第134話 2月のイベントと言えば?(2)

「あらあら・・・翼さん、どうやら総司くんはこの食べさせ方では、満足していないみたいよ?」

「なるほど・・・確かに、これでは瑞希さんと同じですものね。折角だから、大人の食べさせ方にしましょう。総司くん?ん♡」


 そう言って、翼さんは口に咥えて、俺に迫ってきた!

 

「た、食べられるわけないでしょう!?」

「総司くん?だって、手で食べさせられるのは拒否したでしょう?あ、これもだめなら・・・そうね。こ・こ・に!挟んだものなら食べられるかしら♡」


 そう言って、自らの胸をムニムニとダイナミックに動かす琴音さん。

 その大迫力に思わず凝視してしまう。


「そ、そ、それこそ無理ですって!!」

「なら、これで妥協しなさいな・・・ほら・・・翼の熱でチョコが溶けて来てるわ・・・早くしないと、完全に口移しになちゃうわよ♡」


 俺が視線を戻すと、確かにチョコが溶けて来ていて・・・よりエロくなってる!


ほうひそうじくん・・・ふぁひゃふ早く・・・」

「くっ・・・!?」


 それでも俺が躊躇していると、翼さんが両手俺の首に回して・・・徐々に抱き寄せて来た。

 あああ・・・だんだんと綺麗な顔が近づいて・・・こ、こうなったら、端っこを噛んで、すぐに引き抜くしかない!!


「あむっ!!」

「ん♡あん♡」


 なんとか接触せずに引き抜いて事なきをえる。

 

「もう・・・総司くんの意地悪・・・」


 翼さんが残念そうに呟く。

 あぶねぇ・・・でもこれで・・・へ?


 もう片方からも同じ様に手を回されて引き寄せられる。

 犯人は勿論琴音さんだ。


ほひゃほら・・・ひょっひふぉこっちも♡」


 くそっ!

 躊躇している暇は無い!!

 段々と近づいてくる琴音さんの綺麗な顔。

 その表情はとても淫靡なものだった。


「くっ・・・!?はむっ・・・!?」

「ん♡・・・んふ♡」


 上手く引き抜いて油断した瞬間、琴音さんがぺろりと俺の口端のチョコを舐め取った。


「な、何を・・・!?」

「あ、総司くんここにも・・・ぺろっ」

「ひぃ!?」


 俺が狼狽していると、俺の顔に手を添え、自分の方に向けた翼さんが、俺の口端を舌で舐めた。


 そして二人は、固まっている俺の耳に口を近づけると、小声で、


「・・・今日はこれくらいにしてあげる。でも、いずれは・・・ね♡」

「総司くん?・・・とっても甘いかったですよ♡そのうち・・・もっと味あわせてね♡」


 耳元で囁かれて、背筋をぞくぞくとさせていると、二人は同時に耳を舐めた。


「うひぃ!?」

「あっはっは!うひぃだって!!総司?良かったわねぇ。」


 爆笑している母さん。

 良くねぇ!

 すぐ面白がりやがって!!


「総司!?なんの声・・・ってお母さん!また〜!!」

「そーちゃん!?近い!近いよ!!だめ〜!!」

「ソウ!またしてもお前というヤツは!!隙をみせおって!!」

「流石お母さん!琴音さん!素晴らしい手練手管です!!」


 俺にしなだれかかっている二人に、叫び声を聞いて駆けつけた四人が激昂する・・・って翔子は違うか。


 そして、一頻ひとしきり二人に注意している3人と、詳細を母さんから聞いている翔子は、俺を部屋に連れ込み、今の状況となっている。


 そして、翔子から状況を聞いた3人は激怒。


「もう!お母さんったら!娘の男にまたしても手を出してぇ!!」

「そーちゃんもいけないんだよ?隙をみせるから!!」

「柚葉の言う通りだ!ソウ!反省しろ!!」

「総司くん、そろそろお母さんと琴音さんも仲間入りさせませんか?」

「「「翔子(ちゃん)!!!」」」


 翔子のトンデモ発言に、3人が翔子を叱る。

 だが・・・


「ですが、あの二人もきっと寂しいのですよ?夫に浮気されているし・・・私はあの二人も好きなんです。幸せになって欲しいんです・・・」

「うっ・・・」

「う〜・・・」

「むぅ・・・」


 しょんぼりした翔子に、3人は追撃ができなくなる。

 特に、あまり良い父親ではなかったシオンには効果的だったみたいだ。


「・・・まぁ、それはそうかもだけど・・・う〜・・・やっぱり抵抗がある・・・」

「うん・・・理解はできるけど・・・納得が・・・」

「ああ・・・どうしてもなぁ・・・」


 3人は考えこんでしまった。


 ・・・いやいや、普通に考えて、母親は無いだろう。

 俺にしてみれば、義母か・・・いや、AVじゃないんだからさぁ。

 ・・あんなDVDを持っていた俺が言う事じゃないかもしれんが。


「ああ、もう!取り敢えず今は考えるのやめる!それより総司!わかってるわね!?今日寝れると思わないでよ?!!」


 しかし、続くシオンの言葉に、俺が今度は驚愕した。


「はぁ!?おま・・・下に母親達が居て、隣に瑞希が居るんだぞ!?」

「うるさい!あんたが嫉妬させるから悪い!黒絵!」

「よし来た!!」


 おわっ!?また!?


「柚葉も!!」

「うん!!えい!!」

「むぎゅ!?」


 顔が!?包まれた!?


「翔子!その件は取り敢えず今は無し!それよりも!!」

「ええ、わかりました。総司くん?お覚悟!!えい!はむっ!!」


 あ!?ズボンが・・・パンツが・・・はぅ!?ヌルっと!?


「さて、総司。覚悟は出来ているかしら?」

「・・・」


 こうして前話冒頭に戻る。

 ん?前話ってなんだ?

 ・・・とにかく、これで何故俺が喋れなかったかわかった筈だ。


 しかし、このままではまずい!

 俺は複数でするつもりは無いんだ!


 この後、なんとか土下座で勘弁して貰った。

 ・・・今度、心ゆくまで付き合うという約束を交わして。


 ・・・あれ?なんか夢で見たバレンタインとあんまり結果が変わってないような気が・・・う!?頭痛が!?


****************

あとがき

・・・2月は本当にイベントが無い・・・バレンタインかぶりをしてしまいました。

思いついて、面白そうだったので(笑)



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