たち!こっちの方が楽しいよ?うちは飲み会メインだから!」
「俺達は旅サークルだ!いろんなところに行けるよ?飲み会も勿論ある!どう!?」
・・・サークルの勧誘がうざい。
シオンと柚葉に男が群がっている。
すぐに助けに入る。
「すみません。俺達はサークルに入るつもりはありません。」
これは、事前に話し合って決めていた事だ。
「お前は引っ込んでろ!俺達はこの子達に言ってんだ!」
「そうだ!後輩が生意気だ!!」
「どっか行ってろ!!・・・それでさぁ?君たちは・・・」
・・・こいつら、みんなぶっ飛ばしてやろうか。
「総司の言う通りよ。あたし達はサークルなんて入らないわ。邪魔よ!!」
「そうです!そーちゃん行こう?」
「そんな事言わないでさぁ?なんならサークル費いらないからさぁ・・・」
シオンと柚葉の言葉を聞くも、男達は止まらない。
ああ・・・我慢の限界だ。
こいつら・・・
「おい。」
俺が一歩踏み出した時だった。
底冷えするような声。
「ワタシの男と仲間に何か文句があるのか?」
黒絵が男達を睨みつけながら言い放つ。
すげぇ殺気だ。
「ああ!?・・・って、あんたは・・・」
「!?あ、あれって・・・研究棟の女王だろ!?今、ワタシの男って言ったか!?」
周囲がざわつく。
研究棟の女王?
・・・こいつ何やったんだ?
「ワタシの男は、ワタシよりも強い。どういう意味かわかるか?」
「「「「「「「!?」」」」」」」」」
その言葉に男たちは俺を驚愕の目で見た後、
・・・いや、本当に何やったんだ黒絵?
「さぁ、行こう。」
そして俺達は歩きだす。
「黒絵、あんた何やったの?」
「それはな・・・」
シオンも気になったようで、黒絵に聞くと、驚愕の回答だった。
要約すると、去年のサークル勧誘で、あんまりにも男どもがしつこかったので、自分に勝ったら入ってやるって言って、ルール無用で試合をし、全員ぶちのめしたらしい。
その中には、全国大会に行った空手部や剣道部、日本拳法部なんかも居たらしく、それ以降、勧誘は無くなったらしい。
そして、学部でもその優秀さを示したため、その美貌と強さ、才能を称え、『研究棟の女王』と呼ばれるようになったんだと。
流石は黒絵だ。
・・・俺もそれやりたかったなぁ。
良いストレス解消になっただろうに。
受験で、身体も鈍ってたから、良いリハビリ代わりになっただろうしな。
それ以降、すぐに知れ渡り、俺達に勧誘は無くなった。
だが、実は黒絵達にには言っていないが、俺には何人かお客さんが来た事があった。
やましいことは無い。
ただ、シオンや柚葉、黒絵と離れろって言ってきたり、飲み会に連れてこいって脅す馬鹿だ。
当然、解決済みだ。
え?そいつらがどうなったかって?
そうだなぁ・・・俺を視界に入れたら、すぐに逃げ出すか、震えて動けなくなるようになったってだけだな。
そう、大した事はしていない。
懇切丁寧に説得しただけだ。
分かってもらえるまで、な。
夏は、主に自動車の運転免許の取得に力を入れた。
シオンと柚葉もそうだ。
だが、それだけでは無い。
翔子も含めて、海に行った。
黒絵の運転でな。
とても楽しかった。
途中、絡んできたバカどもを黒絵と一緒に遊んでやった。
とてもスッキリした。
そいつらも、泣きながら喜んでたぞ?
何人かは腕が反対方向を向いてたがな。
翔子の受験勉強は問題無いそうだ。
一年早く始めていた事もあり、すでに模試でA判定を貰っているらしい。
ちなみに、瑞希も勉強を始めているらしい。
どうも、俺達と一緒の大学に来たいようだ。
・・・あいつ、シオン達の事好きすぎだろ。
しかし、そう言ったら、瑞希に思い切りケツを蹴られた。
なんでだ?
祭りにも行った。
前と同じく、光彦と三津浦も居る。
今回は、瑞希と杏奈ちゃんも来た。
みんな浴衣で、とても良い景色だった。
光彦と肩を組頷く。
「・・・総司、素晴らしい眺めだな!」
「ああ、まったくだ。」
肩を組んでうんうんと頷く俺達を見て、杏奈ちゃんの息が荒くなる。
・・・この子やっぱり。
腐ってやがる・・・早すぎたんだ。
今回も、以前花火を見た所に行き、みんなで花火を見る。
とても綺麗で、素晴らしい時間だった・・・そこまでは。
夜、帰宅途中、瑞希は杏奈ちゃんの家に泊まり、俺と光彦はシオン達と三津浦に、綺羅びやかなお城みたいな所に連れ込まれた。
俺は抵抗した。
しかし、そんな俺を見て、
「・・・総司。無理だ。諦めろ。俺達は、こいつらには勝てん。」
と、全てを諦めた目をした光彦に言われてしまった。
光彦は良い。
相手は、三津浦だけだからな。
だが、俺はみんなでする気は無い!
だから拒否だ!!
と、意気込んだが・・・
「総司?ここで拒否したら、お義母さんに頼んで、あなたのお家でするわよ?」
「そうですね。お義母様ならきっと協力して頂けるでしょう。それに良いのですか?その場合は、私達にも考えがありますよ?」
「そーちゃん、ここでなら私達は一人づつ相手をするけど、お家ならみんなで襲うよ?そーちゃんを、ね?どっちがいい?」
「ソウ。ワタシはどちらでも一向に構わん。だが、もしここでするのならば、目隠しをすると誓おう。自分の番以外ではな。」
・・・結局、説得(脅迫)され、連れ込まれる。
・・・これ、どんな状況なんだ?
俺が一人を相手にしている時、あいつら目隠しして3人で話してるんだぜ?
それも、裸で。
どんな神経してるんだ・・・
それと、たまに視線を感じる気がするんだよな。
なんか見られてる気がする。
あいつらに。
「総司?手伝おうか?」
柚葉としている時に、シオンからそんな事を言われる。
「何言ってんだ!いらねぇ!!」
「あ、そう。・・・ッチ!」
・・・なんか舌打ちされた。
こいつらが望む事。
なんとなくわかっている。
・・・いずれ、解禁してしまいそうで怖い。
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